No.276 二子山1166m(北秩父) 平成22年(2010年)6月25日 |
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《マイカー利用》 …関越自動車道・花園I.C-《車65分》-坂本登山口〜股峠〜二子山東岳〜股峠〜二子山西岳(東峰・中央峰・西峰)〜魚尾道峠〜国道299号線・下山口(魚尾道登山口)〜坂本登山口-《車30分》-「バイクの森おがの・般若の湯」(入浴)-《車50分》-花園I.C… 【歩行時間:
4時間50分】 |
東岳から西岳へ向かう |
西岳の中央峰から西峰へ向かう “ゴジラの背のような”岩稜を進む |
*** コラム *** 国連の世界保健機構(WHO)の定義によると、65〜74歳を前期高齢者(ヤングオールド)、75〜84歳を中期高齢者(ミドルオールド)、85歳以上を後期高齢者(オールドオールド)と呼ぶらしいです。ちなみに、私はまだ(H22年6月現在)中年です。 ということで(どういうこと?)、今回は中高年の平衡感覚についてです。 高齢になると筋力や俊敏性など各種の体力は若い頃の半分くらいまで落ちてきますが、特に平衡性については凄まじいばかりに低下するようです。「登山技術全書・登山医学入門(山と渓谷社)」によりますと、平衡性については男女とも(65歳で)20歳のときの20%前後にまで低下する、とのことです。恐いですねぇぇぇ。 そういう意味で、クサリ場の続く今回の二子山は中高年向きの山ではないかもしれない、と、行く前まではそう思っていました。しかし実際に登ってみて分かったのですが、ルートファインディングに留意して踏み跡を外さないことを前提に、岩登りの基本技術(三点確保:三点支持)をしっかりと守れば、この山のクサリ場は平衡感覚の落ちた中高年にも安全に歩くことができると思いました。 老いても山歩きにおける多少の冒険性は維持したい、と思うのは、それは罪なことでしょうか。客観的な判断と経験に裏付けられた“安全の範疇での冒険”ならばいいじゃないか、と思う私ですが…。妻の佐知子は、山登りではどんな冒険であれ、それは絶対にダメ! と云っています。(^^ゞ たしかに「冒険」の解釈については、その人の思想や経験値等による個人差があるようです。そもそも“安全の範疇での冒険”はもうすでに冒険ではない、という考え方もあります。一方、家から一歩出れば冒険の世界(アウトドア=冒険)と云う人もいますし…。 トムソーヤーの冒険はハッピーエンドでめでたしめでたしですが、実際は何時もそうだとは限りません。う〜ん、その“境界”というのは…、かなり難しいですね。まぁ、人それぞれ、金子みすずの「みんなちがって みんないい」ということで、今回の話にけりをつけたいと思います。キーワードはやはり「多様性」ですよね。 * 高齢になってからの登山の極意: 工夫して、無理をしないで、なるべく複数で、安全安心を第一に、昨年よりは確実に衰えていることを前提に、経験を活かしてしっかりと計画して、撤退を恥とは思わず、おおらかに軽やかにまったりと、ストックを上手に利用して、明るく元気に爽やかに…歩けば、きっとまだまだ歩けると思います。 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう:こむらがえりや腰痛などに効く漢方薬)や医師から処方された痛み止め、及び膝のサポーターなども強力な味方になってくれるかも。[後日追記] |