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No.97-1 都民の森から三頭山(奥多摩)
平成11年(1999年)12月4日 曇り マイカー利用

三頭山:ブナの路
三頭山中央峰の山頂にて
三頭山(西峰)の山頂

左より:雲取山、芋の木ドッケ、高丸山
山頂から雲取山方面を望む


「森を守る」ことの難しさを学んだ

《マイカー利用》 中央自動車道・八王子I.C-《車80分》-都民の森・森林館〜鞘口峠〜三頭山・東峰(三角点峰)1527.5m〜中央峰(最高峰)1531m〜西峰1524.5m〜ムシカリ峠〜鞘口峠〜都民の森-《車10分》-数馬の湯(入浴)… 【歩行時間: 2時間40分】
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ


 多少の渋滞はあったが、東京都大田区の我家から約3時間ほどの運転で、桧原村にある都民の森(標高約1000m)の駐車場に着いた。都民が都民の森へ行くのに3時間もかかるなんて、「都民の森」って、はたして本当に都民の森なのかなぁ…。
* じつは、平成2年(1990年)に東京都西多摩郡檜原村と山梨県上野原市を結ぶ(笹尾根を貫く)甲武トンネルと栗坂トンネルが開通していて、中央自動車道の上野原I.Cからのアプローチならば(拙宅から)2時間ほどで都民の森に行けたようです。知らぬこととはいいながら、随分と身勝手なことを書いてしまい、またまた反省の日々を送る私です。m(__)m [後日追記]

 都民の森の売店でおやきと朝鮮饅頭(なんかよく分からないが旨かった)を食べて、歩き出したのは午前10時30分。既に紅葉は終わっていて、山は冬に入っていた。
 鞘口(さいぐち)峠を過ぎた辺りの枯木立の隙間から、奥多摩湖北岸の鷹ノ巣山などの山々(石尾根など)が見えてきた。その左側に見える広角三角形は雲取山。そのさらに左端に見える容量のある山は飛竜山(大洞山)だ。懐かしい山々を見たことで足取りも軽くなってきた。三等三角点のある三頭山(みとうさん)東峰の展望台からは東(右)の方向に御前山や大岳山が展望できた。
 最高点1531m(中央峰)を通過して三頭山西峰(こちらを中央峰だと云う人もいる)の小広い山頂に着いたのは12時20分。南方に薄ぼんやりと、丹沢や道志の山々が見えている。その右側に、三ツ峠山を従えた白銀の富士山が、白い空に同化せず神々しく聳えている。それにしても、この山の3つ(くらいの)ピークの呼称については異同が多々あり、ちょっとやっかいだ。 → この後、山頂標識などが整理されて、すっきりとした表示になったようです。(後日追記)
 落ち葉の復路、飽きることはなかった。ブナやカエデ類に混じりミズナラ、ダケカンバ、ナツツバキ、イヌブナ、ツガなどが目に付く。殆どの木は落葉しているので樹皮と樹形を楽しむことになる。所々にぶら下がっている樹木名の標板を頼りに、さらに樹木の観察を続ける。ヒノキ、カラマツ、シイ、ホオ、モミ、クリ、ミズキ、リョウブ、アセビ、ツツジ類…、沢筋にはシオジ、サワグルミ、カツラ、トチノキ、フサザクラなどが目立っている。…所謂ここは針広混交の自然林(雑木林)だ。
 途中、「このあたりは東京では貴重なブナ林です」 との説明板が立っていた。それなら何故、沢山のブナの木を切って…たくさんのお金(都民の税金)を使って…、ここに「都民の森」を造ったんだろう、と少し不思議にも思った。しかし…、整備された登山道などのおかげで簡単に(安心・安全に)三頭山を往復することができたのだから、まぁいいか、と、妻の佐知子と小さな声で会話した。
 「檜原都民の森森林館」でいろいろな展示物を見学したりして、「復習」してから帰路についた。

 その都民の森の「森林館」には森の四季を映し出すマルチビジョンというのがある。きのこや樹木を検索できるパソコンなども設置されている。一歩表へ出ればすごい自然が待っているというのに、何故、都会の博物館のようなものがここに必要なんだろうか…、といった議論は別にするとして、この都民の森で、私達夫婦は「森の役割と森を育てることの大切さ」を学んだ。そして、「健全な森を21世紀に引き継ぐ」ことの難しさもよく理解できた。

* 帰り道、桧原温泉センター「数馬の湯」に、食事を兼ねて立ち寄ってみた。公営(村営)の割には従業員たちの感じは良く、ゆっくりとくつろげた。「数馬の湯」については次項「三頭山から数馬の湯」も参照してみてください。

* 三頭大滝: 下山後暫くしてから、山の友人に、復路(又は往路)、何故「三頭大滝」を見てこなかったのか、と叱責された。なんでも、東京にもこんなにいい滝が有ったのか、というほどの立派な滝なんだそうで、それならもっと早く言ってくれれば良かったのに、と、後悔先にたたず。(このず〜っと後日、三頭大滝を見物する機会を得ました。↓下欄へ



三頭山の3つのピーク (撮影日:2020年6月9日)
御影石造りの立派な山頂標識に・・・
西峰1524.5m
展望はあまりよくない
中央峰(最高峰)1531m
樹林に囲まれて展望のない狭い山頂
東峰(三角点峰)1527.5m
* 西峰にある三角点のような標石は、宮標石といって、かつて皇室の森林だったことを示す標識、とのことです。


再び 都民の森から三頭山
令和2年(2020年)6月9日 晴れ マイカー利用

水量が少なかったです・・・
つり橋から三頭大滝を眺める

ほとんど心眼、または心願です。。。
山頂から富士山を望む

三頭大滝を見てきた!

《マイカー利用》 中央自動車道・上野原I.C-《車50分》-都民の森・森林館〜三頭大滝〜ムシカリ峠〜三頭山・西峰1525m〜〜中央峰(最高点)1531m〜東峰(三角点峰)1527.5m〜鞘口峠〜都民の森… 【歩行時間: 3時間30分】


 なんと68日ぶりに…夫婦で…山歩きをしてきました。交通手段をマイカーとすることは決めていましたが、どの山域にするかということについては迷いに迷いました。考え抜いた末に私達が選んだのは「奥多摩三山」の一座…つい最近、駐車場などの施設がコロナ規制から解除されたという…都民の森から「ブナの路」を辿って周回する三頭山でした。
 まず、一度は見ておきたかった(落差33mはあるという)三頭大滝を見物しましたが、思いのほか水量が少なくてそれほどの迫力を感じなかったのが少し残念でした。ここ数日間はまとまった雨が降っていませんが、その影響だと思いますが…。
 山頂(西峰)などからの展望については、この日は少し霞んでいましたが、富士山や近くの奥多摩の峰々などはそれなりによく見えていました。なんといっても、梅雨入り前の晴れた日の(絶好の)出揃った新緑が見事で、森林浴を満喫することができたのが嬉しかったです。マルバウツギやベニバナノツクバネウツギなどの花が未だきれいに咲き残っていました。風が清々しくて、小鳥たちやエゾハルゼミも気持ちよく歌っています。やっぱり山はいいですねぇぇぇ。
 正味3〜4時間のコースで、しかも(至れり尽くせりの)よく整備された登山道(自然探勝路)なのですが、流石に身体がなまっていて、けっこうきつく感じました。矢張り、少なくとも月に2〜3回は山を歩かないと、行きたい山がどんどん遠ざかってしまうなぁ、と、身をもって感じた次第です。
 印象的で特筆すべきなのは、思ったよりも多くのハイカーが歩いていたことで、そのほとんどが(私達と同じような)中高年の二人連れ、だったということです。コロナ禍が収まりつつある(といいなぁ)昨今、山好きのジジ・ババたちの考えることはみんな同じ、なのかもしれません。
 下山後の温泉入浴についても随分と迷ったのですが、結局、何処へも立ち寄らず(山間を縫うドライブは堪能しましたが)真っ直ぐに帰宅しました。

東京都については4月7日に新型コロナウイルスの厄災による緊急事態宣言が発令されて、それが5月25日に(いったん?)解除されました。それを受けての(びくびくしながらの)今回の三頭山でした。なんてったって、首都圏4都県(東京、神奈川、千葉、埼玉)と北海道の住民は(6月18日までは)不要不急の他地域への移動は控えなさい、との要請が未だ解除されていません。なので…、都民の私達夫婦にとりましては、冒頭にも書きました通り、今回の山行については考え抜いた挙句の決断だったのです。
 * なお、6月2日に発動された東京アラートは9日後(11日)には解除されています。[後日追記]

 佐知子の歌日記より
 ほとんどが密を避けての二人連れ 三頭山を静かに歩く
 マスクして または小声の「こんにちは」 山でのあいさつ新しくなる

6月の三頭山「ブナの路」は緑がいっぱい!
シオジの巨木の脇を登る
沢沿いの出揃った新緑の森を歩く
矢車草:ユキノシタ科の多年草
ヤグルマソウ
丸葉空木:アジサイ科の落葉低木
マルバウツギ
  「数馬の湯」へ下るコースも紹介しています。

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