溶けたり、かたまったり…

チョコレートには、カカオバターという油脂が、30〜40パーセント含まれています。このカカオバターは、バターと同じように、温度が高くなると溶けて、冷えると固まる性質を持っています。チョコレートを温室のところに置くと、含まれているカカオバターが溶けるので、組織全体がゆるんでチョコレートは流動的になります。
また、冷やすとカカオバターがかたまって他の成分をつなげ止める役目をするので、チョコレート全体もかたまります。
カカオバターは、34度以上で溶け始め。27度以下になるとかたまってきます。


溶かしたチョコレート、そのままかためないで!

カカオバターを分析してみると、いろいろな分子から成り立っています。しかも、それぞれがみな、違う温度で溶けた
りかたまったりする性質をもっています。
ですから、チョコレートを溶かして、そのままチョコレート菓子作りに励んでも、ブルーム現象が起こって、みために
もきれいでないばかりか、チョコレート独特のなめらかな舌触りも期待できません。

ブルーム現象って?

チョコレートの表面が白っぽくなったり、小さな斑点が出来たりすることをブルーム現象といいます。
ブルームとは、「花が咲く」「蝋粉(ろうふん)」という意味があって、チョコレートの表面に斑点、または全体が灰白色を呈する状態をさします。ブルーム現象には、ファット・ブルームと、シュガー・ブルームとがあります。

ファット・ブルーム(FAT BLOOM)とは、チョコレートが固まる過程で、時間がかかると起こりやすくなる現象です。
チョコレートは、温度調整がうまくいかないと、カカオバターに含まれているいろいろな形態の分子の固まる時間がまちまちになります。そして遅く固まる分子が浮かび上がって、表面に脂肪の結晶が発達してしまう状態です。
シュガー・ブルーム(SUGER BLOOM)は、固まったチョコレートの表面に、小さな白い斑点が出来る現象です。
チョコレートを冷蔵庫などの冷たい場所に置き、急に暖かい場所に移動したりすると、急激な温度変化によって、表面
に細かい水滴がつきます。これがチョコレートに含まれている砂糖を溶かし、水分が発散したあとで、その砂糖が再結
晶してできるものです。 急激な温度変化を避けると、シュガー・ブルームは防げます。

 


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