チョコレートは初めは飲みものだった

チョコレートの誕生は、アステカ人の住む古代メキシコといわれています。
彼等の信じる神々の一人に、ケツァルコアトルという空気の神がおり、地上の人々に多くの教養と文化を教え、神の食べものとされていたチョコレートとトウモロコシを人々に与えたといわれています。
しかし、このケツァルコアトルは、やみの世界を支配する闘いの神に毒を飲まされ遠いところに旅立たされてしまいました。
カカオ豆の粉末にトウモロコシやコショウを加えて煮たり、すりつぶしたバニラの香りをつけたショコラトール(ほろ苦いという意味)は、どろどろした苦い飲みもので、これをアステカの王様モンテズマはことのほか好んでいました。
チョコレート(Chocolate)という言葉は、ショコラトール(chocolatre)が語源です。
モンズテマは、一日に50杯ものショコラトールを飲んでいたとのこと。ショコラトールは大変高価なものであったため、一般市民はとても飲むことができなかったといいます。
1519年、アステカにフェルナンド・コルテス率いるスペイン船がやってきます。ケツァルコアトルに風貌がそっくりだったため、コルテスのことを「ケツァルコアトルの再来」とアステカの人々は大喜びし、モンテズマ王も最高のもてなしをしました。
コルテスは、モンテズマ王にショコラトールをご馳走になりますがほとんど興味を示しませんでした。
1526年にコルテスは、スペイン国王のカルロス1世にショコラトールを献上します。

当初、その高価なショコラトールの貴重さも味も理解できないスペイン人でしたが、しだいに原住民から調理法を習うようになり、愛飲するに至ったといわれています。

スウェーデンの植物学者カール・フォン・リンネは、後にカカオを「テオブローマ・カカオ」(神々の食べものカカオ)と称しています。
やがてショコラトールは、深い霧の中から、世界へ姿を現わし始めました。

飲みものから食べものへ

チョコレートが飲みものから食べるものになったのは、ヴィクトリア王朝時代(1837〜1901)といわれています。
1820年代、チョコレートキャンディーの元となったフォンダン・ショコラが、スイスのルドルフ・リントによって作
られました。
1842年のキャドバリー社では、イーティング・チョコレートという名称が残っています。その後、はちみつなどをチョココレートに混入することに成功し、スイスでは、ダニエル・ピーターによってミルクチョコレートが開発されました。
これが、板チョコの始まりです。
アメリカでは、1900年にミルトン・スナヴェリー・ハーシーがチョコレート製造を始めました。


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