カカオの実から豆へ

カカオは、梧桐科(アオギリ科)に属する高木で、学名をアミグラ・ペティキュニアといい、中米、南米北部、アフリカの西部・中部、スリランカ、ジャワなどが産地。
カカオ豆の生まれは、メキシコのソコヌソスやベネズエラのカラカス、マラカイボあたりです。これがスペイン人の手に渡り1670年意は、フィリピン諸島に移植されました。そしてそこからオランダ領西インド諸島へ、続いてアフリカへと広まっていったのです。
その後も、世界各地で栽培を試されたものの、結局南北の回帰線の範囲にしか栽培に適さないようです。
最高級種のベネズエラ産のカラク種、マラカイボ種の他にも、西アフリカ産のアラク種、トリニダートやエクアドル産のアリバ種などが有名です。カカオの木が育つのは、北緯・南緯20度以内、1年間の平均気温が24〜28度で、温度変化が少なく湿度の高い地方に限られています。また根つきの浅いカカオの木は、暴風の少ないところでないと育成が困難です。
苗床に種を蒔き、3〜5ヵ月間育てて本畑に移します。
強い日差しを避けるために、トウモロコシなどを日除けに植えて、除草、剪定などのこまめな手入れをしながら育てます。
1ヘクタールに約4万本くらい植えることが可能。
野性のカカオは、15メートルほどほどまで生長しますが、栽培する際には、豆を採りやすくするために、最初に枝分かれする部分で切り、3〜8メートルにとどめます。
種を蒔いて2〜3年間で実がなり、最初の実を取り除き、その次になった実から採取します。

カカオの木は、20〜25年間、長い場合には50年に渡って収穫ができます。そして収穫量は年々増えていきます。
カカオの木は、淡い紅色か、白の無臭で小さな花を1年中つけています。 1本の木で、平均六千個の花をつけます。しかし、結実するのは、そのうちの約1パーセントくらいに過ぎません。
カカオは1年中実をつけてはいますが、収穫に最適なのは6月と10月です。
完全に熟した実を、柄の長い鎌で幹に傷をつけないようにていねいに切り落とします。採り入れの時期が遅れたものは。苦くて風味もよくありません。
採り入れられたた実は、室に入れて3〜4日間熟させ、小刀やなたで割ってカカオ豆を取り出します。
1本の木から1から1.5kgくらい、1ヘクタールで600kgくらいのカカオ豆が採れます。
その後、床の上に積んだり、桶にいれたりして50度を超えないような状態を保ち、平均24時間ほど発酵させます。これはカカオの風味を高めるためです。同時に苦みがなくなり柔らかい香りが生まれます。この発酵の過程でカカオ豆は、あの赤褐色となります。
そして、そのあとは水洗いして天日に干すか、風にさらして乾かし、麻袋に詰めて出荷されます。
また、冷やすとカカオバターがかたまって他の成分をつなげ止める役目をするので、チョコレート全体もかたまります。


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