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2019.3.30

前回(2019.3.18)の続き。思うに80年代アニメのノリとしては、むやみに水に入ったら危ないんじゃないの的な心配をするのはスコットかフレッドの役回りで「なーにビビってんだよ」とかってロディかバーツが突っ込んで、結果的には何もないような展開になるんじゃなかろうか。そういうのは都会的というか女々しいというか。しかし今やそういうのを本気で気にしても違和感ない時代になっている気もする。

2019.3.18

第6話のケイトの水浴びの場面、現住生物に刺されるなり噛まれるなりの心配をしなくてよかったのかと突如として気になってきた。そんなこと言ったら地球から来た人間がベルウィックなりクレアドなりの細菌やらウイルスやらに抗体があるとは思えないとかそういう話になるのだが。SF的には注射打つなりしてるんでしょで済むんだろうが。当該の場面は作劇上の要請なのだろうが、そもそも当時そういうこと気にしていたアニメってあったかしら? 「ガンダム」だったら純粋培養のスペースノイドが地球に降りたらどうなるの?とか…。当時の考証していた人だってそれくらい思い当たらないはずはないと思うのだが。

2019.2.11

日本懐かしアニソン大全 (タツミムック)の「80年代ロボットアニメ」で「バイファム」が取り上げられていた。今や昭和終わりまでが「懐かし」なのね。

2019.1.6

前回(2018.12.31)「ゴーグ」を入れなかったのは何でだろうと今さら思った。正確に言うと前回の表は1999.4.14をもとにしていて、当該の日付の文中にも「ゴーグ」が入っている。前回当時の基準としては「『リアル』ロボットアニメ」の範疇に入らないってことなんだろうな。それを言ったら「イデオン」、「サザンクロス」もそうとう微妙だが。今回に関して言えば「リアルロボットアニメ」の想定している視聴者層をターゲットにしていて、かつプラモを売り上げることが期待されているロボットアニメ的な作品群ってことで帳尻はあっているか。(「ゴーグ」は「ボトムズ」と「ガリアン」の間にすぽっと入るので抜かないほうがきれいなのか…。「バイファム」と同時期だし…。いやすぽっと入るってことはタカラはその辺気にしていたってことか。むう。)
それはそれとして気が向いたときのためにリアルでない80年代ロボットアニメも一覧化しておく(順不同)。
ゴーディアン
ゴッドシグマ
アルベガス
ダルタニアス
ゴライオン
ダイラガーXV
レザリオン
ゴーショーグン
ゴールドライタン
ブライガー
サスライガー
バクシンガー
トライダーG7
ダイオージャ
ビスマルク
忍者戦士飛影
ゴッドマジンガー
ゴッドマーズ
スラングル
バルディオス
鉄人28号(新?)
アクロバンチ
ゴーバリアン
ガラット
トランスフォーマー
マシンロボ
ダンクーガ
ゴーグ
「タイムボカン」シリーズはどうしたもんか。「メガゾーン23」、「パトレイバー」も微妙だ。

2018.12.31

2018.12.15の続き。80年代リアルロボットアニメ(かつテレビ放映されたもの)の放映期間と制作会社、プラモメーカー等をまとめてみた(下のほう参照)。なお表制作にあたって再放送は考慮していない。「ガンダム」と「マクロス」は考慮すべきかもしれない。
作ってみて思ったことをざっくりと。
意外にもメインスポンサーはプラモメーカーではなく玩具メーカーの場合が多い。勝手にリアルロボットアニメ=プラモがメインと思っていたのは思い込みだった。リアルロボットアニメであってもDX超合金的な玩具の売り上げがむしろ目論まれていたということか。となると、リアルロボットアニメ以外も検討の対象にしなければならないのだが、やれたらやりたい。
「バイファム」のメインスポンサーははっきりしなかった。逆にほかの作品が Wikipedia 上で断定的にメインスポンサーを記載しているのはどうやってわかったのかと不思議だ。
「サザンクロス」のメインスポンサーがバンダイなのは謎すぎる。
そもそもこの表を作ったきっかけは、2016.9.242017.9.23あたりに記載の視聴者層の購買力やカニバリズムを考慮すると、同じ期間に同じ会社(局、制作会社、スポンサー、プラモメーカー)が複数リアルロボットアニメに携わるのはどんなもんなのよという点の検証なので、そういう例をまとめてみたら下記のとおりとなった。言うまでもなく「ガンダム」=ガンプラはこの期間を通じて商品展開し続けている。以下では「ガンダム」以外をまとめた。

メインスポンサー

タカトク
オーガス vs ドルバック vs ガルビオン * 「オーガス」自体「マクロス」はまだ賞味期限切れではなかった時期の放映。
バンダイはプラモの項で説明。意外にもメインスポンサーはバンダイをのぞけばタカトクのみが同時期複数作品を手掛けている。ただしこれはあくまでリアルロボットアニメに限った話。それ以外を含めるともっと増えると思われる。表を作ってみないとわからないが、想定される理屈づけは、リアルロボットアニメとそうでないロボットアニメは視聴者層が違うので共食いにはならないと考えていたってところか。

プラモ

イマイ
オーガス=サザンクロス vs モスピーダ vs ガルビオン * 「オーガス」についてはタカトクと同上。
アリイ
オーガス=サザンクロス vs ガルビオン * 「オーガス」についてはタカトクと同上。
エルエス
モスピーダ vs ガルビオン vs サザンクロス
バンダイ
ダンバイン=エルガイム vs バイファム
意外にも(何回目だ)、バンダイといえど3作競合(「ガンダム」含め)していたのはごく一時期のことだった。

制作会社

サンライズ
ダグラム vs ザブングル
サンライズ
ダンバイン=エルガイム vs ボトムズ vs バイファム
サンライズ
エルガイム vs ガリアン
制作会社としての自社内競合は、スポンサーが違えばかまわないというスタンスだったのか? それともさすがにスポンサーA社に対し、「実は裏でB社がスポンサーのこういう作品もあるので今はやめといたほうがいいっすよ」みたいなことは言えなかった?(いやしかし単に断ることもできたはずだが、それで他社に持って行かれるくらいなら自社で取ったほうがマシという判断?) それにしても、いちばん多く作っているサンライズが葦プロとか国際映画社を返り討ち?にしている(粗製濫造になっていない)のは今さらながらある意味すごい。

放送局

毎日
オーガス=サザンクロス vs バイファム
フジ
ドルバック vs モスピーダ
制作会社同様のスタンス? フジテレビはどういう判断だったのか…。(なお、名古屋テレビは割愛した。)

総じてみると、競合が起きていたのは、ほぼ「ドルバック」、「モスピーダ」、「ガルビオン」といった泡沫?的な作品が同時期に放映されていた時期だったことを考えると、ある種のバブルだったのかも。「ガンダム」はMSV(と再放送)のみで「Ζガンダム」はまだ動き出していないという時期を好機ととらえたということなのか?
そしてわれらが「バイファム」は唯一プラモ、制作会社、放送局の三重苦という…。

放映期間(単位: クール)
1979198019811982198319841985198619871988
14710147101471014710147101471014710147101471014710
ガンダム *1名/サ/創*2 41                               
ガンダム MSV *3                    412                
Ζガンダム名/サ/創                        32           
ガンダムZZ名/サ/創                            31       
イデオン東/サ/急トミーアオシマ     51                              
ダグラム宝/ニットー          103                      
ザブングル名/サ/創            21                      
マクロス*4毎/タツ今/有               106                     
ダンバイン名/サ/創                21               VVV 
ボトムズ                 43     V   V     V   
オーガス*5毎/ム今/有                  74                  
ドルバックフ/葦グンゼ                   107                 
バイファム毎/サバ?                   109VV V             
モスピーダフ/タツ学/今/エル                   103      V            
エルガイム名/サ/創                    22               
ガルビオン朝/国今/有/エル                    26                  
サザンクロス毎/タツ今/有/エル                     49                 
ガリアン                       103   V V         
レイズナー                           106VV        
ドラグナー名/サ/創                                21   
14710147101471014710147101471014710147101471014710
1979198019811982198319841985198619871988
放映期間(クール)

凡例

表見出し

放送局。典拠は Wikipedia および Op.映像。
制作。典拠はOp.映像。順序は典拠の記載にかかわらず、テレビ局、制作会社、代理店の順とした。「製作」表記の場合もあり。(ビッグウェストとか「マクロス」にクレジットあるかと思ったらなかった。)
メインスポンサー。典拠は Wikipedia 。
プラモメーカー。典拠は Wikipedia 。

放送局

名古屋テレビ
テレビ東京 *含東京12チャンネル
フジテレビ
毎日放送
テレビ朝日

制作

サンライズ *含日本サンライズ
葦プロダクション
タツ
タツノコプロ *含アニメフレンド
東京ムービー新社
国際映画社
創通エージェンシー
東急エージェンシー

メインスポンサー、プラモ発売会社

バンダイ
クローバー
タカラ
タカトク
学研
イマイ
アリイ
エル
エルエス

放映期間

数字
放映開始/終了月。地域によってはズレがある場合あり。典拠は Wikipedia 。
この期間に本放映されていたことを指す。
映画公開(続編他として)。「ボトムズ」、「バイファム」OVAの映画としての公開は割愛。
V
OVA発売(同上)。

*1
『F91』以降は含まない(期間範囲外)。『Ζ』、『ZZ』は独立して扱い。
*2
プラモは放映終了後の発売。
*3
むろんこれ自体はアニメ作品ではない。
*4
映画以外の続編は含まない(期間範囲外)。
*5
続編は含まない(期間範囲外)。

2018.12.23

『サンライズロボットアニメ大解剖』サンエイムック, 2018年を本屋で見かけた。今の今まで『サンライズ80年代リアルロボットアニメ大解剖』って題だと思っていたが違ったのね。同工異曲的なムックだが「バイファム」について言えば放映開始告知?のポスターの絵は今まで見たことなかったので、そこだけは目新しかった。こういうの、どこから出てくるんだろ?

2018.12.15

というわけで最近立て続けにロボットアニメをお金的な面で語る本を買ったのだが、どっちも僕が気になっていることに対して答えてくれていないなあというのがもやもやしつつ、そのもやもやをまとめきれないでいた。例えば『MSVジェネレーション』についていえば、「バイファム」はおろか他のリアルロボットアニメにもほとんど触れていなかった。そりゃそうだろという気もしつつ、ということは企画する際にほかのリアルロボットアニメとのカブりは気にしていなかったのかということで、逆にそれはそれで違和感を感じもしたり。
なんとかもそっとまとめたい。

2018.11.12

あさのまさひこ『MSVジェネレーション―ぼくたちのぼくたちによるぼくたちのための「ガンプラ革命」』太田出版, 2018年購入。コメントは↑に。 2018.12.15掲載

2018.10.22

五十嵐浩司『ロボットアニメビジネス進化論』光文社新書, 2017年購入。コメントは↑に。 2018.12.15掲載

2018.9.30

ガンプラに“革命”をもたらした、MSVとは何だったのか? 「MSVジェネレーション」発刊記念トークショー開催決定 - GAME Watchとか【特別企画】ベストセラーを続ける「MSVジェネレーション」の真実とは? - GAME Watchを読んで思った。たしかにもろもろあるリアルロボットアニメでこういう企画を、ここまでの規模で成功させることのできたのは「ガンダム」くらいなものではないかと*1
今の時点で振り返ると、TVアニメ史に残る作品、「ヤマト」、「ルパン三世」、「999」、「セーラームーン」、「エヴァンゲリオン」あたりだと、「ガンダム」以降は作品単体だけではなく周辺グッズがムーブメントの少なからぬ部分を占めているような…と書きたいが、これは作品の取り上げ方が恣意的なのかも。たとえば「ドラゴンボール」はアニメというより原作マンガの延長なんだが、じゃあ「ルパン三世」、「999」、「セーラームーン」の原作マンガはどうなるんだっていう話だし*2
この考え方が妥当にせよそうでないにせよ、「ガンダム」当時にはこんなことは初めてだったのはたしかだ。では「バイファム」の場合はどうなんだっけと。MSVの成功を知っていたからといって、それは「ガンダム」に限った話であって柳の下にどじょうは2匹いないと考えるのか、それとも既存の成功作は作品自体の人気ゆえに成功したのではないかと考えるのか、はたまたそこまでの成功をそもそも意図していなかったのか。少なくとも、MSV的なものを大々的にやることを当初から意図していたなら、たぶん企画時点でもっとそういう展開がしやすいような工夫をしていたのでは。

*1 TVアニメかつロボットアニメだとぱっと思いつく範囲で「エヴァンゲリオン」だけは異質なように思う。(いったい何で儲けていたのか?? プラモもたしかにあるのだろうが、それは一部にとどまるのではないか。)
*2 かつ、「ガンダム」含め、「セーラームーン」も「エヴァンゲリオン」も、超合金とか、プラモデルとか、魔法のステッキとか、そのアニメ限定のグッズが存在していて(缶ペンとか下敷きとか衣類とか絵本は汎用グッズ、すなわちどのジャンルのどのアニメに対しても存在しえる)、それゆえにジャンル化されている(先行作品によって需要が証明されている)ジャンルにたまたま属しているだけという考え方も。そして「エヴァンゲリオン」は上記どおりもっと違うところで売り上げている気が。


2018.8.4

神保町のブックダッシュで、『銀河漂流バイファム"ケイトの記憶"涙の奪回作戦』フィルムブック2冊揃い、『別冊アニメディア』2冊揃い(ただしバラで陳列)を発見した。 2018.8.6掲載。

2018.6.9

なんと「地球外少年少女」(2017.1.9参照)が制作されるらしい。没になったのではなかったのね。地球外少年少女:「電脳コイル」磯光雄監督の11年ぶり新作オリジナルアニメ 2045年の宇宙が舞台 - MANTANWEB(まんたんウェブ)で監督が言っている、「宇宙を舞台にしたアニメをあまり見かけなくなり」っていうのが示唆的。個人的にはある程度低めの年齢層を視聴者に想定してほしいのと、こういう企画が通ることに今のTVアニメ(業界)もまんざら捨てたものではないと思った。
さらに、12年ぶりに復活「ゾイド」は“ワイルドさ”で現代っ子の心をつかめるか (1/4) - ITmedia ビジネスオンラインの「近年、戦争やロボットを扱った子ども向けの作品は減少が続いており、いまの小学生にとって兵器としてのロボットは身近ではなくなっている」も考えあわせると、「宇宙を舞台にしたリアルロボット」というフォーマットがいかに普遍性がないかを改めて思い知らされる。とはいえ、仮にリアルロボットやゾイドは、単におもちゃ屋の思惑で消費を喚起した(させられた)だけだとしても、宇宙と戦争はやはりもっと別の観点でとらえるべきだと思う。

2018.5.5

前回(2018.3.4)パンフレットを買いながら、なんとなくこれが最後の買い物になるのかと思ったのだが、その後唐突に「グリーティングブックII」の存在を思い出した(2006.8.5; 無印は持っている: 2006.6.4参照)。何となくぐぐったらまんだらけ通販 | 学習研究社 学研ムック グリーティングブック 銀河漂流バイファムII グリーティングブック ムックをあっさり発見。300円。ついでに無印も: まんだらけ通販 | 学習研究社 学研ムック グリーティングブック 銀河漂流バイファム グリーティングブック ムック(300円)。でもそしたらまんだらけ通販 | STUDIOあわれ STRANGER-すとれんじゃあ- 2(「バイファム特集・第2弾!」とあるからこの前の号も「バイファム」だったのだろう)とかまんだらけ通販 | コロムビアレコード CX7161 DIGITAL TRIP 銀河漂流バイファム (帯付)を発見してしまった(最後のやつは動画サイトにアップロードされている…)。(その他ポスター、原画、筆箱、下敷等はあまり食指をそそられないので除外。) 実はまだまだあったのね。じゃあポチポチ買うかっつったら買わなかったり。店頭で直接出会ったら買うけど、インターネット上で根こそぎごっそり買うのはなんか違う気がする。

2018.3.4

お買い物

題名/名前定価価格コメント
日本サンライズアニメフェスティバル パンフレット400540神保町のブックダッシュで購入。

神田武幸と植田益郎(ママ)のコメントあり。パンフレット自体には記載がないが、開催時期は1986年夏なので、「バイファム」を同時代的に語ったものとしてはおそらく一番最後になるのではないか。同時上映の一つが「ダーティペア」なのが時代の変化というか。中の芦田豊雄イラストは描きおろしかは不明だが、裏表紙の作者不詳のイラストは明らかに描きおろし。この3作品のキャラクター全員集合なので。しかし13人以外になぜかケイトさんが入っている。なお書棚には「ミンキーモモ」とかも並んでいたがそっちは1500円とか2000円とかの値段がついていた。「バイファム」のムックも最近あまり見かけないが、かと言ってこうして見かけるとプレミアがついているかというとそうでもなく。なぜか動画があがっている。


2018.2.17

サンライズミュージックバーinアニON|開催概要サンライズミュージックバーinアニON|プログラム、ふーむ。第1週は次の週末までか。ドリンク(サンライズミュージックバーinアニON|ドリンクメニュー)は凝っているけど、食べ物(サンライズミュージックバーinアニON|フードメニュー)はなんちゅうか。
「幽☆遊☆白書」左京役、古田信幸さん死去 格闘技ファンからも「コール好きでした」 : J-CASTニュース、ぜんぜん気づかなかった。しかし、若いなあ。というか当時の年齢にむしろびっくりだ。
RVの腕部(おもにヒジ関節など)についての考察【連載】電撃ロボラボ PLUS Vol.1 | 電撃ホビーウェブRVの腕部、胴体の機構及び内部構造についての考察 【連載】電撃ロボラボ PLUS Vol.2 | 電撃ホビーウェブ続・RVの腕部、胴体の機構及び内部構造についての考察 【連載】電撃ロボラボ PLUS Vol.3 | 電撃ホビーウェブ、この連載、この後も続いているのだが、実際に模型を作るところまでやるとはよくやったもんだ。

2018.1.23

「バイファム」の世界観の射程距離というか限界というかに何となく思い当った。ずいぶん前に考えた「アーティファム」の後のイプザーロン系について何となくぼんやり想像していたら、作品世界自体の発展性的なところに行き当たった。(今でもときどき考えているってのがアレだが。)
中盤で主役交代というイベントを考えていた。前半はディーヴが実質主人公かつロディ+スコット役でキャプテン兼パイロットで基本一行を追跡する共和国軍部隊から逃げ回る話なのだが、中盤で絶対絶命のピンチに追い込まれて、謎の第三勢力圏(名前は決めていないが何ちゃら公国、ここではさしあたりグラドスにしておく)との境界まで追いつめられる。というところでディーヴが重傷を負い、パイロット不在になる。ここで今まで操縦はできるがパイロットは務めたことがないミリー(金髪繊細系キャラ)が初めてパイロットとなり何とか追跡部隊と善戦するもけっきょくグラドス公国に逃げ込むしかなくなる。
で、このグラドス公国はもともとは地球軍の駐屯部隊の一部で、戦略上の要地を守っている部隊がそのまま独立国を名乗り、共和国にも同盟にもくみせず現君主(元司令官)のカリスマ性と軍事力で一定地域を専守防衛している。軍事力が強大なため共和国も同盟も手が出せないという体裁。
子どもたちはこの公国軍の捕虜となるが、公国側も捕まえたのが子どもなので、捕虜ではなく保護することになる(ここいらが子どもの特権)。グラドス公はおっさん=「バイファム」当時は青年でかつての13人のこともよく知っているので感慨深いものがあることを臭わせつつ、望むならこのままここに留まっていてもよい許可を与える(が、迷った末子どもたちはやはり旅立つところからが後半で、後半はミリーがパイロット、怪我から完全回復しないディーヴはキャプテンに専念という役回りになる)
ここまでは背景的な話で、ここからが本題で何故グラドス公なのかというお話。以下グラドス公のモノローグ(子どもたちの前で語っているイメージ)。
「私がグラドス公を名乗っているのは、私はクレアドが一つの国家である必要はないと考えているからだ。私が君主を務めているのは単なる方便で、そのほうが国としての体裁を早く整えられるからにすぎない。我が国には私という元首がいて議会があり、法律もあれば役人もいて国旗もある。地球政府とククト政府にも代表を送っている。何より我が国は平和で安定している。私が君主という立場にいなければ新たな国家がこんなに速く成立することはなかっただろう。しかし今のこの体制が永遠に続くとは全く考えていない。30年ももてば十分だと予想している。一度我が国が国家として成り立ってしまえば、息子の代には大統領がいても別にかまいはしない。息子もおそらくそのつもりはない。
30年ではなく20年あるいはもっと早いかもしれない。なぜかと言えば、地球もククトも目下別の恒星系へ探査機を送り出している。特にククトニアンは、惑星が居住可能かどうかにはこだわりはない。彼らは1000年も小惑星帯で生活していたから、小惑星帯さえあれば移住可能な連中だ。新たな恒星系が見つかりそこへの植民が始まれば、クレアドも戦争を続けているわけにはいかない。戦争中の惑星に移り住んで生活したいと思う人はいないからだ。今の問題は、イプザーロン系以外に地球が植民惑星を持っていないことなのだ*1
クレアドが一つの国家であるという理想は間違っていなかった。しかしいまの現状では、いったんクレアドは意見の異なるいくつか国家に分割されるのもやむを得ない。地球だって数十年前までは100以上の国家に分かれていたのだから、クレアドが一つの国家でなければならない理由はどこにもない。統一は何十年かたってクレアドが落ち着いた頃にまた考えればいい。もっともそれは私ではなく君たちか、あるいは君たちの子どもの世代の役目だが。」
ということを考えたときに、「バイファム」の作品世界としては地球ないしククトがイプザーロン系以外に進出するのはなんら不思議ではない(ムックで書かれているククト人の設定はまあ抜きにして作中で語られていたことだけから考えても)。では地球人ないしククト人がいろいろな恒星系に進出した世界観で、「バイファム」の続編ないしシリーズが成り立つのかというと、「それって『バイファム』じゃなくてもよくない?」というオチに。
これが「マクロス」なら、可変戦闘機と歌と三角関係があれば、「マクロス」と名乗れてしまうので*2、ここらあたりが最初に述べた「バイファム」の射程距離なんだろうなと思った。

*1 念のため「イプザーロン年表」を見てみたが、イプザーロン系が初めてのそして唯一居住可能な(地球以外の)惑星のある太陽系のはず。
*2 思考実験としてどういう設定なら「マクロス」として通用するかは検討したら面白いかもしれない。可変戦闘機が出てこなくて、現代の日本が舞台でアイドルの卵がライバルのアイドルとパイロットではない男を取り合う話…はダメな気がする。一方で宇宙を舞台にして、歌も三角関係もなくても可変戦闘機で松本零士の「戦場まんがシリーズ」の宇宙版的なものをひたすらやったら「マクロス」な気がする。


2018.1.9

前回(2017.9.23)の続き。これまで考えていた中で、テレビ局自体の思惑と役割を考慮していなかったことに気づいた。が、この点はいま材料を持ち合わせていないので語れない。
前回までもっぱら視聴率とか売り上げとか外形的というか仕組み的というか、部外者からでも見える話だけをしてきた。が、そもそも「リアルロボットアニメのようなある程度年齢が高くなっても楽しめる作品群」を生み出すきっかけとしては稼げるか稼げないか(利益をあるいは視聴率を)、だけでは不足なのではないかという気がしてきた。言い方は悪いが「子ども向けに子ども騙しの内容(脚本と作画)の作品を作る」ところに安住することもできたはずなのに、そこから脱却させる何かが作り手側にあったはずなのだ。おそらくそれは「ガンダム」のムックを読み返すかあるいはもう少しさかのぼって「あしたのジョー」、「宇宙戦艦ヤマト」あたりを掘り返す必要があるんだろう。『ゲッサン』2018年1月号の「アオイホノオ」で「ミンキーモモ」のOp.の作画を語っていたが、こういうことにこだわる制作者がいて、こういうことに気づく視聴者がいた(いる)ことがポイントだったのではなかろうか。

2017.11.12

ロボ基地、うーんロボットアニメならなんでも十把ひとからげにしていいってもんでもないが、あまり細分化しても客がつかめないだろうし難しい。「バイファム」が入っているだけで喜ぶべきなんだろうな、本当は。