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No.149 幕山625mから南郷山610m
平成15年(2003年)1月25日 晴れ

幕山・南郷山 略図
梅林を通過
幕山へ向かう

幕岩はロッククライマーたちのゲレンデだ
幕岩

手前に見えるのが幕山
南郷山山頂より

南郷山山頂で展望のおさらい
南郷山山頂

下山道にてセッカと遭遇
セッカ(ヒタキ科)
湯河原温泉「こごめの湯」
こごめの湯


広々としたカヤトの山頂で憩う

JR東海道本線湯河原駅-《タクシー10分》-幕山登山口(幕山公園)〜幕山〜自鑑水〜南郷山〜鍛冶屋(五郎神社)-《バス10分》-湯河原駅-《タクシー8分》-湯河原温泉(入浴)-《タクシー8分》-湯河原駅 【歩行時間: 3時間】
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ


 「山歩会」の新年鍋山行に、日だまりハイキングの幕山(まくやま)を選んだ。今回の参加者は私達夫婦を含め総勢8名。湯河原駅前からタクシーに分乗して、幕山公園内にある登山口へ着いたのは午前9時40分頃だった。三千本を超えるという公園の梅(湯河原梅林:平成8年にオープン)は、希望的観測で期待していたのだが、まだ一分咲きといったところで、ちょっと残念。タクシーの運転手さんの話によると、今年は花期が少し遅れているようだ。明日(1月26日)から3月16日までが「梅の宴」とのことで、様々なイベントもあるらしいが、花の見頃は、多分、2月下旬ころだと思う。
 梅林の中を登り切り、山名の由来にもなったという幕岩の岸壁を巻く。切り立った岩場では何組ものロッククライマーたちが練習をしていた。順番待ちの何人かと言葉を交わす。 「練習すれば誰にでもできますよ」 と云われたので 「アハハ…」 と笑って返事した。岩場の歩行練習は怠ってはいけないと思うけれど、専門の靴(クライミングシューズ)を履いて、新式の登攀用具類(クライミング・ギア)を駆使した、所謂ロッククライミングは、私達は遠慮したいと思っている。理由は簡単。登っているときは景色がよく見えないだろう、ということと、矢張り怖いからだ。
 急坂だけれど広くて安全なハイキング道を、休み休みゆっくりと登る。左手後方、新崎川の対岸には一昨年の今頃登った城山[No.116城山] が見えている。20分ほど歩き、あずま屋を過ぎると更に勾配が増す。汗が流れ始める。辺りは落葉樹の冬枯れの雑木林。所々の灌木などの細い幹には房状の白っぽい花びらのようなものが巻きついていた。メンバーのSさんから 「これは山芋(自然薯)の花がドライフラワー状態になったものだよ」 と教わった。云われてみれば、道筋のあちこちに山芋を掘り返した跡がある。犯人はイノシシかな?人間かな?
 「花がついているツルを辿れば山芋を掘り当てることができるのですか」 とSさんに聞いたら、「ツルは大抵途中で切れてしまっているので難しい。春のうちに目印をつけておくのさ」 との答えが返ってきた。また勉強になった。振り返ると海上に浮かぶ初島や大島がよく見えている。湯河原の街並みの先には真鶴半島がぴょこんと可愛らしく出っ張っている。
 広々とした幕山山頂へ着いたのは午前11時頃だった。快晴、微風、絶好のコンデション、カヤト越しの360度の展望だ。南面には、相模灘の右方に伊豆天城の山々、左方には房総半島までも見えている。北面の、南郷山610mから星ヶ山814m、白銀山993mなどの箱根の外輪山へ続く山並みが案外立派だ。残念ながら、富士山はそれらの山々に邪魔をされて見ることはできない。枯草の絨毯の原で車座になって、早速寄鍋の準備に取りかかる。気分はピクニックだ。
 なんと2時間の大々休止。ワインなども少し飲んじゃったりして、ポカポカのイイ気分で幕山山頂を辞し、眼前の南郷山(なんごうさん)へ向かう。檜や杉の植林地帯が多くなり、深い緑色が目に優しい。白銀林道を何回か横切ったり、頼朝ゆかりの自鑑水(じがんすい:今は水は涸れている)を通ったりするのだが、これがけっこう感じの良い山道で、随所に出てくるシノダケ(ハコネダケ)に囲まれた小道など、ナカナカ情緒があった。
 最後のキツいひと登りで静かな南郷山の山頂へ出る。ここもカヤトの原だが、幕山の山頂よりは狭い。小休止をして、景色のおさらいをしてから下山を開始する。真鶴半島が真正面の眼下だ。
 下山道にて、枯草の上を歩き回る緑色(黄褐色?)っぽい小鳥を前方に発見した。小さい体にしては足が長い。近づいても逃げていかないので随分と長いこと観察ができた。スズメほどの大きさで頭部や羽根の深緑色の縞模様が控え目で美しい。写真に収めることもできた。帰宅してからポケット図鑑で調べてみたらセッカ(ヒタキ科)だった。この小鳥、繁殖期を過ぎるとほとんど鳴かず、草むらの中で行動するだけなので発見しにくい、とのことだが、私達はラッキーだったのかも。でも、最後尾にいた佐知子などの数名は見ることができなかった、と言っていた。
 湯河原カントリークラブに沿った道を過ぎ、簡易舗装の道へ出る。里の斜面はみかん畑。路上の無人販売所で買い求めた1袋100円のみかん(20個くらい入っていた)を食べながら、尚もダラダラと下る。五郎神社前の鍛冶屋バス停に着いたのは午後3時30分頃だった。
 丁度来たバスに乗り、あれよあれよという間に湯河原駅前へ。温泉の湯河原。入浴せずにはいられない。タクシーに乗り換えて、日帰り温泉施設「こごめの湯」へいそいそと向かう。

湯河原温泉「こごめの湯」: 湯河原は箱根・熱海と並ぶ有名な温泉地。「こごめの湯」は湯河原温泉街のやや奥、万葉公園の近くに位置する日帰り入浴施設。湯河原駅前からタクシーで7〜8分(バスもある)。「こごめ」とは、「奥地にひそまっている」の意であるとも、「子込め」「子産め」の意であるとも言われている、と、施設のチラシに書いてあった。浴室など必要かつ十分な広さ。食堂あり。のんびりとくつろげる。泉質はナトリウム塩化物・硫酸鉛泉(弱アルカリ性低張泉)。循環。石タイル貼り。露天風呂、サウナもあり。午後9時まで。入浴料は1,000円。
  「こごめの湯」のHP

皆で鍋をつつく
幕山の山頂にて
ハコネダケ(シノダケの一種)の小道で休憩
ハコネダケの小道


再び幕山へ 平成15年(2003年)2月22日 高曇り
むさくるしい男たちと幕山山頂にて
 仕事仲間の5人で、同コースを逆(南郷山から幕山)に歩いてみました。幕山の山頂は物凄い人出でした。幕山公園の梅は四分咲きといったところで見頃に入っていました。
湯河原温泉「ゆ処こでん」: シーズンの週末ということで、「ゆとろ嵯峨沢の湯」や「こごめの湯」などの人気の入浴施設は相当混雑しているようでした。で、この日はタクシーの運転手さんの勧めもあって、「ゆ処こでん」という民営の日帰り温泉へ立ち寄ってみました。含石膏弱食塩泉・弱アルカリ性低張泉。岩風呂、桧風呂、露天風呂。食事処のメニューは盛沢山。宿泊も可。入浴料は1,000円。それほど混んでいなくて、よかったです。
 * 「ゆ処こでん」はこの後(平成22年)閉館となったようです。[後日追記]


城山から幕山 後日(平成29年12月)、城山と幕山を繋げて歩いてみました。

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