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No.116 城山563m(湯河原)
平成13年(2001年)1月20日 曇り

城山の略図
幕山公園から出発
幕山公園にて

幕山方面から眺めた城山
城山(後日撮影)


源頼朝ゆかりの地で日だまりハイク

JR東海道線・湯河原駅-《タクシー約10分》-幕山公園〜しとどの窟〜城山(土肥城跡)〜城願寺〜湯河原駅 【歩行時間: 3時間20分】
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ


 神奈川県のハイキング同好会「のびたき」の新年恒例の鍋山行に随行させていただいた。
 東海道線の湯河原駅から幕山公園まではタクシーを利用した。タクシー代は確か(1台あたり)1,400円くらいだったと記憶している。伊藤リーダー他総勢11名、公園の売店前から歩き出したのは午前9時50分。園内の梅林には早とちりの紅梅が1輪2輪、咲いていた。下り坂の天候が少し心配だったけれど、幸い微風で、薄っすらと太陽も出ている。今日一日は何とかもちそうだ。気温摂氏約8度。寒くは無い。小鳥たちがさかんに囀っている。
 ここいら辺は椿の名所でもあるようだ。道沿いの椿の大きな蕾にそっと触れてみると、今にも咲きそうな柔らかい感触が手に伝わった。右手を仰ぐと幕山(まくやま)の大岩壁が見えてきた。そこはロッククライマーたちの格好のゲレンデ、なんだそうだ。今回私達が目差すのは左手の城山。キセキレイが飛び交う新崎川を渡ってから、大石ヶ平経由・幕山への登山道を右に見送り、照葉樹の目立つ雑木林の静かな道へ入る。登山口から一時間足らずの登りで、何十体もの石仏の並ぶ「しとどの窟」(*)へ辿り着いた。
 「しとどの窟」から少し登ると白銀林道と合流、道は平坦になる。氷柱(つらら)のぶらさがっているトンネル(城山隧道)を恐る恐る通り抜ける。氷柱が落ちてきて頭に突き刺さることがあるそうだ。トンネルを抜けて少し進んでから右へVターン。この地点(椿平)にトイレがある。午前11時40分、「しとどの窟」から約40分ほどで、眺めの良い城山の山頂(土肥城跡)へ着いた。
 薄曇りの山頂からは、遠望は利かなかったけれど、近くの幕山など箱根古期外輪山の山並が展望できた。東側の眼下には相模湾に突き出た真鶴半島、そのずっと右奥には初島がぼんやりと海に浮かんで見えている。カヤトの広場の片隅に腰を下ろし、早速、例によって「大宴会」の大々休止。皆で鍋をつつく。
 満腹のお腹をかかえ、左手前方に真鶴半島などを眺めながら下山。檜の植林地帯を抜けると、ミカン(アマナツかな?)など柑橘系の果樹畑が点在するいい感じの里道へ出る。メンバーの誰かが拾ってきたミカンをみんなに配っていた。私達夫婦もご相伴に預かったが、冷たくてとても美味しかった。
 城願寺(*)の境内を通り抜けると、ほどなく湯河原の駅へ到着した。山頂から約1時間強。午後2時40分だった。湯河原温泉で汗を流していく予定だったが、この日私達に所用があり、温泉へ向かう「のびたき」の気さくなメンバーの皆さんに別れを告げ、帰路についた。
 東京へ向かう電車の窓から外を眺めると、天気予報は大当たり、雪が降っていた。
 頼朝伝説の山、城山。リーズナブルな日だまりハイキングを堪能した一日だった。梅や椿や躑躅(ツツジ)や紫陽花(アジサイ)の季節に何時かまた訪れてみたい、と思った。
しとどの窟
しとどの窟

城願寺の境内
城願寺

* しとどの窟(いわや) 沢山の石仏などが安置されており、地蔵信仰の霊域になっている。桜郷史跡保存会なる団体の書き記した案内板の長々とした説明文を要約すると、この「しとどの窟」というのは、源頼朝が平家の軍勢に破れたことがあり(石橋の合戦・掘口の合戦)、そのとき土肥実平の助けにより頼朝が一時(5日間)身を隠した岩屋とのことだ。源平盛衰記には「しとどの窟」、吾妻鏡には「山中の岩屋」と記述されているらしい。
 古語辞典によると「しとど」というのは形容動詞で、ぐっしょりとぬれるさま、とある。なるほど、岩屋の天井から水がぽたぽたと落ちている。

 現地の解説板には、「“しとどの窟”の名の由来は、シトトと言われる鳥が急に飛び出してきたので、追手は人影がないものと思って立ち去ったためだと言われている」 と書かれてありました。
 なお、広辞苑によると、名詞としての「しとど」については→古くは「しとと」。ホオジロの異称。ホオアカ・アオジ・クロジなどの総称。と記されてありました。
(後日追記)

* 万年山 城願寺: 湯河原駅の北約300mに位置する曹洞宗の寺。鎌倉時代の初期、この地の豪族であった土肥実平が創建。境内には五輪塔など約40基と、樹齢800年というビャクシンがある。
 ビャクシン: ヒノキ科の常緑針葉高木。別名イブキ。

  N0.149.幕山から南郷山 平成15年1月、近くの幕山へ登りました。
  N0.361.城山から幕山 平成29年12月、幕山と繋げて歩いてみました。

城山の山頂にて
山頂にて:バックは幕山です
「鍋山行」のクライマックス
山頂にて:石碑には「土肥城趾」と書かれてある。
「大宴会」後のひととき


再び城山へ 平成30年1月13日 晴れ
湯河原駅-《バス15分》-幕山公園〜しとどの窟〜城山563m〜城願寺〜湯河原駅 【歩行時間: 3時間30分】

城山の山頂にて 山の仲間たち山歩会と和気藹々の新年鍋山行に同コースを歩きました。頼朝伝説を辿りながらの、いつもながらのまったり日だまりハイキングで、城山の山頂(=土肥城跡)でみんなと鍋を囲みました。豚肉や鰹節などでダシをとった“きのこ鍋”です。昨秋の悪天候による超不作の野菜類ですが、生協で予約しておいたおかげで割安の白菜などをたっぷりと使用できました。例によって熱燗のお酒もいただいたりして甘露甘露です。今年も安全登山に徹しましょう! と誓い合いました。
 城山の山頂からの展望については、周囲の樹木が育ってきて、十数年前と比べて若干スポイルされたように感じました。それでも伊豆の山々や相模湾に浮かぶ大島や初島や(なんと)利島や新島などもよく見渡せて、とても盛り上がりました。
 帰路には湯河原駅近くの「ホテル城山・ラドンセンター」で山の汗を流しました。

ホテル城山・ラドンセンターについては本サイトの「城山から幕山」の頁を参照してみてください。

  佐知子の歌日記より
 一つ鍋つつきあいつつ仲間との新年ことほぐ城山山頂
 足早に方向音痴の夫が行く間違えずに行く横浜「ライオン」
→ 帰路の“打ち上げ”です (^^ゞ

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