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編笠山の山頂
岩尾根にて
長い鉄梯子を下る
61段の源治ハシゴ↑
キレットから赤岳へ
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スリルと展望の南八ヶ岳
第1日=JR中央本線小淵沢駅-《タクシー20分》-観音平〜雲海〜押手川〜編笠山2524m〜青年小屋〜ギボシ2700m〜権現小屋 第2日=権現小屋〜権現岳2715m〜キレット小屋〜赤岳2899m〜地蔵ノ頭〜行者小屋〜(南沢)〜美濃戸口-《バス55分》-茅野駅 【歩行時間: 第1日=5時間 第2日=6時間30分】
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FIT(森林インストラクター東京会)山岳グループのプライベート山行の記録です。今回の参加者はOリーダー以下4名。高曇りの絶好な登山日和の、素晴らしい南八ヶ岳でした。
私は権現岳と赤岳の間(キレット)は歩いたことがなかったので、特にその区間は終始ワクワクでした。これで私も(ようやく)全八ヶ岳の主稜を、足掛け12年で完全走破したことになりました。
第1日目(10月5日): “あずさ1号”を小淵沢駅で降り、駅前からはタクシーを利用します。タクシー料金の3,300円を支払って、編笠山登山口のある観音平(標高1560m)から歩き始めたのは午前9時30分頃でした。展望の良い雲海(標高1880m)や、手で苔を押したら清水が湧き出たという押手川(標高2100m)を経由して快調に高度を上げます。林相は人工のカラマツ林から原生のコメツガ・シラビソ林へと、八ヶ岳の典型的な移り変わりです。この編笠山山腹の原生林は「やまなしの森林100選」に指定されているそうで、“コケむした森林”の趣がナカナカです。林床に生えているミヤコザサや各種のキノコ類なども観察しながら、いつものように和気藹々と登ります。やがてハクサンシャクナゲやハイマツなど、高山性の植生に移り変わります。
大きな岩がゴロゴロした編笠山2524mの山頂からは、北・中央・南の日本アルプスたちが雲の切れ間から見え隠れしていました。これから向かう権現岳や赤岳が大きいです。
懐かしの青年小屋へいったん下り、鋭鋒のギボシ2700mへ登り返し、権現岳2715m山頂直下の権現小屋へ着いたのは午後4時を過ぎていました。この小屋は青年小屋と同系列で、若い管理人さんが一人で仕切っていました。平日(金曜日)だったのでそれほど混んでいなかったのは幸いでした。電気の無い小屋なので、夜はランプの灯りを囲んで話が弾みます。
第2日目(10月6日): 朝食後、権現小屋から歩き始めたのは6時30分頃でした。朝霧が次第に消えて権現岳の岩稜からはブロッケン現象を見ることができました。やがて四方に山岳展望が開け、佐久平越えの奥秩父の山々や遠く日光連山などもその姿を現しました。素晴らしい眺めです。
キレット(鞍部)を越えて八ヶ岳の最高峰・赤岳2889mを目指します。要所には鉄梯子やクサリがあって不安はないのですが、それでも緊張の連続です。Oリーダーの先導で、慎重に一歩づつ、三点支持(両手両足のうちの3点を常に確保)に留意しながら進みます。
風が強かったこともあり、じっとしているとかなり寒いです。森林限界付近のダケカンバ、ミヤマハンノキ、タカネナナカマド、ウラジロナナカマドなどは色づき始めていました。小さな赤い実をつけていたのはナナカマド類やゴゼンタチバナやコケモモで、シラタマノキは純白の丸い実をつけていました。地表を這うウラシマツツジやミヤマダイコンソウなどの深紅の紅葉もきれいです。
赤岳山頂で大展望を楽しんでから地蔵尾根を辿って行者小屋まで下り、ホッと一息です。このあとの南沢に沿ったなだらかな下りがけっこう長かったのですが、素晴らしいシラビソの原生林(純林です)が延々と続いていて、全然飽きませんでした。美濃戸口発16時34分のバスには何とか間に合いました。
帰路、その蓼科高原を走るバスの車窓から振り返ると、八ヶ岳連峰が夕陽を浴びてくっきりと浮かび上がっていました。常日頃の鍛錬不足のせいでしょうか、もうすでに私の両足は痛くて痛くて、あちこちの筋肉がブルブルしています。でもそれは「山」の心地よい疲れです。ウトウトしだして間もなく、宵闇迫る茅野の街に着きました。
* 南八ヶ岳のその他の山行記録です。参照してみてください。
赤岳から横岳と硫黄岳: 平成9年11月
西岳から編笠山と権現岳: 平成17年10月、他
赤岳(県界尾根・真教寺尾根): 平成25年9月
権現岳の山頂部にて
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眼前の赤岳山頂
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ウラシマツツジの紅葉と・・・
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シラビソの倒木更新
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