*** 鎌倉アルプスPart2 ***
No.252 港南台から 鎌倉アルプス
平成20年12月28日 快晴

港南台から鎌倉アルプス・略図
お勧め! まったりコース

JR根岸線港南台駅県立横浜栄高校脇瀬上市民の森(池の下広場瀬上池池の上休憩所馬頭の丘休憩所見晴し台休憩所梅沢山休憩所)金沢市民の森(エノキの板根大丸山157m)横浜自然観察の森(カシの森特別保護区関谷奥見晴台コナラの道市境広場)天園(六国峠)大平山159m天園天台山141m貝吹地蔵瑞泉寺鎌倉宮鶴岡八幡宮JR横須賀線鎌倉駅 【歩行時間: 4時間20分】
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  神奈川県の湘南が地元のHさんに、「どうも鎌倉アルプスは簡単すぎる」 とグチったら、「それじゃぁ、とっておきの裏コースを紹介しましょう!」 と云われた。 喜んでそのご好意に甘えることにした。 ときあたかも年末のあわただしいときで、お節の準備やらで超忙しい妻の佐知子は家で留守番だ。 「じゃぁ行ってくるよ」 とザックを背負った私を、台所から、冷たくて細長い横向きの目線で(優しく)見送ってくれた。

  横浜駅から港南台駅まではJR根岸線の各駅電車で22〜3分の距離だった。 待ち合わせの9時少し前に改札口を出ると、既に到着していたHさんがニコニコして出迎えてくれた。 駅前で崎陽軒の冬弁(650円・絶品です!)を買ってザックに詰めて、大通りを南へ向かう。 「横浜の港南台から鎌倉アルプス…??」 と不安に思っている私を無視するかのように、Hさんはどんどん先行する。 この私の不安が間もなく跡形もなく消えて、これからの数時間、驚愕のハイキングに酔いしれることになろうとは、このときは想像もしなかった。 港南台駅からアスファルトを約20分ほど歩いて、県立上郷高校(*)の脇から瀬上市民の森へ入ったときから、その素晴らしいトレイルは始まった。
* 上郷高校は平成21年4月から港南台高校と再編統合して横浜栄高校となりました。[後日追記]
ここから素晴らしいトレイルが続きます
「瀬上市民の森」へ入る

人造湖とのことです
瀬上池

株立ち状の老木の脇を通る
ヤマザクラの稜線

けっこう見ごたえがあります
エノキの板根

東京湾越しに房総の山並みが見えます
大丸山の山頂

この少し先が天園(鎌倉アルプス)です
「切通し」を通過
  この「瀬上市民の森」やその先の「金沢市民の森」や「横浜自然観察の森」、それに東側の「氷取沢市民の森」、「金沢自然公園」、「釜利谷市民の森」などの円海山周辺の森をはじめ市内の随所にある自然公園を総称して「横浜市民の森」と呼んでいるらしい。 その殆どが民有地で、地権者と行政と地元住民が一体となって管理しているというが、それはまったく素晴らしいことだと思う。 自然保護の“理念”のもとに、かつては水田などに利用された谷間の湿地(谷戸)や、昔日の里山を彷彿とさせるコナラやクヌギなどの二次林(雑木林)を残そうと手を入れているエリアがあったり、(森林の遷移が進んで)照葉樹の自然林となったエリアをあえてそのまま残すなど、ゾーニングによる多様な自然管理にも目を見張るものがある。
  夏にはホタルが飛び交うという「池の下広場」から、瀬上池の脇の遊歩道を登り、「池の上休憩所」を通過する。 モミジ類が多いので秋の紅葉が美しそうな処だ。 小さな広場の隅で大望遠レンズのカメラを三脚にセットしてじっとしている高齢の男性がいた。 カシャッとシャッター音がしたので、小さな声で 「何を撮ったのですか」 と聞いたら 「ルリビタキですよ」 と教えてくれて 「ほらっ」 と云って今撮ったばかりの映像を見せてくれた。 小枝に止まっている瑠璃色のきれいな小鳥が画面いっぱいに写っていた。 小鳥が止まりそうな小枝にピントを合わせて長い間じっと待っていたらしい。 ちょうどその決定的な瞬間に私たちは出合ったわけだ。 その高齢のバードウオッチャーに丁重にお礼を云って、私たちはハイキングを続けた。 足元ではコナラ、クヌギ、ヤマザクラ、ケヤキ、ハリギリなどの落葉がサクサクと快い音を立てている。
  やがてアラカシ、アカガシ、シラカシなどのカシ類やタブノキ、シロダモ、ヤブツバキ、ヒサカキなどの照葉樹(常緑広葉樹)が目立ち始める。 林床はアオキやアズマネザサなどで…、つまりかなり自然っぽい。 所々に設置されている解説板などもそれほど仰々しくなくシックなデザインで、自然に溶け込んでいるのが嬉しい。 樹林の隙間や見晴らし台休憩所などからは近隣の街並みや低い山の連なりが展望できる。 高低差の少ない、膝に優しい遊歩道で、ハイキングというよりはウオーキングといった感じだ。
  梅沢山休憩所を過ぎると「金沢市民の森」へ入る。 間もなくエノキの老木が現れて、傍らに「エノキの板根」の解説板が立っている。 なるほどみごとに発達した板根(ばんこん)だ。 地面に普通に根を張ることができない状態にある木が、自身を支えるために…例えば強風による揺れから樹体を守るために…根を板状にすることがある。 ニレ科の樹木ではムクノキの板根が有名だが、エノキは珍しいかもしれない。
  尚少し進むと西側が開けていて、街並みの頭上に富士山がすっくと聳えている。 不思議だったのは、その街並みの所々に立っている鉄塔で、何故か小山の天辺に位置している。 それを不思議に思っていたら、Hさんが得意満面で教えてくれた。 「鉄塔が建ったのは1960年の頃だけれど、その後に付近の山を削り宅地造成したので、鉄塔の処だけがこんもりと高くなってしまったのさ」
  道標に従って階段状の坂道を少し登って、横浜市の最高峰という大丸山157mの山頂へ着いたのは10時50分頃だった。 広く開けた空間で、ベンチやテーブルもあり、数名のハイカーたちが憩っていた。 広場の柵越しには、八景島シーパラダイスから野島・横須賀港…と続く三浦半島の東海岸が眼下に望め、東京湾を隔てた対岸には房総の低い山並も見えている。 休憩するにはここも絶好の場所だが、まだお昼には早いので、中休止してから山頂を辞した。
  それから「横浜自然観察の森」へ入り、カシの森特別保護区を通り、ここも明るく広い関谷奥見晴台を過ぎ、コナラの道を進む。 樹木の観察にはもってこいのロケーションが続き、市境広場からは横浜市と鎌倉市の市境を暫らく進む。 道沿いの藪の中や樹上からガサゴソと音がする方を見ると、それはタイワンリスだ。 随所で発見したのだが、すばしっこいので、カメラを向けるとすぐにいなくなってしまう。
  これもかつての要塞としての鎌倉名物の遺構だろうか、規模は小さいが切通し状の狭い道をくぐる。 右手に横浜霊園の墓地がチラッと見えている。 僅かに登り返すと天園ハイキングコース(鎌倉アルプス)と合流して、ここからは先日歩いた道鎌倉アルプスPart1と同じだ。 天園(六国峠)を経て大平山山頂手前の広場に着いたのは12時半頃。 ここで食した崎陽軒の“冬弁”が美味かったのだ。
  日だまりの中での昼食後は来た道を少し戻って、鎌倉アルプスの南半分を進む。 天台山や貝吹地蔵を経て瑞泉寺へ下り、アスファルトを鎌倉宮→荏柄天神社→頼朝の墓→鶴岡八幡宮と参拝しながら進み、喧噪の小町通りを歩いて鎌倉駅へ着いたのは午後3時半頃だった。 駅ビルのレストランで「打ち上げ」をやって、「今年ももう僅かだね」 などと行く年に名残りを惜しんだりして、充実した一日は終わった。 いいコースを紹介してくれたHさんに感謝感激!

* コースについて補足: 今回の鎌倉アルプスのバリエーションルート(港南台から鎌倉アルプス)は、官民一体となって横浜市が残したギリギリの自然(横浜市民の森)を、そのギリギリの線で鎌倉へ辿る、奇跡的な超ハイキングコースです。 高低差の少ないまったりとしたトレイルですが、けっこう距離があって変化もあり充分に楽しめます。 ただ、人影が多いこのコースでの、特にご婦人に関心のあるトイレの問題が気になりました。 本項でご紹介したコース上の「横浜市民の森」にはトイレはひとつもありませんでした。 出発地の港南台駅や下山地の瑞泉寺を除けば、天園と大平山の中間に公衆トイレがひとつあるだけです。 また、横浜市民の森は「火気厳禁」とのことで、休憩広場などではコンロを使えませんが、これもスポイルされる点です。 (鎌倉側はコンロを使えそうですが…) まぁ、ハイカーにとって都合がいいようにはなかなかならないものですが、それらの減点を補って尚余りある良さがこのコースにはあると思います。


  鎌倉アルプスPart1 天園ハイキングコースの拙山行記録です。
  横浜市民の森 横浜市の公式サイトです。



横浜市民の森から鎌倉アルプスへ
明るい尾根道を南下する
コナラの道から天園へ向かう
巨木も随所に残っています
アカガシの老木を振り返る

再び 港南台から鎌倉アルプスへ
平成21年1月18日(曇り)

  山の仲間たち(山歩会)との、恒例の新年鍋山行にこのコースを選びました。 とても良かったので紹介せずにはいられませんでした。
  各種の雑木林を歩き通し、ほどよい疲れのお昼、大平山の山頂広場の草むらに車座になって鍋を囲みました。 今回はたっぷりときのこの入った寄せ鍋です。
 「今年もよろしく!」 とみんなと挨拶しました。 おかげさまで、コースも“きのこ鍋”も大好評でした。
今回の参加者は22名でした
大平山の山頂広場にて

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