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No.264 雲取山から妙法ヶ岳
平成21年(2009年)9月20日〜22日 3日間ともパッとしない天気

雲取山 略図
3日間をかけて安心登山

第1日=JR青梅線奥多摩駅-《バス45分》-お祭〜三条の湯 第2日=三条の湯〜北天のタル〜三条ダルミ〜雲取山2017m〜雲取山荘 第3日=雲取山荘〜大ダワ〜白岩山1921m〜霧藻ヶ峰1523m〜妙法ヶ岳1329m〜三峯神社(興雲閣にて入浴)-《バス75分》-西武秩父駅…
 【歩行時間: 第1日=3時間30分 第2日=6時間 第3日=5時間】
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ


 今年の9月の連休はなんと5連休。シルバーウィークと云うのだそうです。その真ん中の3日間をかけて、シルバーな山の仲間たち山歩会と、雲取山登山をまったりと楽しんできました。コメツガ、トウヒ、シラビソ、などの原生林がステキでした。三条沢ではサワグルミ、カツラ、シオジなどの見事な渓畔林も観察できました。生憎と雲取山の山頂は曇ってしまい大展望には恵まれませんでしたが、山はいつも素晴らしい、としみじみと思いました。
 今回はアルバム風にまとめてみました。

第1日目(9月20)…奥多摩駅-《バス》-お祭〜三条の湯
「山梨の森林百選」です
三条沢の大カツラ
 長いアプローチ(林道歩き)の終点から30分ほど三条沢に沿って遡行すると「三条の湯」です。歩かなくては行けない秘湯中の秘湯です。今春から予約していた努力のせいか、別棟に1室をあてがわれ、私たち8人のパーティーはゆったりと過ごすことができました。夜中に枕元で数匹のコオロギが跳ね回っていましたが…。
「三条の湯」については当サイトの該当項(No.171飛竜山・雲取山・鷹ノ巣山)を参照してみてください。

第2日目(9月21日) 三条の湯〜北天のタル〜雲取山〜雲取山荘
ようやく主稜線上へ出てほっと一息(9:50)
北天のタルで一休み
 三条の湯での朝食後、6時半頃に歩き始めました。急坂を登りきって稜線(北天のタル)へ出たときはほっとしました。ここで飛竜山の山頂を往復(歩程約90分)するかどうか迷いましたが、飛竜山は登る山じゃなくて見る山だろう、という大方の意見を尊重して、カットすることにしました。実際、ほんの少しのアルバイト(飛竜山往復)が、私たちシルバーにはボディブローのように効いてくるのです。無理は禁物です。
北天のタルから三条ダルミへの稜線にて(11:00)
変化のある尾根歩き
 三ツ山1949mなど、稜線はその南側を巻くように歩きます。樹木では亜高山性の針葉樹・コメツガとトウヒが目立ちました。植林したと思われるカラマツ林もなかなか風情があってよかったです。ウィキペディアの該当項などによると、水源林として重要と考えた東京都が、大正末から昭和6年(1931年)にかけて、(皆伐で)ススキの原だった雲取山周辺の稜線にカラマツの苗木を植林したとのことです。
 三条の湯から雲取山への近道との分岐(三条ダルミ)を経て、いよいよ雲取山への登りです。全員快調です。
う〜ん残念!ガスってしまった(14:00)
雲取山の山頂にて
 雲取山の山頂は生憎と雲が低く、展望には恵まれませんでした。晴れていれば大菩薩連嶺を従えた富士山や飛竜山や南アルプスの峰々などの絶景なのですが、ちょっと残念でした。でも、東京都最高峰の天辺を確認しただけで、私たちはとても満足でした。
夕餉前の憩いのひとときです
雲取山荘前広場にて
 雲取山荘に到着したのは午後のちょうど3時でした。小屋前広場のテーブルに集って、まず缶ビールや缶ジュースで乾杯です。
 9月の5連休のど真ん中です。大混雑が予想されましたが、私たちは1室をあてがわれて、一畳に約1名で、ここもゆったりと過ごすことができました。これは嬉しい誤算でした。

第3日目(9月22日) 雲取山荘〜妙法ヶ岳〜三峯神社-《バス》-西武秩父駅…
雲海から朝日が昇る
雲取山荘前からご来光
 雲取山荘の1階の部屋の窓からご来光を拝むことができました。これがほんとの贅沢ってやつです。
 山荘での朝食後、6時15分にはもう歩き始めていました。
このシロヨメナの群落は実際すごかったです
シロヨメナの大群落
 芋ノ木ドッケ1946mを巻き、歩みは快調です。コメツガ、シラビソの亜高山性の針葉樹林(原生林です)が素晴らしく、台風の影響などによるギャップの様子(細身のダケカンバが多く、小草原もあった)や倒木更新などの自然の遷移もよく観察できます。開けた登山道沿いにはシロヨメナが群生して咲いていました。これだけたくさんだと、可憐で質素な野菊とはいえ流石にゴージャスです。
この親子鹿が私たちを先導してくれました
人を恐れない親子ジカ
 ニホンジカには何回か出逢いました。ほとんどのシカは40m〜50mくらいの距離で私たち人間に気付くとすぐに逃げてしまいましたが、伊勢湾台風(昭和34年)が原因という森林破壊の跡地(ギャップ)付近で遭遇したシカの親子は、不思議なことに人間(私たちハイカー)をまったく恐がりませんでした。数年前からその個体数調整のための狩猟が解禁になっているはずですが、幸か不幸かその恐怖体験をまだしていない親子ジカだったのかもしれません…。
お天気がイマイチなのが残念!
和名倉山方面の眺望
 白岩山1921mの山頂付近の開けた箇所などからは西側の山並みが展望できます。秩父湖へ注ぐ大洞川が流れる谷を隔てて、和名倉山や飛竜山などの近くの(奥秩父の)山々が大容量で聳え、その右端には両神山のギザギザ頭も見えています。お清平(お経平)、霧藻ヶ峰(きりもがみね・1523m)とアップダウンしながら徐々に高度を下げていきます。霧藻ヶ峰の命名者は秩父宮ご夫妻とのことで、霧藻はサルオガセのことだそうです。この辺りからブナが目立ってきます。
 
写真中央の赤い前掛け姿がオオカミですが・・・
妙法ヶ岳の山頂にて
 今回はちょっと寄り道(往復70分)をして、妙法ヶ岳1329m(三峯神社の奥宮)へ立ち寄ってみました。鳥居を二つほどくぐり、階段状の岩場を登り切ると狭い山頂で、ここの立派な石祠を守る「狛犬」はオオカミです。秩父のオオカミも、昔、畑を荒らすネズミやノウサギなどを退治してくれる「神」だったのです。ニホンオオカミは明治時代に絶滅してしまったといわれていますが、返す返すも残念ですね。
 この妙法ヶ岳と白岩山と雲取山を合わせて三峰山と呼んでいるようです。
三峯神社興雲閣
三峯神社興雲閣
三峯神社興雲閣「三峯神の湯」: 海抜約1100mに位置する三峯神社に到着したのは午後2時頃でした。ここの宿坊で日帰り入浴が楽しめる、というのが嬉しいです。ナトリウム-塩化物温泉は無色透明でしょっぱい味がしました。麓にある大滝温泉からの運び湯であるらしいです。男女別の大浴場は石タイル貼りでゆったりしています。入浴後、1階のレストランで飲んだ打ち上げのビールの美味かったことと云ったら…、もう筆舌に尽くし難いです。(入浴料はタオル付きで500円)
  三峯神社興雲閣のHP

当サイトの雲取山山行記録です。ついでに覗いてみてください。
飛竜山・雲取山・鷹ノ巣山平成16年12月
雲取山(三峰⇒雲取山⇒鴨沢) 平成9年5月



コメツガ・シラビソの原生林
(第3日目) 雲取山荘から白岩山へ ・ 苔生した倒木が印象的な原生林

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