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No.280 雁ヶ腹摺山(がんがはらすりやま・1874m)
平成22年(2010年)10月27日 ガスってしまった マイカー利用


雁ヶ腹摺山・略図 「安・近・短」の紅葉狩り軽登山

《マイカー利用》 中央自動車道・大月IC-《車40分》-大峠〜雁ケ腹摺山(往復) 【歩行時間: 1時間40分】
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ


  大菩薩連嶺南部の雁ヶ腹摺山(がんがはらすりやま)について、どんなガイドブックを読んだって、山名事典を引いたって、必ず書いてあるのが“旧500円紙幣の裏面の風景はこの山からの展望”ということだ。 しかし、500円札が製造されていたのは昭和60年(1985年)までのことだ。 裏側の富士山の図柄を正確に憶えている人なんているかしら。 ましてや今の若い人などは…。 う〜ん、もうこれくらいにしておこう。 “年金の話”や“病気の話”や“今の若い人は…”が出てくると私も晴れて老人の仲間入りをしてしまう。

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黒岳と雁ヶ腹摺山(右)
滝子山より過日撮影)

この右奥が雁ケ腹摺山の登山口。左は黒岳へ
大峠の駐車場

登山道は紅葉の盛り!
整備された登山道

ここから富士山が見えるはずだが・・・
山頂手前の草原

あったかい鍋料理は最高!
山頂で大休止
  紅葉のニュースが飛び交うさなか、天気予報がよかったので、それ行け!っと家を出た。 前日から妻の佐知子と協力して、家事などについてなんとか段取りをつけたのだ。 私達夫婦は山行についてだけはよく協力する。 でも、朝はそんなに慌てる必要はない。 マイカーを使えば、雁ヶ腹摺山登山は東京からは近くて安いのだ。 渋滞の始まるちょっと前に東京圏を出ればいい。
  カーナビのアナウンスに従って中央自動車道の大月インターを出て、国道20号線(甲州街道)から真木(まぎ)の信号を右折して県道510号線→真木小金沢林道と進む。 林道といっても立派なアスファルト道だ。 大分登りつめ、車止めのある大峠の駐車場に着いて驚いた。 アニメ風に云うと“額に縦線・目が点”だ。 十数台で満車状態だったのだ。 「おいおい、ウイークデーだぜ」 とグチりながら、仕方がなくUターンして、手前の駐車可能なスペースにマイカーを停める。 今の時季、「安・近・短」で紅葉を楽しめる山をみんなよく知っているのだ。
  この大峠は標高既に1560m。 東側の雁ヶ腹摺山だけでなく西側の主稜線(黒岳方面)への登山口でもある。 車を降りると少し寒く、辺りの木々は予想通り色付き始めている。 佐知子がトイレへ行っている間、各種の案内板に目を通す。 当地が恩賜林であることを書いた由来書や、「小金沢山自然保存地区」に指定されていることや、森林文化の森「小金沢シオジ林」が近くにあることや、「山火事に注意」や「発砲注意」など、ざっと目を通すだけでもけっこう時間がかかってしまう。
  なにやかやで、歩き始めたのは午前9時20分頃だった。 登り始めてすぐ、ピンクに染まり始めたマユミの実が頭上を飾る。 水場を過ぎ高度を上げていくと、いよいよ紅葉の真っ只中だ。 ウリハダカエデ、ハウチワカエデ、オオイタヤメイゲツ、イロハモミジ、ミネカエデ、などのモミジ類が多いから見映えがする。 所々で交差する人工林のカラマツのほうは、まだ黄葉の時季には少し早いようだ。
  樹種のメモをとりながらゆっくりと標高差314mを登る。 モミジ類の他にはミズナラ、オオカメノキ、ハリギリ、リョウブ、ヤマハンノキ、ブナ、ダケカンバ、ナナカマド、コアジサイ、シデ類(少し)、ツツジ類、などの落葉広葉樹にウラジロモミ、コメツガ、トウヒ(イラモミ?)などといった亜高山性の針葉樹が交ざる。 林床のササはスズタケのようだ。 ガスっているので森林の景色は幻想的だ。
  ミズナラの純林を過ぎ、細身のダケカンバ林を抜けると広いススキの草原へ出て、そのすぐ先の平坦地が雁ヶ腹摺山の山頂だった。 なんか不自然な草原だなぁ〜と思っていたのだが、どうやら山頂から富士山を眺めるために木々を伐採したらしい。 この方向(南側)だけが開けていて、それ以外の方向はコメツガやダケカンバなどの樹林帯になっている。
  しかし残念。 天気予報はよかったのだが、日ごろの行いが悪いせいか、500円札の富士山はとうとうずっと霧の中だった。 絵描きのオジサンが、もう何日も前から描きつづけているのだろう、完成間近と思われる大きなキャンパスをほったらかしにして、所在なさそうに山頂部をウロウロしている。 そのキャンパスに描かれているのは、晴天の日の写実的な富士山なのだ。
  展望はあきらめて、私達夫婦はここでザックを広げコンロに火をつけた。 まずブルマン系のコーヒーを時間をかけて飲んで、それから早目の昼食にした。 持参した肉やキノコや野菜やうどんなどをたっぷりと使った鍋料理は絶品で、私達の身体と心を温かくしてくれた。
  1時間以上も居座った山頂を辞すとき、絵描きのオジサンに 「なかなか晴れませんねぇ〜」 と声をかけたら、苦笑いで応えてくれた。
  植物観察などの休憩時間を除くと上り1時間、下り40分の往復軽登山だった。 雁ヶ腹摺山は、林道ができる前までは“大菩薩連嶺の中でも人気(ひとけ)のない最奥の山”だったという。 今では“高尾山より簡単”な山になってしまった。 それは良いことか悪いことか、難しい問題だ。 本来は麓の真木・桑西や金山鉱泉などからじっくりと(歩いて)登るべきかもしれない…。
  大峠の駐車場に戻りついたのは12時40分頃。 展望には恵まれなかったけれど、紅葉は充分に楽しめた。 それに満足して帰路につく。 麓の「真木温泉」にゆっくりと立ち寄っても、日のあるうちには老いた両親が待つ自宅に帰れそうだ。
* 雁ガ腹摺(がんがはらすり): 鳥道となっているタルミ(鞍部)の意。
  大菩薩連嶺の南部には、北から順に牛奥雁ヶ腹摺山1990m、雁ヶ腹摺山1874m(本項)、笹子雁ヶ腹摺山1358mと、「雁ヶ腹摺」の名を冠する山が3座ある。 最近では、もうひとつ、日影雁ヶ腹摺山(岩崎山1150m)というのもあるそうだ。


真木温泉旅館 真木温泉: 大月市大月町真木(まぎ)にある1万坪の敷地に建つ純和風の高級温泉旅館。 1,000円(タオル付き)で日帰り入浴もできるのだが、その利用時間には11時から15時までという制限があり、本来下山後の立ち寄り湯としては利用しずらい。 今回の雁ヶ腹摺山登山は軽い半日登山なので(狙い通り)帰路には余裕をもって入浴することができたのだ。 大峠からは車で約30分、大月I.Cまでは約10分だった。
  宿の対応は非常によく、リッチな気分を味わえるのが何よりだ。 眼下には真木川が流れている浴室はほどよい広さで、黒御影石の内湯も露天の岩風呂もとてもよかった。 無色透明の湯は単純硫黄冷鉱泉(低張性アルカリ性泉ph10.3)とのことだが、ほんとうにアルカリ性?と思えるほどさっぱりとした浴感だった。 風呂上がりには冷えて美味い源泉をがぶ飲み。 この温泉水は「弥生の舞」のブランド名でミネラルウオーターとして売り出されているようだ。 薬効があるらしい。
  時間とお金に余裕があるときに(そんなときがくるのだろうか…?)、是非泊りで来てみたいと思った。
  「真木温泉」のHP



山頂に設置されていた展望図です
山頂の展望図: 晴れていればこう見えたはず

ミズナラ、モミジ類などの紅葉
標高1600m以上は今が紅葉の旬!
紅葉の山道(大峠〜雁ヶ腹摺山): 標高1600m以上は今が紅葉の旬!

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