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No.352 鎌倉の 衣張山(きぬばりやま・120m)
平成29年1月13日 晴れ

略図
赤い帽子とエプロンが可愛らしい
登山口のお地蔵さま

遊歩道(ハイキング道)の途中で撮影
大きなヤマザクラ

この左奥に三角点があります。
展望地のタブノキ

由比ヶ浜(相模湾)〜鎌倉市街方面を望む
衣張山の山頂にて

この左奥に竹林(有料)があります。
報国寺に参拝


そこそこの自然と展望にまぁ満足
山歩きというよりは古都鎌倉を巡るウォーキングだったかも…

JR横須賀線・逗子駅-《バス15分》-ハイランド西友前〜かまくら幼稚園〜展望地(宅間山)〜衣張山〜石切り場跡〜報国寺〜「左可井」〜釈迦堂切通し〜岐れ路〜鶴岡八幡宮〜鎌倉駅 【歩行時間: 正味2時間】
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページ


  衣張山(きぬばりやま・きぬはりやま)の山名の由来は鎌倉時代の頼朝伝説に遡るという。 JTBパブリッシングが発行しているガイドブック「大人の遠足BOOK/鎌倉・湘南・三浦をあるく」のコラムには “熱い夏にうんざりした鎌倉幕府の要人たちが、衣張山の山頂に白絹を張り巡らし雪に見立て、遠い都の冬の山並みを偲んだ故事によるらしい。鎌倉の町からよく見える山にせめて視覚からだけでも涼を得ようとしたようだ。” と書いてある。 また、「登山情報サイトYamakei Online」の該当項には “衣張山の山名の由来は『新編相模国風土記稿』によれば、「衣掛山といい、昔ここに庵があり、尼僧が松の木へ衣を掛け晒した」という説と、夏の日に源頼朝が妻の北条政子の望みで、この山に白衣を張って、雪の降った景色を見せたという説があるが、定かではない。” と書いてある。 …何れにしても、なんとも風流な伝説で、グッとくる。
  どこへも出掛けなかった今年のお正月。 このままでは“ひきこもり老人”になってしまう。 少しは外の空気を吸ってみよう、と妻と連れだって歩いたのが…鎌倉市の南東に位置する…その衣張山だった。

  JR横須賀線の逗子駅前から午前9時28分発のハイランド循環・京急バスに乗る。 乗客は私達夫婦を含めても3人だけだ。 ぐるぐる廻って(循環して)ハイランド西友前で降りたのは9時45分頃。 逗子駅からこのバス停までの距離は2Km足らずだ。 「これじゃぁ(バスに乗らずに)歩いたのと大して変わらなかったかも…」 などとぶつぶつ云いながら、端正で瀟洒な住宅街を北へ向かってなだらかに登り始める。 ソメイヨシノの並木が続く、静かな舗道だ。
  今回はクォーター(半日の半分)の超軽ハイキングなので、ショルダーバッグにはデジカメとティッシュとジクアス(ドライアイの目薬)だけしか入れていない。 ポケットにはハンカチと財布とガイドブックの略図(コピー)だけだ。 だから、身も心もとても軽い。
  かまくら幼稚園の裏手が開けた高台になっていて、そこから遊歩道が始まる。 左(南)へ進むと浄明寺緑地・パノラマ台を経て名越切通へ至るが、私達は道標に従って右手の衣張山ハイキングコースへ進む。 良いお天気だけれど富士山方面には雲が出ていて、それが何とも残念だ。 しかしここから土の道だ。 シイやタブなどのこの地の極相種が生い茂る山道だ。 途端に頬がゆるんで、目が細くなって、心がやわらかくなる。 木の気(フィトンチッド)のたまものだ…きっと。
  小さな森の脇役は、イヌツゲ、ヤブツバキ(花が少し)、ヤブニッケイ、アオキなどの照葉樹にコナラ、クヌギ、ヤマザクラ、シデなどの里山でおなじみの落葉樹が交ざる心に優しい植生で、近くの三浦アルプス鎌倉アルプスなどとも(当然のことながら)よく似ている。 足元のアズマネザサやシダ類(ベニシダやリョウメンシダ)なども…平凡で自然で…なんかやっぱりとてもいい。
  しかし如何せん歩程が短かすぎて(山が小さすぎて)、気がつくと、あっという間にベンチの置かれたピーク(展望地:宅間山と記されているサイトもある)に着いていた。 西面が開けていて、山と海に囲まれた鎌倉の街並みなどがよく見えている。 広場の東側には立派なタブノキがあって、その足元には小さな石塔(五輪塔)や石仏が置かれてある。 少し進んだ片隅に三等三角点(点名:宅間・119.93m)の標石だけがぽつんとあったけれど…、なんか、こういうの(はっきりしないの)っていいなぁぁぁ。
  それから少し下って少し登り返すと(こちらが多分本当の)衣張山の山頂だった。 先ほどの展望地と同じようなロケーションの(ベンチや石塔や石仏があったりの)、心休まる空間だ。 不思議なのは、ここにも山頂標識や指導標などは無かったということだ。 知る人ぞ知るの“地元の小道”といった風で、それはそれで、とてもいいと思う。

* 衣張山の山頂からの展望: 西面が大きく開けていて、富士山は雲隠れしていたけれど、由比ヶ浜(相模湾)の向こうには伊豆や箱根の山影が見えている。 その右手には、鎌倉の低い山並みの奥に、雪をつけた丹沢の山々が堂々と連なっている。 ここから見下ろすと、鎌倉の町が四方を山と海に囲まれているのがよく分かる。

  展望をたっぷりと堪能してから、山頂の北側直下にある石切り場跡を“探検”する。 案外と大きくて深い洞窟だった。 それからスギ林をジグザグと下る。
  やぐら跡(横穴式の昔の墓所)などを見物してから、ひっそりとした住宅街をなだらかに下り、金沢街道と並行する手前の小道(田楽辻子のみち)を右折して、孟宗竹の竹庭のある報国寺も見物する。 それから金沢街道を西へ歩いて、並行して流れる滑川(なめりがわ)に泳ぐ緋鯉や鴨を観察したり、杉本寺の近くにある小料理店「左可井」に立ち寄ってビールを飲んだり絶品の穴子丼を食べたり、する。 …とんとん拍子に時間が過ぎていくけれど、食事が終わっても未だ12時前だ。 で、ほろ酔い気分で近くの釈迦堂切通し見物に向かったのだが、崖崩れのため通行禁止になっていたのは残念だった。
  岐れ路(わかれみち)というシャレた地名のバス停を通り過ぎる。 …アスファルトだけれど飽きない道が続く。 そしてそれから鶴岡八幡宮にお参りしたり、入場料500円(高すぎる!)を支払って牡丹展(神苑ぼたん庭園)を見物したり、してから帰路につく。 今回のトレイルはそこそこの自然と展望はあったけれど、ハイキング(山歩き)というよりは古都鎌倉を巡るウォーキング(散歩)といった感じだったかもしれない。
  家へのお土産は、鎌倉駅前で買った鳩サブレと鯵寿司と途中駅の横浜で買った崎陽軒のシュウマイだ。 …私にとっての鎌倉方面は「安・近・短」ではなくて何時も「高・近・短」なのだ。 つまりとにかく、お金がかかるのです。

* コースについて補足: 今回のコースについて、歩き足りないと感ずる人(私のことです)やもっと時間に余裕のある人には、古刹の点在する金沢街道を行ったり来たり(寺社巡り)するのがお勧めです。 また、逗子駅から名越切通〜パノラマ台(浄明寺緑地)と歩いて衣張山ハイキングコースへ進むのも魅力ですし、鎌倉駅の東に位置する祇園山ハイキングコースなどと繋げて歩くのもいいかもしれません。 何といっても山に囲まれた古都鎌倉です。 工夫すればいくらでも「道」はある筈です。

  佐知子の歌日記より
 行き帰り電車の遅延にあう今日は13日の金曜ゆえか
 雲かかり富士は見えぬが鎌倉の海を望めり衣張山頂
 鯵寿司や鳩サブレーを買い求め 娘一家を待つ午後六時


仕切り線

四方を山と海に囲まれた鎌倉の町
衣張山の山頂から鎌倉の町を望む : 四方を山と海に囲まれているのがよく分かります。
衣張山の山頂直下に位置します。
石切り場跡の洞窟
下山地の近くにありました。
やぐら跡(横穴式の昔の墓所)
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