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No.375 升形山〜黒富士〜曲岳
令和元年(2019年)5月9日(木) 高曇り マイカー利用
黒富士〜曲岳の略図
県道101号線から曲岳(左端)方面を撮影
黒富士火山群

八丁峠下の駐車場
黒富士登山口

まず沢筋を登り詰める
八丁峠は近い!

升形山から下山開始!
升形山の山頂部
クリック↑

ミズナラ林を進む
黒富士は近い!

殆ど灌木に囲まれています
黒富士の山頂にて

前方に特異な山容の・・・
曲岳は近い!

左側に三等三角点の標石
曲岳の山頂にて
源泉100%かけ流しの湯!
湯めみの丘


令和の初登りは奥秩父前衛の山
嬉しい誤算は…超高曇りで展望抜群!

《マイカー利用》 中央自動車道・双葉スマートI.C-《車40分》-黒富士登山口(八丁峠下の駐車場)〜八丁峠〜升形山1650m〜黒富士1633m〜曲岳1643m〜八丁峠〜黒富士登山口-《車40分》-湯めみの丘(入浴)-《車3分》-双葉スマートI.C… 【歩行時間: 3時間20分】
 → 国土地理院・地図閲覧サービスの該当ページへ


 中央沿線の韮崎〜竜王辺りから北側を眺めたとき、「にせ八ツ」の異名をもつ山塊の左側の部分は日本二百名山にも名を連ねている茅ヶ岳1704mで、深田久弥さん終焉の地であることからもつとに有名だ。今回私達夫婦が歩こうと思ったのはその(にせ八ツの)東側部分で、曲岳1643m〜黒富士1633m〜太刀岡山1322mなどの特徴的な峰々の連なり…いわゆる黒富士火山帯に属する山域だった。北面には八ヶ岳や奥秩父の主峰たちが近く、甲府盆地を隔てた南西面の南アルプスの絶景も、もちろん南東面の富士山も望める、ロケーションに恵まれた山域でもある。“令和初”の登山は、やっぱり富士山が見える静かな山がよい、と思ったのだ。

 中央自動車道・双葉SAスマートI.Cからカーナビに導かれて北へ進み、渋滞の幹線道を抜け、山梨県道101号敷島竜王線を直進して街を抜けるとウソのような静かな道になる。前方には少し左に傾いて尖がる曲岳(まがりだけ)などのデコボコとした山群(黒富士火山群)が見えている。これから目指す山々が望める、というのはいやが上にもモチベーションが上がるものだ。
 やがて県営林道観音峠大野山線(観音峠林道)に入り、太刀岡山(たちおかやま)の登山口を右手に見送ってからも更に高度を上げ、金ヶ岳・茅ヶ岳や曲岳の登山口のある観音峠も直進して、山稜の北側をぐるっと右へ巻く。黒富士登山口のある八丁峠下のガラーンとした駐車場(5〜6台は楽)から歩き始めたのは午前9時10分頃だった。地理院地図によると、ここは既に標高1462m。芽吹きの新緑が目にやさしい。小鳥たちも盛んにさえずっている。
 (湿った場所が好きな)コガネネコノメソウシロバナネコノメソウヤマエンゴサクなどの可憐な小花たちを愛でたりしながら、整備された清々しい沢道を南へルンルンと登る。しかし、高度が少し上がると新緑は消えて、森は未だ冬の終りの様相だ。
 案外とあっけなく小さな峠(八丁峠)の分岐へ出て、指導標に従って左折して、八丁峰の北側を巻いて升形山(ますがたやま)へ向かう。と、左手でガサっと音がしたので立ち止まって目をやると、小型のカモシカがきょとんとこちらを見ている。数秒の後、私達が歩き始めると若い(子供の?)カモシカは林の中へ消えていった。…足元にはエイザンスミレがポツンと咲いていた。
 黒富士への道を右に分けて進み、小さな岩峰を攀じ登って升形山の狭い山頂へ出ると大感動が待っていた。道志や御坂の山々を従えた白銀の富士山はもちろんのこと、山頂部に雪を残した南アルプスや八ヶ岳や、黒々として近い奥秩父の山々など、文字通りの1点360度の大展望だったのだ。特にこの方角から眺める両翼を張った金峰山が素晴らしく、奥秩父の盟主であることを実感させてくれる。岩ゴツの狭い山頂でぐるぐると見回していると目が回ってふらっとして(トシかなぁやっぱり…)、高所恐怖症とは縁遠い私でさえ怖いほどだ。三省堂の日本山名事典によると“増冨方面から升形に見えるので升形山”とのことだ。国土地理院の地形図上では山名注記のない山だけれど、今回のコース上の最高峰(もしかして黒富士火山群の最高峰かも)ということもあり、なかなか侮れない山だと思う。
 踵を返して分岐(八丁平)へ戻り、今度は左折して、気持ちのよい(小規模な)ミズナラ林やカラマツ林を通る抜ける。やがて勾配がきつくなってきて、木々の根っ子などをホールドして急登を詰める。と、岩っぽくなってきて、間もなく黒富士の山頂に着いた。灌木化したミズナラやイヌシデ、ツガやアカマツや株立ち状のツツジ類(ヤマツツジかな?)などに囲まれているが、所々に隙間があって、特に南アルプス方面(西面)がよく見えている。
 黒富士からは来た道を八丁峠へ戻り…アカヤシオ(少し)やミツバツツジの咲く…足元にはヒゲネワチガイソウやカヤツリグサ科の花(ヒメカンスゲかな?)が咲く…明るい自然林を更に西へ進む。この八丁峠から曲岳へは4〜5つのピークをなだらかにアップダウンするのだが、そのうちのひとつのピークの草の上に腰を下ろして大休止(昼食)した。佐知子が作った梅干のおにぎりと(ぬか漬けの)キャベツのお新香と、そして定番のゆで卵だ。なんとゴージャスなメニューだろうか。…何が…?
 そのゴージャスな食事が終わって山稜を歩き出すとブナが目立ってきて…、今度は大きくて黒っぽいカモシカとばったりと鉢合わせした。このときは流石の私もびっくりして「アッ!」と声を上げたら、その黒く太った大きなカモシカは北側の急斜面をものすごいスピードで駆け下りていった。今までも(登山中に)同じような場面に何回か出っ食わしているけれど、カモシカの足ってやっぱりスゴイ! と今回も思った。…最後の急勾配を上り、「展望舞台」の標識のある展望箇所を過ぎて間もなく、三等三角点のある曲岳の山頂へ着いたのは12時半頃だった。
 この曲岳の山頂も(私の好きな)狭い山頂で、ツガ、アカマツ、ヒノキ、ブナ、リョウブ、ツツジ類、などに囲まれているけれど、富士山や南アルプスの一部など、そこそこの展望を楽しめる。ヒガラかなコガラかな、が近くの木々の間を飛び回っていて、それらのさえずりが耳に心地よい。ここから少し(観音峠方向へ)西進すると展望箇所(展望ブリッジ)があるらしいが、升形山山頂の360度大パノラマで充分に満足していた私達は、もうここで引き返しましょう、ということになった。
 来た道を戻り、八丁峠下の黒富士登山口駐車場に着いたのは13時50分頃だった。令和の初登りは…思惑通り…山稜で一人の男性ハイカーとすれ違っただけの、とても静かで情緒のある山行だった。天気予報がそれほど良くなかった(“曇り”だった)ので、この日のすっきりとした大展望が嬉しい誤算だったことも感動に拍車を掛けたかもしれない。…この日は超高曇りの一日だったのだ。

 今回の逆T字形のトレイルは、すべて往復して(ダブって)歩いたことになったのだが、出発点に戻らなければならないマイカー登山の欠点が顕著なコース取りとなったのは否めない。しかしそれもまた一興かもしれない。何となれば比較的に安全・安心だし、植生の観察などもダブルで入念に行える良さがあるし…。

  黒富士・花の写真集 大きな写真でご覧ください。

湯めみの丘: 山梨県甲斐市下今井に位置する日帰り温泉施設。今どきの(よくある)入浴施設だと思っていたけれど、下山後に立ち寄って驚いた。各種の内湯も外湯も大きな浴槽からは新鮮な(飲用可の)源泉がじゃんじゃん溢れ出ているのだ。「源泉100%かけ流しの湯」というキャッチコピーも頷ける。泉質は弱アルカリのナトリウム−塩化物温泉。無色透明だが、飲んでみると微かにしょっぱくてほんのりと硫黄臭がする。“フォッサマグナから湧き出る高温の湯”とのことだ。露天風呂からの南アルプスなどの展望もいいけれど、湯量が豊富なのが何といっても素晴らしい。施設の設備などは平凡だけれど、稀に見るいい湯だと思った。 中央道・双葉SAのスマートICまでは3分の距離で、マイカー利用だととても便利。入浴料@700円(前売り券10枚綴りだと5,000円)。この日は入浴後の食堂へは行かなかったけれど、自動販売機で飲んだ森永牛乳がとても美味しかった。

  佐知子の歌日記より
 富士を背に静かに広がる春霞 甲州盆地は湖のごとく
 鈴の音に驚き素早く山下る太目のカモシカころがるように
 甲州の芽吹きの山や新緑に時間
(とき)を忘れて君と味わう



1点360度の大展望! 升形山の山頂から撮影
升形山の北東を撮影
瑞牆山〜金峰山
升形山の南東を撮影
黒富士と富士山のツーショット クリック↑

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