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北奥羽・7日間の山旅日記・そのC
No.424 秋田の 太平山(たいへいざん・奥岳1170m)
令和3年(2021年)10月2日(土) 曇り時々晴れ マイカー利用

「北奥羽の山旅」略図
「北奥羽の山旅」のルート

太平山の略図
太平山・登山道の略図
まず赤倉沢に架かる木橋を渡って・・・
旭又登山口

天然杉とウワバミソウ
インクラインの道

周囲は天然杉の森
御滝神社で休憩

ブナが支配する明るい自然林
やがてブナ林へ

左上に太平山三吉神社の建物が・・・
山頂は近い!(あま池)
↑赤いのはナナカマドの実

左に三角点・右は参籠所(閉鎖中)
山頂の三吉神社

前方は旭岳1140m
下山開始!

下山時に撮影
こんなクサリ場も・・・

寄る年波には勝てない・・・?!

《マイカー利用》 姫神山登山七時雨山登山下北半島ドライブ観光…下風呂温泉-《車7時間》-仁別・森林学習館木こりの宿(泊)-《車25分》-旭又登山口〜御滝神社〜御手洗〜大平山(奥岳・三吉神社)〜旭又登山口-《車35分》-秋田温泉 【歩行時間: 5時間40分】
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ


*** 前項「B下北半島くるま旅」からの続きです ***

●10月1日(登山前日・曇): この日は移動日で、下北半島北部の下風呂温泉から秋田市の仁別まで、正味約6時間半のドライブだった。仁別国民の森など、辺りをぐるっと巡ってから、森林学習館木こりの宿にチェックインしたのは16時頃だった。

温泉マーク 仁別温泉「森林学習館・木こりの宿」: 秋田市街の東北東、太平山の西麓に位置する「秋田市太平山リゾ−ト公園」内の、第三セクターが運営するウッディーな温泉宿。1991年に開業したらしい。石貼りの内湯で、泉質は単純温泉(pH8.1・弱アルカリ性)、湧出量300L/毎分、泉温は47.1℃(使用位置41℃)、無色透明でややヌルヌル感。丁度いい湯加減だった。東側の部屋の窓からは、手前にグラウンドゴルフ場だろうか、の芝付きの広場が見えていて、その先には太平山の一角(前岳)が聳えている。1泊2食付き一人6,000円(税込み)はかなりの割安感だ。
 今回の北奥羽の山旅では、サービスなどがシステム化された宿が多かったから…コロナ下ということもあり…特にそう思ったのかもしれないけれど、この「木こりの宿」はアットホームというか人間的というか、つまりアナログな感じがした。何かと世話をしていただいた受付の女性との、久しぶりの(地元の方との)会話など…それはたわいもない内容(カメムシの話など)だったかもしれないが…温かみのある旅情を味わうことができた。
 外部サイトへリンク 「森林学習館・木こりの宿」のホームページ

●10月2日(登山日・曇晴): 朝食後、「木こりの宿」を7時20分頃に発って、森林博物館(休館中)や林野庁東北森林管理局の管理する自然休養林(仁別国民の森)を通過して、標高約290mに位置する旭又登山口の大駐車場に着いたのは7時50分頃だった。昨日の午後に下見で来ているので、狭い林道走行もスイスイだ。…今日が土曜日ということもあるのか、もう既に10台程度の車が停まっていて、何組かのパーティーが登山準備をしている。
 旭又駐車場から赤倉沢に架かる木橋を渡って、景気付けに鐘(見守りの鐘)を一突きしてから、天然秋田杉の生い茂る小道を進む。指導標がしっかりしているので不安はない。足元のウワバミソウ(ミズ)やチシマザサを横目で見ながら15分ほどもなだらかに歩くと、今度は旭又沢に架かるコンクリート製の小橋を渡る。やがて宝蔵岳コースとの分岐へ出るが、私達は予定通り左手の広いほうの道(旭又コース)へ進む。と、なだらかな階段状の上り坂がしばらく続く。かつてのインクラインで使用された枕木が利用されているらしい。この微かな文明の名残(軌道跡)にも、なかなか風情を感ずる。

* インクライン: かつて森林軌道の貨車をワイヤーロープを用いて引き上げたりする仕組みがありましたが、それをインクラインと呼んでいたようです。なお、仁別森林鉄道の詳細に関しては東北森林管理局の該当ページを参照してみてください。

 3度目の徒渉となる(弟子還沢に架かる)小橋を渡ると間もなく、小さな木祠(御滝神社)が祀られている小広場に出て、ここで小休止。そして再び歩き出すと「あやめ坂」の急登で、ふと目を上げると、何時の間にか辺りにスギが少なくなって、ブナが支配する明るい自然林へ移行している。暑くもなく寒くもなく、空気がし〜んとしていて、とてもいい気分だ。御手洗(みたらし)の水場でウン回目の小休止後、最後のワンピッチだ。
 ブナ林の脇役はトチノキ、サワグルミ、ハウチワカエデ、ミズナラ(少し)などで、高度が上がってくると潅木帯になり、展望が開けてくる。ナナカマド、オオカメノキ、ミネカエデなどの山稜の紅葉が見事だ。…金属製の大鳥居を潜ると、由緒ある三吉(みよし)神社奥宮の建つ太平山・奥岳の、思ったよりも狭くて神秘的な山頂だった。
 今は(コロナ禍の関係か)神職は常駐しておらず、参籠所(山小屋)も閉鎖されている。社殿の周囲には数々の記念標柱や石像や展望板、それに一等三角点の標石などもある、なかなか賑やかな山頂だ。この日は生憎と雲が多くて、近くの太平山地の山々は良く見えていたけれど、森吉山や鳥海山や秋田駒ヶ岳などの遠景は靄の中だった。
 少し迷ったのだが、やっぱり予定通り(時計回りの周回コース)に進もう、と決めて宝蔵岳方面(宝蔵岳コース)へ歩き出そうとしたら、山頂で休憩していた二人の中年男性から声をかけられた。
 「今見えているあそこ…宝蔵岳コースの弟子還(でしがえり)は、かなりの難所ですよ。私たちはそちらから登ってきたのですが、こちらからの下りコースは危ないと思う」 「弟子還は岩の痩せ尾根で、ほとんど綱渡り状態で怖かったです。やめたほうがいい」
 私達夫婦がよほど高齢に見えたのかな、とも思ったのだけれど、私達はその助言に素直に従って「言っていただいてありがとうございます」と二人の男性に丁重にお礼を云って、結局、来た道を下山することにした。…それは、後から考えると大正解だったのだ。というのは、下山開始直後から佐知子が(もはや持病となった)膝痛を訴えて、段差を下るのが大変な苦痛になってしまったからだ。
 小1時間ほども下った水場の小広場(御手洗)で大休止。コンロで湯を沸かして、佐知子はマルちゃんの「赤いきつね」、私は「緑のたぬき」を食べた。そして少し元気になって、それからひたすら…超ゆっくりと…下った。
 登山口の旭又駐車場に戻ったのは15時20分頃だった。膝がとても痛そうで大分疲れているらしい佐知子のことがとても気になった。でも、私もけっこう疲れている。寄る年波には勝てない、のかなぁ、やっぱし。と、少し悔しい気もした太平山登山だった。

* 太平山について(補足): 太平山(たいへいざん)は秋田市の東に位置する変成花崗岩に覆われた単独峰・壮年期の隆起山塊で、出羽山系に属します。白鳳2年(673年)に役小角が開山したと伝えられ、古くから信仰登山が盛んだったそうです。主峰の奥岳山頂には太平山三吉神社の奥殿(奥宮)や参篭所、そして一等三角点があります。神社には太平山権現と三吉明神が合祀されています。
 山名の太平山は総称で、私達が登った最高峰の奥岳
1170mをはじめ宝蔵岳、剣岳、鶴ヶ岳、中岳、前岳などのピークを有しています。日本三百名山や岩崎元郎さんの新日本百名山などに選定されています。江戸後期の国学者であり博物学者であり旅行家でもあった菅江真澄(すがえますみ・1754〜1829)とも、因縁の深い山です。秋田市のシンボルのひとつとして、校歌などに歌われることも多いといいます。
 日本山名事典(三省堂)の該当項、及び奥岳の山頂部に設置されている解説板、等を参考にして記述しました。なお、太平山三吉神社については、その公式HPに詳しく記載されています。

  佐知子の歌日記より
 山頂の紅葉を頭と胸に置き膝痛と下る太平山

温泉マーク 秋田温泉「さとみ」: 太平山の旭又登山口からは車で約35分、秋田駅前からは約10分、秋田自動車道の秋田中央I.Cまでは約15分の、交通の便のよい処に位置する温泉ホテル。食事やサービスなど、総合的にハイレベル。揚げたての天ぷらも旨いし、秋田こまちの新米も超美味。ゆったりとした大浴場は内湯も外湯も長四角形の石貼りで、かなりしょっぱい湯がいかにも効きそうな感じ。泉質はナトリウム-塩化物温泉(高張性アルカリ性)、無色透明、循環、39.4℃の源泉を加温、ヌルヌル感あり。朝食は7時から。従業員たちの感じもとても良かった。これで1泊2食付き一人12,150円(税込み)は割安かも。
 外部サイトへリンク 「秋田温泉さとみ」のホームページ

●10月3日(晴): 秋田中央I.Cから秋田自動車道へ入り、一路、東京へ。行きは常磐自動車道を利用したのだが、帰路は東北自動車道をそのまま進んだ。東北道利用だと(常磐道利用に比べて)距離は約16km長く、ETC料金は約400円安い。つまりどちらを選んでも、距離も時間も高速料金も、それほどの差はないようだ。
 最終日のこの日が最も良い天気だったのは皮肉だが、出羽山地の山々→奥羽山脈の山々(真昼山地〜栗駒山周辺〜船形山周辺〜蔵王連峰〜吾妻連峰〜安達太良山系〜那須岳)→日光連山…と移りゆく山岳風景を、車窓越しにまったりと堪能した。
 7日間は長いと思っていたのだが、終わってみるとあっという間の出来事であったような…それは旅の常かもしれないが…そんな気がする。マイカーの総走行距離は2025km。夢のような、すてきな一週間だった。



太平山の山稜は紅葉真っ盛り!
鳥居の先に太平山三吉神社の建物
真下から見た太平山(奥岳)の山頂部

下山時に撮影
紅葉の山稜(前方は旭岳)

大黒様と・・・
山頂の石像
サルノコシカケの仲間です
ツリガネタケ…かも

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No.423「B下北半島くるま旅(霊場恐山など)」へ番外編「浜離宮から愛宕山(都内散策)」へ



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