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九州南東部・4日間の山旅日記・その④
No.470 双石山(ぼろいしやま・509m)
令和5年(2023年)11月29日 晴れ時々曇り レンタカー利用

双石山の略図
天狗岩の下段に祀られている
針の耳神社

アルミ製のハシゴ
三段梯子を登る

20m以上の大岩に四方を囲まれた空間
空池(そらいけ)

部屋もきれいに整理されている
山小屋前のベンチにて

手前が三角点の標石
双石山の山頂


この日は無人でした
姥ヶ嶽神社に参拝
ヤシ並木の向こうに青島が・・・
青島を観光(前夕)


大人のフィールドアスレチック
お互いを称え合う私達

第1日目(11/26)=東京…宮崎空港…大浪池一周…霧島温泉
第2日目(11/27)=霧島温泉…えびの高原・池めぐり…都農
第3日目(11/28)=都農…尾鈴山登山…青島

第4日目(11/29)=青島-《車25分》-小谷登山口・駐車場~磐窟神社~針の耳神社・天狗岩~空池~第2展望所~山小屋~双石山509m~姥ヶ嶽神社~九平登山口~(県道27号線)~小谷登山口-《車25分》-宮崎空港16:55-《SNA-062便》-18:30羽田空港 【歩行時間:4時間20分】
 ※移動はレンタカー
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ


*** 前項「尾鈴山」からの続きです ***

 青島温泉「グランドホテル」の6時45分からの朝食バイキングを腹いっぱい食べてからチェックアウト。加江田川とその上流の鏡洲川をそれぞれ数回渡り返しながら、県道27号線(宮崎北郷線・旧飫肥街道)を西へ進む。カーナビは相変わらず絶好調で、空は快晴だ。
 「九州南東部・4日間の山旅」最終日のこの日のターゲットは宮崎市のシンボル的な存在である双石山(ぼろいしやま・509m)だ。今年の4月に放映されたNHKのテレビ番組「にっぽん百低山」で、吉田類さんと当地出身の女優・山田キヌヲさんが歩いた一座でもある。ユニークな山名の由来は、日本山名事典(三省堂)によると「山中に相対する2つの岩があり、礫岩からなるためにボロボロ崩れることによる」とある。別名には衆石山、姥ヶ岳、鼻截山(はなきりやま)、石嶽、などもあるという。巨岩や奇岩の散在するトリッキーで面白そうな山なので、今回の山旅では是非とも登っておきたかった。
 * 山名の由来については諸説あるようです。

 青島からは約25分のドライブで双石山の小谷登山口に着き、道沿いの駐車スペースに車を止める。入口に賑々しく立ち並ぶ宮崎森林管理署などの掲示板には、略図や宮崎自然休養林(*)の解説をはじめ、「危険な箇所や分岐では十分注意」とか「道(一般登山道)を外れて歩かないでください」とか「(双石山では)携帯の電波が届きにくい箇所が多い」などといった登山に関する注意書きが“これでもか”というくらいに張ってある。ストレッチしながらそれらをざっと読んで、歩き始めたのは8時頃だった。
 * 双石山の照葉樹林などは1969年8月に史跡名勝天然記念物に指定され、学術参考林として保護されています。
 皆伐した跡だろうか、まずは明るい野原を登る。ツワブキの黄色い花が咲いている。やがてカシ・シイ・タブなどの自然豊かな照葉樹の森に入り、塩鶴からの登山道を左に合わせる。と間もなく、賽銭箱などが壊れて放置してある…ちょっと疲れた感じの…磐窟神社の社があって、取り敢えず丁寧に手を合わせる。
 急登になり岩っぽくなってきて、ふと前方を見上げるとド迫力の…蜂の巣のような穴だらけの…岩壁が立ち塞がる。これがテレビ(にっぽん百低山)で見た天狗岩に違いない。その下方には「針の耳神社」の小さな祠があったので、ここでも手を合わせる。「どうか無事に下山できますように…」
 道標に従って大きな岩壁に挟まれた「象の墓場」を往復して、それからアルミの梯子をいくつか登って、これも絶壁に囲まれた「空池」も見物する。不思議な空間の連続で、なんか、夢を見ているような気分になる。それが吉夢なのか悪夢なのかは判然としないけれど…。
 ロープや木の根っこを掴んで尚も急勾配を登り、第2展望所の小広い高台に着くとほっとする。霞が出てきて小春日和の陽気になってきたこともあり、一望の宮崎市街はちょっとぼやけて見えたけれど、それもまた夢のように幻想的だった。
 第2展望所から南西へ続く照葉樹林の尾根道へ進むと、道は大分歩きやすくなった。市民たちの手で建てられたという憩いの場(山小屋)前のテーブル付きベンチで一休みしてから、更に進んでヤッコソウ(*)の自生地を通り過ぎる。地盤が(岩っぽいため)固いからだろうか、こちらも木の根っこの地表への張り出しが顕著だ。そんな山道を登り切り、三等三角点のある双石山の山頂に着いたのは11時頃だった。残念なことにこの山頂は木々に囲まれて展望はない。20分ほど休憩してから山頂を辞す。
 * ヤッコソウ: ラフレシア科の全寄生植物(スダジイなどのシイ属に寄生)。県の絶滅危惧種。葉緑素を持たないこともあり、見た目は腐生植物(菌従属栄養植物)のギンリョウソウに似る。
 急坂をジグザグと40分ほども下ると杉木立になってきて、御神水(水場)を過ぎると間もなく姥ヶ嶽神社に到着。「無事に下山できてありがとうございます」と参拝する。
 それから長い石段を下って、参道入口の鳥居の傍に座り込み、サーモスの熱い湯で溶かしたインスタントコーヒーを飲んで、残り物のアンパンやアーモンドチョコレートや亀田の柿の種ピーナッツなどを頬張る。そして「よく頑張ったね」「ほんとうに大人のフィールドアスレチックだったわね」と、お互いを称え合う私達夫婦だった。
 九平登山口からは県道27号線をだらだらと約45分下って、小谷登山口の駐車場に戻ったのは13時20分頃だった。ここから宮崎空港までは車で30分足らずの距離だ。予約のLCC(16:55発ソラシドエア・羽田空港行き)までにはたっぷりの時間がある。焦らずにゆっくりと、慎重に運転して帰路に就こう。
 ※ この日の歩数計: 14748歩

温泉マーク 青島温泉「青島グランドホテル」: 双石山にも宮崎空港にも近い観光地で、しかも温泉地、ということで選んだのが青島温泉。青島の近くなので、前日の夕方に「鬼の洗濯岩」などを見て回ったり青島神社に参拝したりして、付近の散歩を楽しむことができた。
 青島グランドホテルは立派なホテルで、部屋の窓からは日向灘の砂浜や青島がよく見える。自慢の絶景「大名露天」はもちろん、内湯の大浴場などもよかった。「青島海幸温泉」というのだそうだが、その泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(低張性アルカリ性低温泉)、加温、(多分)半循環。殆ど無色透明無味無臭。夕食の受付で大女将からチューリップの折り紙を頂いた。朝食の開始時間が、観光ホテルには珍しく6時45分からと早めなのが、アウトドア派の私達には嬉しかった。1泊2食付一人13,800円(税込)は妥当な料金だと思う。
 外部サイトへリンク 「青島グランドホテル」のホームページ

 佐知子の歌日記より
 一時代前のハネムーンロードかなヤシの並木と青島の宿
 これは何? 巨岩奇岩を見上げたり双石山
(ぼろいしやま)は不思議なオブジェ



小さく見える針の耳神社
天狗岩をトラバース
九平から小谷登山口へ向かう途中で撮影
県道27号から双石山の一角を望む

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