九州南東部・4日間の山旅日記 その① No.467 大浪池(おおなみいけ)一周 令和5年(2023年)11月26日 |
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→ 地理院地図(電子国土Web)の該当ページ(大浪池口)へ 第2日目(11/27)=霧島温泉…えびの高原・池めぐり…都農 第3日目(11/28)=都農…尾鈴山登山…青島 第4日目(11/29)=青島…双石山登山…宮崎空港…東京 ※移動はレンタカー 羽田空港から朝一便のMCC(ソラシドエア)宮崎行に搭乗。機窓からは富士山が雲海の隙間によく見えている。…その雲海に飛行機の影を囲むまぁるい虹が架かっている。ブロッケン現象だ。幸先の良い出だしで私も妻の佐知子もニッコリだ。 宮崎空港からは日産レンタカーの小型車に乗り、カーナビに従ってえびの高原を目指す。硫黄山の噴火警戒レベル上昇に伴う県道1号線(小林えびの高原牧園線)の一部通行止めの影響で、鹿児島県側(南側)からのルートをカーナビは示している。時間的には気にするほどの差はないようだ。それにしても、カーナビに最新の道路情報もインプットされているなんて、ICT(情報通信技術)の急速な進歩にはいつも驚かされる。私の古い頭ではとうていついていけない…。 南回りのアプローチのおかげで、車窓からはあの懐かしの(両肩の張った)高千穂峰(たかちほのみね)の山容を見ることができたし、その登山口でもある高千穂河原を垣間見ることもできた。実際、なにが幸いするかなんてわかったものじゃない。 えびの高原の少し手前(南側)の道路(県道1号)に沿った大浪池登山口駐車スペースに車を止める。きょうが日曜日ということもあるのか、殆ど満車状態だ。登山口にある「霧島山生物群集保護林」とか「霧島山ジオパーク・大浪池」と題した解説板をじっくりと読んでから、近くの避難壕内に張ってある各種の説明文もざっと読んで、まずは予習をする。それから、ちょうど午前11時00分、おもむろに歩き始める。道は石畳などできれいに整備されていて、街中を歩いているような歩きやすさだ。やっぱり観光地だなここは、と思う。 ミズナラ、アカマツ、モミ、それからヒメシャラ、ハリギリ、ネジキ、ツツジ類、などの目立つ明るい樹林帯を登る。林床の背の低いササはミヤコザサ、だろうか。葉裏に毛があって冬期の葉縁が白くなっているのはその特徴だけれど、節がそれほど球状に膨れていないのが気にかかる。ミヤコザサの近縁種かもしれない。…などと植物学者を気取って歩くのも楽しい。 40分足らずの登りで…あっという間に…大浪池口に到着。展望が大きく開け、眼下に大きくてまぁるい大浪池が広がり、その外輪の奥には韓国岳(からくにだけ・1700m)が聳えている。ここに建つ大浪池園地休憩所(ガイドブックによると2020年6月完成)前のベンチに腰掛けて、昼食のアンパンとジャムパンを齧る。ひんやりとした風が気持ちよい。佐知子のザックに括り付けられたミニ温度計によると気温摂氏13度。山歩きにはちょうどいい陽気だ。…軽装の観光客の大半はここから引き返す。 大浪池口から時計回りに池の外輪を一周する。こちらはよく整備された登山道(遊歩道)といった風で、行き交うハイカーも大分少なくなって、とてもいい感じ。所々の展望所からは霧島連山が見渡せる。近くの大浪池や韓国岳はもちろん、新燃岳(しんもえだけ・1421m)の火口や遠く鹿児島湾に浮かぶ桜島なども見える箇所もある。 大浪池口の対岸に位置する韓国岳避難小屋の建つ分岐(鞍部)で小考する。ここから日本百名山の1座でもある韓国岳の山頂までのコースタイムは1時間。山頂を往復してみたいけれど、もしかして私達の鈍足では下山時に日が落ちてしまうかもしれない。韓国岳には一度登っているし(→No.101「霧島山」)、まぁ危険は避けよう、ということになった。やっぱし。 ゆっくりと歩いて、大浪池の外輪一周は正味約2時間。マンサクやミヤマキリシマなども疎に茂る箇所を抜けて大浪池口へ戻って、来た道を下って県道1号線沿いの登山口駐車場に着いたのは14時50分頃だった。ほどよい疲れがこのコースの良さを物語っている。 ※ この日の歩数計: 15144歩 * 大浪池について(補足): 霧島山の火山活動によって約4万年前に形成された透明度の高い火口湖で、水面標高は1241mで水深は11.6mとのことです。そのまぁるい池の直径についてはウィキペディアでは630m、昭文社の登山地図のガイド文では直径約650m、大浪池登山口に設置された鹿児島県霧島市の解説板では(火口の)直径約1kmとなっており、なんか分かりにくい…。もしかして、大浪池の直径が630mで外輪山の直径が約1km、というのが正解なのかもしれない。 なお、私達が歩いた(大浪池一周の)外輪の最高点はその東側に位置していて、標高は1412mとのことです。なんでも、この池には龍神が棲んでいるそうな…。 霧島温泉「おやど花みずき」: 23年前(2000年3月)に歩いた霧島山とその麓の霧島温泉郷の景観が忘れられなくて、今回の山旅の1泊目に選んだのが霧島温泉だった。 「おやど花みずき」はえびの高原や大浪池登山口からは車で10分~15分程度の距離にある、割とこじんまりとしたシックな温泉宿。泉質は塩化物泉(低張性、弱アルカリ性)、泉温49.1℃で源泉掛け流し。内湯も外湯も貸切風呂も、浴槽から滾々と湯があふれている。源泉は殆ど無色透明無味無臭だが、白色~茶褐色の「湯の花」がたくさん浮いているので、薄く濁って見えるのも情緒がある。料理の質も量も申し分なく、1泊2食付一人15,800円(税込)はまぁ致し方ないと思う。 「おやど花みずき」のホームページ 佐知子の歌日記より 優勝は大関霧島おめでとうに宿の人は笑む霧島温泉 |