房総屈指の名山、とは云うが…
《マイカー利用》 富山登山口(福満寺)〜仁王門〜富山南峰(観音峰)342m〜北峰(金比羅峰)350m〜伏姫ノ籠窟〜芝入口〜富山登山口-《車5分》-岩婦温泉(入浴) 【歩行時間:
2時間40分】
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富山 (H17年1月撮影)
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北峰にある関十一州一覧台からの展望は、晴れてはいたのだが、薄霧のためイマイチ。東京湾越しに望める筈の富士山は見えなかったが、四方に広がる低山群の、房総独特の眺めはナカナカだった。
山里の美しい竹林を歩いているとき、ふと、私の「田舎」を思い出していた。竹林や杉林や低山麓のなだらかな谷間を縫う田園風景が、私の心にある故郷の原風景なのだ…。
それにしても…、汗を流して登ってみたら、そこに自動車が停まっていた、なんて、矢張り興醒めだな。山高きが故に尊からず、とは云うけれど…。
登山口からほど近い岩婦(いわぶ)温泉で汗を流してから家路についた。
* 富山(とみさん): 曲亭馬琴(滝沢馬琴)の「南総里見八犬伝」ゆかりの山。東京湾を隔てた三浦半島側から眺めると、鋸山(のこぎりやま)の右方に際立って見える双耳峰がこの富山。三等三角点のある北峰(金比羅峰350m)には展望台があり、四方の展望が広がる。鋸山の十州一覧台よりも眺めがよいといわれるところから、十一州一覧台と呼ばれているそうだ。シイやカシなどの照葉樹が多く、山麓では竹林も目立つ。早春には山の斜面のスイセンや麓のナノハナやツバキなど、多くの花に出合える。
電車利用の場合は、JR内房線の岩井駅から福満寺の登山口まで、車の多い県道を約30分歩くことになる。
蛇足ながら、八犬伝では「とやま」と記されているらしいが、この富山(とみさん)は富山県の富山(とやま)とは何の関係もないそうだ。
岩婦温泉「岩婦館」
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岩婦温泉「岩婦館」: 富山登山口からも岩井駅からも歩くと30〜40分の距離。岩婦(いわぶ)湖畔の南側に位置する小ぢんまりとした温泉宿。泉質はアルカリ性・硫黄泉、微かに黄土色。浴槽は小さめで、循環、岩風呂風。水温16度の鉱泉が井戸に溜まったものを汲んで沸かしているとのこと。泉質はけっこういいかも。食事などもできる待合室は庶民的でくつろげた。北岸にもう一軒の宿「伏姫荘」がある。
* その後(平成17年1月)、外房の烏場山(からすばやま)登山の帰路、再び同温泉へ立ち寄る機会を得ました。庶民的なムードは相変わらずで、ほんのりと硫黄の匂いのする温泉にまったりと浸かってきました。10年ぶりのことだったので忘れていましたが、蛇口をひねって出てくるお湯も温泉水を使っていました。湯量はそれほど多くはないらしいのですが、これが本当の贅沢というものです。女将は、最近お客が少なくなったとぼやいていましたが、泉質やロケーションに恵まれたこの温泉宿には、もっとがんばってほしいものだと思いました。
日帰り入浴料は一人700円(1時間以内の場合)でした。 [後日追記]
* そのまたその後(平成26年)、岩婦館は廃業したようです。非火山性の珍しい硫黄泉だったのに…、非常に残念です。
富山麓の竹林
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