「私達の山旅日記」ホームへ

No.10 竹寺(奥武蔵)
静かにしっとりと佇む・・・

「伊豆ヶ岳〜竹寺」の略図
  INDEX
@雨の竹寺 平成7年(1995年)3月
A竹寺で精進料理 平成16年(2004年)12月、他
B竹寺から子ノ権現 令和5年(2023年)4月
C竹寺で忘年会 令和5年(2023年)12月
 ※ 伊豆ヶ岳の山行記録へ

 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ


@雨の竹寺 平成7年(1995年)3月25日〜26日第1日目:雨第2日目:小雪

西武池袋線飯能駅-《バス40分》-中沢〜竹寺〜小殿-《バス5分》-名栗川橋〜名栗温泉(泊)〜名栗湖〜河又-《バス45分》-飯能駅 【歩行時間: 第1日=1時間50分(第2日=1時間10分)】

 閑静で落ち着きのある良い処…。雨の竹寺は静かにしっとりとたたずんでいる。
 傘を差しながら鐘楼堂に登ってから、八幡坂を小殿(こどの)へ下っているときのことだった。冷たい雨は相変わらず降っているのに、不思議なことに一瞬霧が晴れて、雨ともモヤとも云えぬような白い筋が、名栗の谷のあちこちの山間を這い上がっていく光景を見た。何とも幻想的な、美しい景色だった。
 この日は名栗温泉に宿をとった。

 夜のうちに雨が雪に変わったようだ。

 翌朝、宿の窓から見下ろすと、家々の屋根や小道などがうっすらと雪化粧…。モノクロームの美しい景色を、暫くの間、眺めていた。
 予定していた棒ノ折山登山は中止して、アスファルトの道を傘をさして名栗湖まで歩いてみた。茶店など、流石に閑散としていた。
 何時の間にか、雪はみぞれに変わっていた。

竹寺本殿の茅の輪(H16年12月撮影)
鳥居の茅ノ輪
* 竹寺(医王山薬寿院八王寺): 埼玉県奥武蔵自然公園内、標高490mに位置する。竹林に囲まれた閑静な天台宗の山寺。山岳信仰の道場(霊場)として千年余の歴史を有する、とのこと。明治元年の神仏分離令を逃れ、神仏習合の姿を今に残す東日本唯一の珍しい寺。檀家がないので葬式を出さない、というのも変わっている。武蔵野三十三観音霊場(平成14年は開創60周年)の結願寺でもある。
 「奥武蔵俳句寺」としても有名とかで、住職の話しを聞きながらの精進料理(要予約)といい、ユニークなお寺ではある。本殿手前の鳥居に設けられた大きな「茅ノ輪(写真右)」や参道にある竹製の鳥居が面白い。
 * 本殿(牛頭天王本宮)は、この4年後(平成11年2月6日)に焼失。平成15年に再建されました。[後日追記]
 外部サイトへリンク 「竹寺」のホームページへ

名栗温泉「大松閣」: 名栗川の支流沿い、棒ノ折山の東に位置する。5階建ての最上階が牽牛・織姫の大浴場と露天風呂。玄関右手には檜風呂。放射能泉(ラジウム鉱泉・低張性アルカリ性冷鉱泉)。入口に若山牧水の歌碑があった。
  「大松閣」のHP

雨の竹寺は静かに佇んでいた・・・
雨の竹寺(瑠璃殿)
小殿への下り、一瞬霧が晴れた。
小雨に煙る小殿


A竹寺で精進料理
仕事仲間の若人たちと: 平成16年(2004年)12月11日 晴れ
山の仲間との忘年会で: 平成18年(2006年)11月18日 薄曇り

西武池袋線飯能駅-《バス40分》-中沢〜竹寺〜小殿-《バス45分》-飯能駅 【歩行時間: 1時間50分】

H16/12/11 中沢〜竹寺にて
紅葉が絶好調!
H16/12/11 総勢10名
竹林を歩く
* 何れもとても楽しいグループハイキングでした。
 下山後は小殿から飯能行きのバスを途中下車して名栗温泉「さわらびの湯」に立ち寄りました。
「さわらびの湯」については「伊豆ヶ岳」の項を参照してみてください。
裏手からの撮影です
再建後の本尊(牛頭天王)
H18/11/18 総勢5名
竹寺の精進料理
@4,000円コースです


B竹寺から子ノ権現 令和5年(2023年)4月18日(火) 薄曇り

右手前は枝垂桜
子ノ権現(本堂)

丁字草:キョウチクトウ科の多年草
チョウジソウ(準絶滅危惧種)
行程: …西武池袋線・飯能10:25-《名郷行きの路線バス》-10:46赤工-《竹寺の送迎バス約10分》-竹寺490m・精進料理〜豆口峠〜子ノ権現(子ノ山640m)〜16:00西吾野…【歩行時間: 約3時間】

 いつものメンバー(夫婦)でぶらっと出かけました。竹寺へは赤工(あかだくみ)バス停から無料送迎バス(精進料理予約の客のみ)を利用しましたので、割と楽な一日になりました。
 竹寺の竹林を愛でたり、住職のお話しを聞きながらの久しぶりの精進料理に舌鼓を打ったり、本殿(牛頭天王本宮)などに参拝したり…、まったりと雅な世界を堪能してから、北へ向かって子ノ権現までミニ縦走です。
 今回コースの殆どがスギ・ヒノキの植林地帯、というのがちょっと残念です。とはいえ、人工林の切れ目の僅かな区間の(コナラやモミジ類などの)落葉広葉樹林は、明るくて眩いばかりの新緑です。足元に咲いていた花は案外と少なくて、タチツボスミレ、サワハコベ、植栽されたチョウジソウ、そして赤い花びらのようなアセビの新葉…、などが目についた程度でした。
 下山後の温泉入浴について、この日は大失敗をやらかしました。西吾野駅からほど近い「休暇村奥武蔵」に立ち寄って入浴する予定でしたが、例によって、事前の調査不足。立ち寄り入浴の受付(平日のみ)は14時30分まで、とのことで、アウト!でした。
 帰路の西武池袋線(飯能→池袋の区間)は“アルミの宇宙船みたいな…”特急ラビューに乗りました。現在は、西部新宿線を走るのが特急レッドアロー号で、西武池袋線を走るのは(2019年3月16日にデビューしたという)特急ラビュー号、とのことです。

 佐知子の歌日記より
 帽子からはみ出る白髪のご利益かラッシュアワーに席譲られて
 竹寺の筍づくしの昼食にわが味付けとの違いたのしむ

豆口峠からの登り返しがけっこうきつい
スギ・ヒノキの植林地帯を進む(竹寺〜子ノ権現)

※ 子ノ権現を訪れたときの私達の山旅日記です。
伊豆ヶ岳  飯能アルプス



B竹寺で忘年会 令和5年(2023年)12月8日(金) 晴れ

西武池袋線飯能駅-《竹寺の送迎車・約30分》-竹寺(精進料理)〜小殿-《バス5分》-さわらびの湯(入浴)-《バス40分》-飯能駅 【歩行時間: 1時間20分】

今回の参加者は10名
竹寺本坊脇にて
 山の仲間たち(山歩会)との忘年山行で奥武蔵の竹寺へ行き、精進料理を戴いてきました。食後は本殿や鐘楼堂などを見物して、小殿(名栗渓谷側)へ下り、「さわらびの湯」に立ち寄りました。
 12月も中旬が近いというのに、紅葉がまだ見ごろだったのには驚きました。冗談ではなく、そのうちほんとうに、ホワイトじゃなくて紅葉クリスマスになるかもしれません。
 とはいえ、竹の葉が明るくてきれいな黄緑色で、これが若竹色というのでしょうか、「竹の春(*)」を実感して感動しました。
 帰路に立ち寄った「さわらびの湯」の周囲では十月桜(冬桜)が未だ見ごろでしたが、これも驚きでした。
 来年もよろしく、と、少し早いですが、笑顔でみんなと挨拶をしあって、三々五々に別れました。

* 竹の春: 季語では、春の竹を「竹の秋」、秋の竹を「竹の春」と呼び区別しているようです。竹は、筍の出る時季に栄養を奪われて衰えて黄葉します。なので「竹落葉」は夏の季語になります。一方、秋になると勢いを取り戻して…筍も大人の竹となり…青々とした若葉を茂らせます。これを「竹の春」と云っています。…つまり、普通の落葉樹などとの季節感は真逆になります。
 竹の蘊蓄について、木本なのか草本なのか、という古典的な問いかけもあります。便宜上木本に分類されることが多いですが…、そうですよね、竹は木でもなく草でもなく、竹はタケなのですよね。
 一斉に開花する周期が超長い…モウソウチクの67年周期説やマダケの120年周期説など…何れにしてもミステリアスな植物ですね、タケって。

このページのトップへ↑
No.9「顔振峠から大高取山」へNo.11「三浦半島渚コース」へ



ホームへ
ホームへ