|
秋晴れの土曜日の午前10時35分、高原列車・JR小海線の乙女チックな駅舎・野辺山駅前から歩き始めます。駅前にはJR最高地点の駅(標高1345m)であることを示す石柱が立っていました。
ちなみに、JR駅の標高ベスト10の1位から9位までがこの(八ヶ岳の東側を南北に走る)小海線にあり、10位が(八ヶ岳の南西に位置する)中央線の富士見駅だそうです。
風がとてもさわやかで、ウキウキします。(*^^)v
|
|
小海線に沿って、コスモスの咲く高原の里道を西へ進みます。道端には、牧場が近くにある関係でしょうか、明治以降に牧草として移入されたという、これも外来種のアカツメクサ(=ムラサキツメクサ=赤クローバー)が目立っています。コマツヨイグサやゲンノショウコなども咲いています。
(この写真の)右側に八ヶ岳がドカ〜ンと見えるはずなのですが、生憎とその方向には雲が出ていました。
(まだ)元気なT君は、どんどん先へ歩いていきます。
|
|
鉄道最高地点(標高1375m)に位置する踏切です。この写真の右側には「鉄道神社」がありますが、その神社の御神体がレールと車輪、というのか愉快です。
この踏切を渡って左へ曲がれば平沢峠(飯盛山の登山口)方面なのですが、じつは、ここで私たちは道を間違えて真っ直ぐに進んでしまいます。のほほんと10分間以上も歩いてしまって、なんか方向が違うみたいだねえ、何時の間にか道が下っているねぇ、…などと、ようやく気がついて引き返した次第です。(^_^;)
|
|
やがて道の両側に高原野菜の畑が広がります。外国人らしい(若い)男性が数人で畑仕事をしていました。とてものどかな風景です。
今回のコースはアスファルト歩きが長いのが短所だと思いますが、野辺山や清里などの高原を歩く静かな里道なので、それほどストレスは感じません。
しかし…、道迷いをしたり、そもそも(満席の「あずさ1号」を避けたせいで)スタートが遅くなってしまったこともあり、当初計画の予定時間がずれ込んでいます。…でも気にしない。それでもまだまだたっぷりと時間は残っています。
|
|
ここが平沢峠にある飯盛山の登山口で、岩の階段に腰掛けて、(雲を被った)八ヶ岳方面を眺めながら昼食にしました。辺りにはマツムシソウがきれいに咲いています。T君は例によってギタギタのトンカツ弁当。私はコンビニのおにぎり二つです。
この写真の手前側には獅子岩があり、大きな駐車場もあります。平沢峠は絶景ポイントで、ナウマン博士によるフォッサマグナ発想の地でもあります。
登山道へ入ると、行き交う家族連れやアベックのハイカーが俄然増えてきます。流石に初秋の土曜日です。
|
|
カラマツ、シデ類、ツツジ類、ハウチワカエデ、マユミ、ミズナラ、リョウブ、アカマツなどの明るい林をゆっくりと登ります。林床の主人公はミヤコザサのようです。その林を抜けるとのびやかな山稜へ出て、展望が開けます。
足元を飾る花はアサマフウロ(左の写真)、アキノキリンソウ、ハハコグサ、ハナイカリ、ツユクサ、マツムシソウ、アザミの類、ノギクの類など、けっこう多彩です。もう少し季節が早いと、ニッコウキスゲの花も見ることができるそうです。
|
|
平沢山など、これも展望の良い伸びやかな尾根道をゆるやかにアップダウンして進み、下山路(清里方面)への分岐を直進すると間もなく飯盛山の山頂です。
牧場だったことや西風が強いことなどが理由でしょうか、辺り一面(山稜)はずっと草原で、展望を楽しむにはもってこいのロケーションです。昔からのハイキングのメッカということもあり、登山道(遊歩道?)は驚くほどによく整備されています。…それが良いことなのかどうかは、別問題ですが…。
|
|
飯盛山の山頂は、あのもっこりとした山容からは想像できないほどの(植生保護のためのロープが張り巡らされた関係で)狭いピークになっています。展望はもちろん1点360度ですが、休憩するなら、なだらかな草原の鞍部や平沢山の山頂部のほうが向いているようです。
この日は残念ながら南アや八ヶ岳方面は雲に隠れていましたが、佐久の山々や奥秩父前衛の山々はよく見えていました。金峰山の五丈岩や瑞牆山の大ヤスリ岩が、その方向をじ〜っと見つめていたら、薄靄の隙間からチラッと見えました。それはそれで感動です。
|
|
広くてなだらかで歩きやすい“遊歩道”を快調に飛ばします。この下山路にもアサマフウロが随所に咲いていましたが、それがとても贅沢に感じます。
飯盛山の山頂から1時間足らずで里に降り、平沢の集落を抜けて大門川に架かる平沢橋を渡ります。この大門川は私にとっては思い入れのある川で、赤岳の東側(あの県界尾根と真教寺尾根の狭間=大門沢)に端を発しています。大門川は須玉川〜釜無川と名を変えて笛吹川に合流、富士川となって駿河湾(太平洋)へ流れ込んでいます。
←平沢橋から大門川を見下ろす
|
|
大門川の(平沢橋からの)上流に位置する「宮司の滝」や下流に位置する「千ヶ滝」の見物は(時間の関係で)次回の楽しみにして、清里駅へ着いたのは午後3時半頃。T君はちょっと疲れ気味でしたが、今回のトレイルは日本で1番高い野辺山駅から2番目に高い清里駅までを歩いたんだよ、と云ったら、少し嬉しそうな顔をしました。
清里駅構内のキヨスクで飲んだ濃いビン牛乳が(200円でチト高かったけれど)とても美味しかったです。
←清里駅から飯盛山方面を望む
|