No.67 戦場ヶ原自然研究路 「もうひとつの日光」を楽しむ |
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→ 地理院地図(電子国土Web)の該当ページ(赤沼茶屋)へ 朝からの雨が上がって晴れ間も出た。男体山が(やっと)見えた。高低差のほとんどない、さわやかな湿原の桟道コース。笹の原や、ハザキシモツケソウの群落の中や、一面のススキの原を歩く。クルマユリ、ノアザミ、ハクサンフウロなども咲いていた。
子供の頃から何時かは歩いてみようと思っていた戦場ヶ原。ささやかな夢のひとつが叶った。何時か又来ることがあるだろう、と予感した。 * コースについて補足: 私達夫婦が歩いた戦場ヶ原の北側には「湯滝」があり、南側には「竜頭の滝」がありますが、この二つの名滝へ足を伸ばすとハイキングがもっと充実したものになるかもしれません。二つの滝を結ぶコースの歩程はプラス約40分で、この場合の総歩行時間は約2時間30分になると思います。 国道120号線を中禅寺湖辺りで引き返してしまうか、金精峠方面へ通過してしまう観光ドライバーがほとんどですが、この戦場ヶ原や隣接する小田代ヶ原などに立ち寄って、とにかく歩いてみないと、奥日光の本当の良さは分からないんじゃないかな、と思います。老婆心ながら…。 * 戦場ヶ原の伝説: 昔、赤城山の神と男体山の神が中禅寺湖の利権をめぐって戦をしたそうな。赤城山の神は大ムカデとなり、男体山の神は大蛇となって、随分と長いこと戦っておったが、男体山の神が負けそうになった時、弓の名人の小野猿丸がムカデの眼を射って退散させ、逆転勝利をおさめた、そうな。 日光自然博物館のパンフレットによると、この戦いのあったところが「戦場ヶ原」で、勝利を祝ったのが「歌ヶ浜」となっているけれど、私達の持っている古い百科事典によると、戦勝の宴を催したところが「戦場ヶ原」となっている。一体どっちが本当? まぁ、どっちでもいいか…。尚、大ムカデの流した血が溜まったのが「赤沼」で、勝負が付いたのが「菖蒲ヶ浜」、なんだそうだ。 * 2年後の平成12年6月[男体山登山]、及び13年後の平成23年10月[竜頭の滝から戦場ヶ原]に、再び戦場ヶ原を訪れる機会に恵まれました。参照してみてください。[後日追記]
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Part2 竜頭の滝から戦場ヶ原 数日前、日光の竜頭(りゅうず)の滝周辺が紅葉の旬に入ったとテレビのニュースが云っていた。で、赤沼からのアプローチ予定を急きょ変更して、まず竜頭の滝を見物してから歩き始めることにした。10月の「山歩会」定例山行である。 浅草を午前9時発の特急「きぬ105号」に乗車すると、東武日光駅からバスで竜頭の滝に着くのはちょうどお昼の12時頃になる。テレビで見たのと同じ鮮やかな紅葉を愛でながら、途中で買ってきた駅弁を食べる。高曇りで明るくて、お天気はまぁまぁだ。メンバーの殆どは過去に数回竜頭の滝を観光しているが、私は、多分、初めてだ。小学生の修学旅行で、もしかしたら来ているかもしれないが、もしそうだとしても全く忘れている。もう半世紀も昔の話だもの。 竜頭の滝は“湯ノ湖に端を発し戦場ヶ原を流れ下ってきた湯川の末流にかかる滝(Wikipedia)”で、その長さはなんと約210メートル。まるで巨大な龍が地を這っているような荘厳な滑滝だ。しかし、その龍頭部分が正面に望める観瀑台まで行って、そこから引き返す観光客が多いというのはとても勿体無いことだと思った。何故ならば、その右奥から戦場ヶ原へ続くハイキング道(東側面の散策路)がとても素晴らしいからだ。豪快な滑滝の景観(龍の胴体に当たる部分)が見どころで、ミヤコザサを床にしたミズナラの林がとても爽やかで静かだったのだ。 湯川に沿った遊歩道をさらに遡り、草紅葉の戦場ヶ原を通過する。侵入してきた若いシラカバの林などを通り抜けたりするが、この地が鬱蒼とした森林に遷移するのはそう先のことではないかもしれない、と思えるほど、確かにこの地の乾燥化は進んでいるようだ。 木道では、何校もの小学生の団体と抜きつ抜かれつ、すれ違ったりした。休憩中にいっしょになった男性ハイカーが 「小学生に紅葉の良さやシブさが理解できるものか。オフシーズンに来ればいいのに。ったく、賑やかでうるさいなぁ」 と憤慨していたが、それじゃあんまり小学生が可哀そう。彼らだって、美しいものは美しいと、きっと感じていると思う。 国道120号(金精道路)を横切って、光徳牧場へ続く遊歩道を進む。この遊歩道(山道)は光徳温泉方面へのバス通りとほぼ並行しているのだが、歩くならばこっちのほうが気分がいい。光徳沼の脇を通り、光徳牧場で草を噛む牛たちを眺めたりして、午後3時40分、あっという間に今日の宿・光徳温泉「日光アストリアホテル」へ着いてしまった。平坦だけれど変化に富んだトレイルだった。 明日の切込湖・刈込湖への紅葉狩りハイキングも楽しみだ。
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