所蔵「バイファム」関連出版物紹介
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目次
Vd: 2012.8.4
『テレビえほん』感想
表紙:バイファム、クレア、ロディ(前半のデザイン)、バーツ
p.1, 2:
スーパーロボット
バイファム
(ジェイナス号、バイファム、ネオファム、ディルファムの絵。
ジェイナス号のみ設定画(真横から見た図)を一部彩色したもの。)
p.3, 4:
みんなで13人!
力を合わせて
敵と
たたかうぞ!
(13人の絵。全て設定画)
p.5, p.6:
("NEVER GIVE UP"1番の歌詞)
(バイファム、こがたシャトル、パペットファイターの絵。バイファムのゴーグルの正面の影がない。
以後最終ページで復活するまでずっとない。)
バイファムしゅつどう!
こうげきだ!
それいけ ロディ!
p.7, 8:
("NEVER GIVE UP"2番の歌詞)
(オール オーバー、ウェア・パペット、バイファム、ネオファム、ディルファムの絵)
いせいじんを
むかえうて!
p.9, 10:
いせいじんの
そうこうげきが
はじまった
(いせいじんのロボット ウグ、いせいじんのロボット ジャーゴ、てきのゆそうてい)
p.11, 12:
リニアガン はっしゃ
ウグに めいちゅうだ!!
(どう見てもジャーゴに命中している)
p.13, 14:
かったぞ!!バイファム
みんなの かおに
えがおがもどった!
(13人とバイファム。13人は一部設定画)
裏表紙: バイファム
栄光社のてれびえほん28『銀河漂流バイファム』栄光社, , 280円。(絶版)
Vd: 2001.2.18
『らでぃっく』感想
僕が古本で購入したとき、封筒と袋がついてきた。封筒はB4が入る大きさで、イラストが印刷されている。K. TADANO(不明)、T. ASHIDA(大人のロディ?)、H.WATANABE(まみちゃん(当時彼が連載していた漫画の主人公))、H. MATSUSHITA(12歳くらいのルチーナ?)。袋は透明なセロハン製で、CDをを包装するのに使うようなやつだ。表面に、CDなら初回特典を示すラベルが貼ってあることがあるが、それと同じように内容を紹介するラベルが貼ってある。
いくつかの企画は『らでぃっく2』に受け継がれている。特定のアニメーターを取りあげる特集(「2」では縮小気味だが)、アニメーターの昔と今の絵の比較、自己紹介、ライブ社史、アニメーター同士の座談会など。
以下、主に「バイファム」関連のみ紹介。
VOL.1
表紙: ロディとルチーナ(芦田豊雄)。特集: 渡辺浩。
カラーイラスト: マキとルチーナ(山内則康)。よくわからないポーズ。一見、西島克彦っぽい絵柄。
君たち ちょんまげ いんどり どじん だね(まつしたひろみ): 「バイファム」のパロディ漫画。絵柄が本編そのまま(当たり前)。ジミーの目が笑える(この文、既視感が…)。
バイファム初期設定集 その1: ロディ、フレッド、ペンチ、オールオーバー、パペットファイター。ロディ、あるいはスコット、いずれにせよ主人公用の設定は「これでも14才(!)という設定に非難の声が燃え上がりかなり大幅に改定を余儀なくされました」とあり、実際、ロディともスコットも似てもにつかない。初稿はバタくさい。
フレッド、ペンチはほとんど変わらず。
VOL.2
表紙: モモ(わたなべひろし)。特集: 只野和子。
カラーイラスト: クレアとルチーナ(宮嶋堅)。クレアの表情がいい。ちょっと近永健一っぽい。
バイファム初期設定集 その2: マキ、バーツ、ケンツ、ジミー、シャロン、カチュア、宇宙用スーツ。マキの初稿はそばかすがあるようにも見えるが真相不明。「帽子を取るとこんなにかわいい」とラフ稿にあるということなので、いわゆる眼鏡っ娘的な扱いのつもりだったのかもしれない。やるなら物語後半のバーツとの場面でやってほしかった。
バーツはロディ以上に変化している(「ロディほどではありませんが」と書いてあるがそんなことはない)。初稿はカレー食ってそうなタイプ。ある種ケンツ。
ケンツとジミー: ジミーの顔にでかい鼻をつけた、童話の絵本に出てきそうなキャラが共通の元らしい。ケンツの設定は一部初期のバーツから持ってこられた。
シャロン、カチュアは初稿なし。
バイファム何をいまさら座談会: 植田益朗、星山博之、平野靖士、近永健一、吉松孝博。ライブの出席者が当時新人の2人なのはいまいち解せない。キャラの過去の回想はやらないと明言している。実際にはクレアとバーツで多少なりともやっているわけだが、「バイファム」単体で見ればこれは正解だったと言える。イラストが笑える。カチュアがロディの指をくわえるシーンは、異星人の血を吸うという「深遠なテーマ」だったらしいが、僕は読むまでわからなかった。
男と女のある風景: パロディ漫画。NEKOMANMA氏による。明らかに『原画集』の漫画と同じ人だが正体不明。コンセプトもだいたい同じ。
裏表紙: バーツとマキ(芦田豊雄)。マキの首がやや長めか? そのせいか大人っぽい。
VOL.3
表紙: 13人(只野和子)。Op.のある画面をSDキャラでやった感じ。ジミーはSDにしなくてもそのままかも…。特集: 西島克彦。
カラーイラスト: (最終回の)ロディとフレッド(神志那弘志)。笑える。バイファムと「シャイダー」のアニー(西島克彦)。下品。
西島克彦徹底よいしょ: 「バイファム」本編で使われた原画がさりげなく下品にアレンジされている。
芦田豊雄の九千流アニメ塾: 「バイファム」のどうしようもない脚本(のだ ますみ)に絵コンテと原画を作成させて、それを芦田豊雄が評価する。絵コンテは奥田誠治、矢野淳、原画は小林早苗、松村靖之、近永健一、山内則康。コンテ原画の順が間違っているとお詫びしてあるが、わざとの気がする。どこまで冗談でどこまで本気かわからないのが笑える。手間暇かけているのは間違いない。
バイファム初期設定集 その3: スコット、クレア、マルロ、ルチーナ、ラウンド・バーニナン、宇宙船(ジェイナス)。スコットは初稿では「名前がジミ夫」だったそうだが、これは仮のものだろう(多分)。しかし14才には見えない。しかも思いっきりブ男。
クレアは「この頃は、胸も大きくヒロインになる予定だったそうです」と書かれているが、つまりヒロインじゃないってことなんだろうか。胸の大きさとヒロインの関係は?
ルチーナ、マルロは当初6歳だった。ルチーナは初稿ではミカ。既にマキがいるから変えたのか? 少なくとも初稿ではマキより日本人っぽい。
『STUDIOライブの本 らでぃっく』スタジオライブ, 昭和59年, 全3冊。(定価不明、絶版)
Vd: 2001.2.11
『ミンディ・ゾーン みんだ☆なお作品集』感想
今は亡き出版社の今は亡き雑誌の増刊号。基本的にはパロディ集。「バイファム」以外も含む(「モモ」、「メモル」、「Ζ」、「ダンクーガ」など)。再録作品がほとんどだが、中には媒体が同人誌だったものもある。まとめて読むことで面白さが増すかも(?)。「バイファム」絡みは以下の通り(カッコ内は初出誌)。
- すぱぁくりんぐ・ばいふぁむ PART1
- 第18話あたりまで。ネタはいまいち。
- すぱぁくりんぐ・ばいふぁむ PART2
- 第3クールいっぱいくらいまで。笑える。
- すぱぁくりんぐ・ばいふぁむ PART3
- 後日談ネタあり。PART1よりは笑える。
- すぱぁくりんぐばいふぁむ――消えた12人編――
- ジミーの目玉ネタは笑える。
- すぱぁくりんぐ・ばいふぁむ――ケイトの記憶・涙の奪回作戦編――
- いまいち。
- ぽくぽくまきちゃん(昭和60年2月同人誌「マキちゃんBOOK赤ラベル」)
- 不条理?
- めがね(描き下ろし)
- 「うる星やつら」じゃなくて。ペンチ主役のショート・ショート。ほのぼの。OVA#4の前日談。
- みんだ☆なおのお絵描き教室(アニメック昭和59年12月号別冊「銀河漂流バイファム」)
- 実は一番笑えるかも。
評価は当然ながら個人的なもの。
上記以外の初出は以下の通り。これらは収録に当たって改題、再編、描き足し等を行っている(p.195注記)。
- すぱぁくりんぐ・ばいふぁむ(1): アニメック昭和59年5月増刊号「まんがアニメック(2)」
- すぱぁくりんぐ・ばいふぁむ(2): アニメック昭和59年8月増刊号「まんがアニメック(3)」
- すぱぁくりんぐ・ばいふぁむ(3): アニメック昭和59年10月増刊号「まんがアニメック(4)」
- すぱぁくりんぐ・ばいふぁむ・スペシャル: アニメック昭和59年12月号別冊「銀河漂流バイファム」
- ぶるどっきんぐ・ばいふぁむ: 「月刊アニメック」昭和59年5月号
- おまかせ! すぱぁくりんぐ・ばいふぁむ: 別冊月刊OUT昭和60年6月号「アニパロコミックス9」
- それゆけ! マキちゃん: 昭和60年2月同人誌「マキちゃんBOOK赤ラベル」(単行本でどの作品になったのかいまいち不明)
みんだ☆なお『ミンディ・ゾーン みんだ☆なお作品集』(月刊OUT4月増刊号), みのり書房, 昭和61年, 580円。(絶版)
Vd: 1999.5.8
『講談社ポケット百科シリーズ37 アニメスペシャル4 銀河漂流バイファム』感想
「テレビマガジン・アニメスペシャル」ということになっている。表紙は長谷川正幸となっているが、誰だろう?
この本も目次がない。よって順を追って適宜見出しをつけながら説明する。
カラーページ
いきなり「宇宙用機動メカラウンド・バーニアンとは?」で始まる。地球側RVとトウィンクルヘッドなどのメカニック解説。FAM-RV-Sとして、地球本星で使われている別カラーのバイファムを掲載。ネオファムの宇宙用と地上用の違いにも言及している。「転用する場合は装備の全面換装が必要である。本体の規格重量は、宇宙用は地上用の約半分まで軽量化されているが、全装備重量ではほぼおなじになっている」。……よく分からん。ネオファムのライフルはバイファムと同じタイプだが荷電出力が少ないそうだ。ジェイナスの解説文によると、第一船体(お椀型の部分?)両舷にRV発進デッキがあることになっている。その後、子どもたちを見開きで紹介(写真は第23話最後のもの)。そして「ククトニアンのひみつ」、「リフレイドストーンとは?」を2p.で解説した後、ARVへ移る。「四脚浮遊戦車」まで載っけている。
さらに「小田雅弘のプラモガイド」でプラモを解説。トゥランファムはオレンジ色の「大河原先生のオリジナル」塗色となっている。
地球連邦軍ラウンドバーニアン発達史
ここからモノクロ。モノクロページ全体は「銀河漂流バイファムそのすべて」と題されている。
SUM(汎用宇宙作業機器)からRVに至る過程。「統合本部」という用語は初耳? ガンダム式にポッドを上半身と下半身で挟み込む案の図はどっから持ってきたんだろう。正確に言うと、詩作一号機のほうが近いかも(でもRX-99(AFX-9000)とF-97(クロスボーン)ってほとんどバイファムだよね)。"FAM"は「連邦軍装甲機動機器」の略なんだそうだ。おそらく"Federal"、"Armored"、"Mobile"の頭文字をとったんだろう。
バイファムメカニックファイル
なぜかまたメカ解説。今度はモノクロの設定画を使ってということか。
バイファムキャラクターファイル
紹介文が設定書丸写しではないので結構参考になる。マキの「すがおは意外とかわいい」とか。ゲストキャラの紹介もある。ケイトだけはメインのうちに数えられている。
このあと、発達史からククトニアン側で同趣旨の解説を繰り返している。
『講談社ポケット百科シリーズ37 アニメスペシャル4 銀河漂流バイファム』講談社, 昭和59年, 459円。(絶版)
Vd: 1999.4.11
『MJマテリアル2 RVバイファム・スーパーメカニックガイド』感想
この冊子には目次もなければ、明確な章立てもない。以下の見出しは便宜的につけたもの。
表紙
大河原邦男・画のスリング・パニアーと盾を装備したバイファム。盾のデザインが少々違っていて、彩色されているのはどういうことなんだろうか?
地球側RV解説
ネオファムの宇宙用と地上用は「外観の違いはない」となっている。
小田雅弘によるRV発達史によると、恒星間飛行、それによる植民星開拓のために、全地球的な「統合本部が設立された」。RV以前にSUM(汎用宇宙作業機器)が開発され、それを基本にRVが考案された。RVは「あくまでも植民惑星開拓が本意」であり、宇宙・地上での建設作業を念頭に入れて採用された。
初の実用RVがネオファムで、「規格重量では、宇宙戦用は地上戦用の約半分となり、全装備状態でほぼ同じとなっている」。純宇宙戦用がバイファムで、そのコードのS1は「スペース1型」を表している。「メインカメラはネオファムの後期型から採用されたオーバーグラスカバータイプを踏襲している」。バイファムの開発過程で、三種の試作タイプが作られ、「XRVナンバーで、T4、T6、T7と呼ばれている」。T6は「パーフェクトメモリー」における、バイファム4(ディルファム3)であり、T7はバイファム5(ディルファム4)、ST7はディルファム5と同じデザイン。T4の絵はないが、ガンダム方式の脱出ポッドシステム(上半身と下半身で挟みこむ)を採用している。
トゥランファムはバイファムの性能向上型として製作され、「パイロットとガンナーを分離する事で攻撃能力を倍化させている」。
ジェイナスの解説では同型艦ということなのか、マーメイド号、バーニアン号、ヘルメス号が掲載されている。これらは順に「パーフェクト・メモリー」でのジェイナス1、2、3。「バージニアン」は企画当初でのジェイナスの名前。
その後はレーガンやシャトルなどの小物(?)メカ設定図を載せている。第1話で登場した探査機(クレアド星司令が乗っていたやつ)を見て、こいつは半重力装置搭載じゃないかと思えてきた。この形状で飛ぶのは……。
なお、ストーリー解説もある。
カラーページ
SUM1Aとして「パーフェクト・メモリー」のバイファム1。SUM-F3としてバイファム2(ディルファム1)が掲載されていたりと、初期デザインを色々と活用している。
この途中からARV側に解説が移るが、ウグ初期空間戦闘型、バザム初期型Aタイプ、ウグ初期型、ルザルガ初期型、ルザルガ重武装型、ガッシュ初期型、バザム初期型Bタイプ、ドギルム空間戦闘型、ドギルム初期型、ドギルム前期型、ズゴッホ初期型、ディロム初期型、デュラッヘ初期型、ディゾ初期型、ギブル前期型などRVバリエーションのオンパレード。しかもカッコ悪い。
さらに、オリジナルARVバリエーションとして、ウグ・コマンドスペシャル、強行偵察型ウグ・スペシャルWアームズ(4本腕!)、アストロゲーター高機動アタッカー(ザクレロみたいなの)などが掲載されている。
ARV解説
バザムには地上用と宇宙用があることになっている。
RVと同じく小田雅弘による解説つき。(地球側から見て)異星人との接触の辺りから話が始まる。ARVの名称は「通信会話の中から名称と思われる言語を呼称にあてていた」。面倒くさい、というかつまらないのでARVの発達史は省略。
ALL KIT CATALOG
ここだけ見出しつき。カバヤチョコボールおまけまで載っけている。
裏表紙
後期生産型トゥランファム、重換装スリングパニアー付バイファム、重戦車用ツインムーバ付バイファム、後期性能向上型ネオファム。重戦車とツインムーバとどういう関係があるんだろう!?
『MJマテリアル2 RVバイファム・スーパーメカニックガイド』1984, 280円。(絶版)
Vd: 1999.4.10
ジ・アニメ特別編集『銀河漂流バイファム』(2) 完結編感想
バイファムビデオセレクト
本来ならポスターが描かれていなくてはならない。表紙の見返しのところに折りたたんで綴じ込まれている。OVA#1, 2(1だけかも)の新作部分を集めている。
バイファムグラフィティ2
第26話以降のストーリーダイジェスト。13人がかわるがわる(マルロ・ルチーナは組み)解説する。トリはスコット。結構気合い入れて書いている文だ。ところどころに読者のイラストが入っている。
全バイファム名場面名台詞
後半に限らず全編からピックアップ。誤植が多い。名場面ばかりでもないように思う。
各話ストーリー&設定
「設定」を英語で"blue print"(青写真)と書いているが、本当だろうか? 何故かここでもストーリーを解説している。
バイファム・ウラ設定
「ウラ」ってほどでもない。文章による突っ込んだ設定。3部構成で、最初の「RV操縦法からククト星まで…」では、例えば、「後半の舞台タウト星の自然環境は…!?」は、明らかにククト星の誤りだが、それはともかく、
(……)植民星クレアドが、人の住む惑星では、イチバン太陽側なのだが、これが地球よりわずかに温暖だとすると、ベルウィック星、ククト星は、火星のような寒い星になる。
そのため、植物相(フローラ)は針葉樹ばかりの星としてある。イメージとしては、シベリア、カナダといったところだ。重力は少し軽く、一日の長さも短い。子どもたちは、最初は時差ボケになるとも言っているところが細かい。
動物相(フォーナ)は、極めて片よった感じで、牛、馬、豚、羊、鳥に近いものや、ペット的な小動物、人間に密着して暮らす、ゴキブリのような虫といったところで、猛獣はいない。こうしたククト星の設定は、本編の方でも、かなりの部分で生かされていたようである。
などとなっている。これ以外の設定は、ククト星の住民(捕虜)の人口以外は、コンピュータ、RVに関したことが主。エキストラ力線についての解説内容は「パーフェクトメモリー」に準じている。
次が「宇宙船ジェイナス号に関して…」。ジェイナスの通信回線の番号だけ特に挙げておく。これはこっちに。
最後が「ミューラァ、ククト軍、そして」。
バイファムイラストレーションズ
只野和子のイラストは、一体誰なのかさっぱりわからん。小林智子(2枚)はいつもの感じ。矢野淳のスコットはサングラスをかけてクレアとデートしている……んだろうか? 松村靖之のカチュアは袖をまくっていたりしてかわいい。大島城次のシャロンは頭がでかすぎる気はする。小林早苗は珍しく(?)渋いミューラァを描いている。
湖川友謙の第34話の挿入画を収録。よく見ると壁にかかっている絵はチャム・ファウなのかもしれない。
「初公開」となっているメインキャラクターの初期設定を見ることができる。ロディは「少々外人っぽいようで、大人びて見える」。ケンツは「本編より、少し美男子?」。シャロンは前髪が短いのと、袖口が日向小次郎みたいにまくっている。バーツは「まったく変化なしといった感じ」。ルチーナは「本編より幼い感じ」で、髪型も違う。マルロは本編より太め。フレッドは兄キにあわせて(?)、外人(白人)っぽい。ペンチは前髪がさらっとした感じ。ジミー、マキはほぼ変わらず。クレアは「ずっとお姉さんのイメージ」で、服装的に、上半身の線がもっとはっきり分かるんじゃないでしょうか。スコットは……すげえ美男子。
さらに「らでぃっく」の紹介も。「3冊セットで1200円」だそうだ。通販(もちろんライブ宛)だと、芦田豊雄のサインが入ったそうだ。「原画集」の告知もあって、「ジ・アニメ」12月号(1984年だろう)に出ているとのこと。
バイファム笑ワールド
暴走コーナー。
「バイファムNEWS」特別版
ぶらじる(注: 人名)からの挨拶、おたよりコーナーはまあいい。
「ブラジル」劇場。[前回までのお話] 戦乱で両親を失った少女、カチュア。彼女は遠い親戚の所へ預けられていた。しかし、この夫婦とその息子は、大変意地が悪く、美少女カチュアは、悲しい毎日を送るのでした。
[第五話 君の瞳はスープレックス]
朝日が昇る。小鳥達は小さくさえずり、遠くで始発電車の音が聞こえる。カチュアの三畳一間の小窓にも太陽は公平に射し込む。
センベイ布団にくるまり、カチュアは一時の安息に包まれる。シアワセ。久しく感じなかった幸福感がカチュアに訪れる。このまま消えてしまいたい……。
しかし安息の間も長くは続かない。突然! 鬼のような形相をした遠い親戚のおじさんが入って来た。
「くうらカチュア! いつまで寝ていやがんだ、このアマッコが!」
言うが速いかおじさんはカチュアのまとっていた貧しいフトンを引っぱがしました。
「キャア!」
しいたげられているカチュアには当然寝着(ねまき)などありません。下着姿のカチュアが有るだけです。思わずおじさんの目は一点にくぎ付けになります。
「おうおう、こんなに立派に育って、おじさんは嬉しいよ。」
よろよろと近づくおじさんに、カチュアは思わず抵抗してしまいます。
「いやあ!」
と言うが早いか[*1]カチュアの前蹴りがおじさんのミゾオチへ。うっとうずくまる所へジャンプしてのエルボーが肩口へ…倒れた所へ無理矢理力でロメロスペシャル[*2]、吊り天井固めへ持っていく。
「ギアアアア」
おじの叫びがボクボクという背骨のキシム音と共に家中に響きわたる。何事!?と現れたおばは、とっさに何が起こったか見てとると、
「このドロボウ猫めが!」
とまだロメロスペシャルを決めたままのカチュアに襲いかかる。とっさにカチュアは血の泡を吹いているおじさんを放り出し、おばをモンキーフラップで投げ飛ばす。
しかし、おばもさる者、壁に足をトンっと突くと、くるっと回って着地する。
「できる!」
カチュアは長い実践(ママ)経験よりおばの強さを膚(はだ)で感じる。ジリッジリッと間合いをつめる二人。フッ。突然おばの姿が消える。
「ハ!?」
一瞬目標を失ったカチュアの首スジにおばの秘技! 三角飛び。
「キャア(はあと)」
可愛い声を立てて崩れ落ちるカチュア。
「この! この! 小娘が!」
おばのチョーク攻撃[*3]。薄れゆく意識の中で、カチュアは死んでいった優しい両親の事を思い出す。思い出の中の両親の声。
「カチュア、ガンバルのよ。私達はいつでもあなたの味方。どんな辛い事でも勇気を持って戦いぬくのよ。」
幻の励ましの声。キッ! と目を見開き、オバ[*4]の顔へのストレートパンチ。
「ブ!」
血煙を上げながらふっ飛ぶオバ。ゼイゼイと胸を鳴らし呼吸を整えるカチュア。今のダメージは想像以上に大きい。
思わず書き写してしまったが、そういう小説。ここまでで大体半分くらい。しかし、下着姿で闘うカチュアの姿を想像すると――。
*1 その前の同じ表現と漢字が違っているが、原文ママ。――上村
*2 うつぶせに倒れた相手の太ももに、相手の頭の方を向いて乗り、相手の膝を自分の脚と絡めつつ、相手の腕を下から持ち上げて極める技(らしい)。――上村
*3 首絞め。――上村
*4 ここからカタカナ表記。――上村。
「バイファムNEWの正しいもらい方と、その実用例」。「実用例」が不明。あと日記と占いがあるけど、いちいち解説することもないだろう。
「バイファム」100人に聞きました!
「バイファム」について知っているか、街頭でアンケートするという無謀な企画。結果的には97人だが、それにしても、新日本プロレスの橋本真也、武藤敬司に聞いたりするあたり、すごすぎる。知っている人はほとんど「好き」という回答だったみたい。病院の看護婦さんとか、お医者さん、タクシーの運転手さんなど成人した人間にも聞いているので、そもそも知らないという回答や、無回答(無視される)もあったりする。
13人のメイン・キャストを紹介
そのまま。
植田益朗のプロデューサー日記(完結編)
話は13人の誰かを殺そう案の辺りから。「矢立企画部長」は「そう、誰かが死ななきゃ、ダメなんだよ」だそうだ。放映変更になった第24、25話は過去最高の視聴率だったそうだ。スタジオ総出でファンレターに返事を書いたということだ。結局殺さなかったことについて、「矢立企画部長」は打ち上げで「殺してりゃ、今ごろ大プロデューサー、大監督になっていたのに……」とのたまったそうだ。
我らバイファムの進行軍団!!
制作進行スタッフを集めて座談会。
バイファム・ミュージック・コレクション
「バイファム」各LPの紹介と「君はス・テ・キ」、"THE ASTRO ENEMY"の楽譜。
ムーヴについて、「バイファムが好きなミュ−ジシャンが集まってできたグループで、音楽活動はバイファムのレコードのみという謎のグループ。しかし、その音楽センスは超一流で、かなりのミュージシャンが参加しているみたいだ」とある。
『ジ・アニメ特別編集『銀河漂流バイファム』(2)』近代映画社, 1984, 980円。(絶版)
Vd: 1999.2.7
『アニメージュ』1984年8月号第1付録「銀河漂流バイファム」POSTER MAGAZINE感想
「バイファム」オンリーの付録だ。大きさはA1で、それを八つ折りしている(折りたたんでA4になっている)。構成を池田憲章(と町田知之)が手がけていること、また小林智子によるマンガ「Spaceルチーナの冒険」(後述)があることから「僕たち13人」の原型になったとも考えられる。
HELLO, VIFAM!!
星山博之による第3-4クールの展開について。これはそれほど長くないが、多少ネタバレ的な話もないこともない。作中の絵がたくさん掲載されているが、バイファム2機、ネオファム2機、トゥランファム1機の総勢5機というにぎやかな場面があって、えっ!?と思ったら、2つのシーンを継ぎ合わせただけだった。バックが宇宙なので分かりにくかった。
ジェイナス壁新聞第19号
子どもたちが持ち回りで1号ずつ編集している新聞ということのようだ。「娯楽のすくないジェイナスで、サイコーの娯楽新聞と評判」。今号の編集長はケンツ軍曹。
- トップ
- 「特報 ついにあきらかになった。本誌記者がとらえたスコット船長の秘密!!」。「スコット船長は深夜、自分の寝室で、こともあろうにマクラにシッカとだきつき、熱いキスを交わしていたのだ!!」。写真を撮ったのはロディ。マクラの下にはエロ本。……こんなもん壁新聞にしていいんかいな。この付録が発売された時点ではまだ第39話放映前であることに注意。
- 今週の川柳コーナー
- ・バイファムの 背中をかけぬ ぶきよかな (ロディ)
・パンツなど なくてもへいき へっちゃらよ (シャロン)
<評> ロディくんのかっこいいバイファムの意外な弱点をズバリと表現したところが実にイイ。シャロンくんのは、あからさまな性格というか、すなおな気持ちが大胆に展開されていて最高だ。 (選・松尾バーツ)。
- 今週のお料理
- 講師・クレア&マキ
「ジェイナス特製 ナスの姿焼き」 今週は長めのナスを使ってのナスの料理です。この料理の最大の特色は、ジェイナス号にひっかけて、形をJ型にしたことです。まずナスのヘタを切り取り、小さめのスプーンで根気よく内部をかき出し、ヘネヘナになったところを針金で補強し、J型に仕上げます。中に肉やタマネギをつめるとおいしいよ。
- NEW MOVIE 撮影快調!!空想科学映画の決定版「原子怪獣ルチーナの逆襲」
- 「ジェイナス号内のVTR装置を駆使して極秘のうちに撮影」した映画。監督はジミー。続編として「ルチーナ対冷凍怪獣マルロ・宇宙最大の決戦」を企画中。
- 短信
-
・先日、盛大におこなわれたラウンド・バーニアン腕ズモウ大会において、高ゲタをはいたジミー選手が優勝をはたした。「戦いは背の高さでは決まらない」とケンツが、ひとり大喜びして、ジミーの肩をたたいていたのが印象的な大会であった。2位はバーツ、3位はロディの順である。
・ジェイナス船内でかくれんぼしていたマルロとルチーナが3時間行方不明になった。その後、定期的に姿を消しており、クレアは「二人が非行に走るのでは」と心配したが、ロディの調べで秘密基地ごっことわかり、みんなひと安心。ちなみに、その基地をマルロとルチーナは暗号で、"ナバロン"とよんでいたという。
・フィルム・ライブラリーに、「ドラ○もん」というハードSFアニメが発見され、みんなで見て驚きの毎日。
- Spaceルチーナの冒険
- 宇宙最大の宝石オメガ・ストーンを宇宙海賊、イナズマ・カチュアから奪いとったのもつかのま、スペース・ルチーナの前に立ちふさがる暗黒皇帝スコット――でも、ルチーナはまだまだ負けないぞ!……というのが前回までのあらすじ。連載第19回。「僕たち13人」と違い、マルロとコンビを組んでいない。また小説ではなくマンガ。
他にも社説とかがあるが、それは割愛。一つ突っ込むと週刊のこの新聞が19号も続くほどジェイナスの旅は長かったんだろうか。スリングパニアーの話が出ているので(割愛)、ククト星着陸間際であるのは確かだが。ひょっとしてベルウィックにいた頃からやっていたのかな。
ピンナップ
ロディ、バーツは富沢雄三、マキは桜井美知代による描き下ろし(と言っても大したものじゃない)。カチュア、シャロンは本編からの使い回し。
他に切り取って使うカセットカバーとか、メカ図鑑もある。
Vd: 1999.1.31
『らでぃっく2』感想
「スタジオライブの本」だ。目次がない、というかあっても内容が激しいので、解説しにくい。「バイファム」とつながるところを中心にとりあげる。
THAT'S LIVE ANIMATION
当時ライブが送り出していた作品の紹介と新着情報。当然「バイファム」はない。
スタジオライブの今グッときている人たち
そのままだ。トップは芦田豊雄。「社員アンケートによる芦田豊雄像」によると「Q1 芦田さんが手がけた作品で一番好きなものは?」の2位に「バイファム」が入った。1位は「ワタル」の5票。「バイファム」は4票。ライブには当時30人以上はアニメーターが所属していたはずなので、思いっきりバラけてることになる。ちなみに「ガラット」は3位タイで2票。
その後の吉松孝博と只野和子はとばして富永真理。彼女は「バイファム」放映中に入社されたそうだ。だから「『バイファム』って前半では単なる一ファンだったのに、後半では自分で描いてるんですよね」……うらやましい(?)。
酔いどれ座談会
山内則康、松下浩美、竹内浩志、藤沢俊幸、近永健一、渡辺浩が出席。「(近永)今月、給料が4万円くらいしかないんですよ(笑)」。「13」で生活は改善されたんでしょうか? いくらなんでも、当時「タカマル」の絵コンテと演出と作監をやっていてそれでは、あまりといえばあまり。周りの方も驚いていたので、いつもそうなんじゃないんだろうが、それにしても。
St.LIVE CHARACTERS MEMORIAL ILLUSTRATIONS
過去のライブ作品をイラストで紹介する。「バイファム」が最初。渡辺浩のイラストがほとんど。いつもながら、上品というか清潔感があって、瞳がちょっと潤んだような、楚々とした感じのイラストだ。1点、当時の日付入りの絵がある以外は、再録なのかどうか定かではない。何しろ今でもタッチはまるで変わっていないと思われるので。それにしても横顔のマキは別人のようなかわいさだ(「原画集」裏表紙と同じ感じ)。しかし、マキにトゥランファムを着せるあたりは……。「ガンダム」でも女の子にMSの装甲を鎧みたいに着せるのがよくあるけど、あれと同じ趣向。芦田豊雄のイラストも1点あるが、これは再録。「ガラット」は1/3ページで、全部再録……。
「流星皇子TOMMY」
ばっちり紹介されている。4p.も使っている。
「らでぃっく」の歴史
旧「らでぃっく」の紹介(+α)。表紙が拝める。中身はやはり「バイファム」がたくさんあるらしい。「松下浩美氏によるバイファムのアニパロ」、読みたい。
SPECIAL GUEST
堤抄子という人が「バイファム」と「ガラット」を主体に絵と文を寄せている。当時なので「(バイファムの)LDセット出して下さい〜〜っ」という叫びが。でもこの人「ガラット」はビデオで録画してあるらしい。
後は書かなかったが「学○ひみつシリーズ・スタジオライブのひみつ」とか「スタジオライブと山田磯吾郎さんの歴史」などしょうもない記事がたくさんある。
『スタジオライブの本・らでぃっく2』ムービック, 1993, 2000円。(絶版)
Vd: 1998.12.30
『芦田豊雄イラスト集 芦田COLLECTION』感想
ついこの間(1998.11.25)発売された本だ。「VITAL SIGNS」から7年。だが、掲載されている人物は、特にメインはほとんど変わっていない。表紙のワタルを見れば分かる。それだけ寿命の長い作品を送り出したということだ。奇妙にも「バイファム」は前より増えたが、もちろん「13」によってまがりなりにもシリーズ化されたからだ。
が、その扱いは……。しかしそれはまあ欲張りすぎだ。
描き下ろし
'90年代(正確には'80年代終わりからだが)芦田豊雄が中心。一枚だけモモ&ガラットがあるのは前にも触れたとおり。
「"超"ワタル」
やはりトップはこれ。
「グランゾート」
意外にもカラーは4点。だが、考えてみれば「ワタル」とは違うのだ。僕など何となくセットにして扱っているが。
「バイファム」
これまた意外にも割と前の方なのは、やっぱ新シリーズの強みか。LDボックスや「13」のライナーノートに使われたものだ。しかし、後者では何故か(故意なのか)背景のイメージがやや違っている。それとも僕がまだ見ていない旧タウト星は恐竜(?)の骨がやたらにあちこちにちらばっているんだろうか。CD-BOXのジャケットに使われたイラストもある。こういう構図になっていたのか。ちなみに、CD-BOXは箱入りで、箱の絵は当時のものだ。
あとは、ペンチが下半身裸(単に素足なんだけど)だったり、シャロンとカチュアのお風呂など。(もっと他にもあるけど。)
「タカマル」
OVAなので内容は知りません。
「ガリバーボーイ」
日曜の朝じゃなかったら観たんだろうけど。
「ガラット」
LDボックスのカバー。この間見かけた。
「TOMMY」
「Out」のポスターでワタルの陰に隠れてちょこっと顔を出している。
挿し絵用
「グランゾート」、「ガリバーボーイ」など。
コメント
「クレアとペンチとルチーナは同じ顔です。ミンキーモモとも同じ(笑)。フレッドが成長すればロディになるし、マキとシャロンは同じタイプ」。……身も蓋もない。「最近またテレビ化されましたけど、キャラクターに破綻がなくてよかったですね」。キャラクターデザインしかタッチしていなかったら…? 「性格がまるっきり変わっていたということじゃないし」。ま、「まるっきり」ではないんだけど。
『芦田豊雄イラスト集 芦田COLLECTION』ムービック, 1998, 2400円。
Vd: 1998.12.27
『VITAL SIGNS 芦田豊雄イラスト集』感想
表紙はワタルと大地(「グランゾート」)。「ワタル」、「グランゾート」、"Other Characters"ということで、「バイファム」は「その他」に押しやられている。
この本が出たのは91年、『芦田豊雄ILLUSTRATIONS』から6年が経っている。この6年はどうやら、芦田豊雄に決定的な転機をもたらしたようだ。
ちなみに、僕が手に入れたのには帯がない。また、巻末にポスターが貼ってあったらしい跡がある。
描き下ろし
「ガラット」が1枚ある。なのに「バイファム」はない。
「魔神英雄伝ワタル」
まだ「バイファム」の頃の面影をそこはかとなく残している。ヒミコの目や口の形は現在(1998年)から見ると違和感があるくらいだ。
「魔動王グランゾート」
「魔神英雄伝ワタル2」
なんかセル画調の絵が多いです。そんだけ。
その他
「ワタル」と「TOMMY」の原型になったと言われる「宇宙少年BOY」とおぼしきイラストがトップに。で、後は僕が知らないの(「虹の世紀シェラトーン」、「トンデケマン」となっています)と「モモ」、「バイファム」の描き下ろしが1点ずつ、その後は「ワタル」の小説用の挿し絵。「バイファム」はロディとバーツ。
解説
「ひょっとすると新しいファンの人たちは知らないかもしれないのですが、数年前には(中略)人気のあった、バイファムのロディとバーツ」…泣ける。
『VITAL SIGNS 芦田豊雄イラスト集』ムービック, 1991, 2000円。(絶版)
Vd: 1998.12.26
『芦田豊雄ILLUSTRATIONS』感想
表紙は「バイファム」。そして、"VIFAM, GALATT, MOMO & ORIGINAL"となっている。イラスト集のはずなのに、後半は冗談企画が入っている。
芦田豊雄自選イラスト集
「自選」なのでほとんど全部再録。描きおろしはポスターと扉だけじゃないかな。
「バイファム」
点数は一番多い。個人的にこの中では(1998.9.15に書いたのも大好きだが)みんなでラグビー(?)をしている絵が気に入っている(音楽集Vol.1で見ることができる)。構図がどう、というのもあるが、13人の表情が活き活きとしているのは、今の芦田豊雄の絵にはないことだと思う。今の彼の絵はどれも表情が似たり寄ったりで、どこかで見たような顔つきしかしていないように思えてしまう。今の高橋留美子の絵が手抜きくさく感じてしまうのと同じなのかも知れない。夏目房之介も手塚治虫について同じようなことを言っていた。しかしこの傾向は「バイファム」の頃から既に始まっていたと言えなくもない。
「ミンキーモモ」
点数は少ない。たった6点だ。
オリジナル
「モモ」よりもっと少ないが、この雰囲気は結構好みだ。古代中南米という感じ。
「ガラット」
キャラクターグッズとか出てたんですねえ。
ゲストイラスト
美樹本晴彦、いのまたむつみ、只野和子。
芦田豊雄のメロウな世界
ハンフリー・ボガードとかのカッコしてます。
「ウンガラの太鼓」
一見シリアスな漫画。普通の漫画だったのをわざわざ色をつけたそうだ。
芦田豊雄ポンチ絵大全集
これはあちこちの雑誌で連載していたのを集めたもので、「明朗がくや落ち漫画」というタイトルのとおりだ。自称金田流でいちいち極端なパースをつける「パース君」も登場する。
フォトドキュメント 抗争不可避 石黒組VS芦田興業
大ウケしてしまった。美樹本晴彦をめぐって、アートランドとスタジオライブが戦争するというバカらしさ。最後はアウトシャイダーが仲裁に入って手打ちする。……説明するとちっとも面白くないなあ。
ライブ入社儀式
隠し芸大会。一芸に秀でていないとライブには入れない。
「少年芦田豊雄」
みんだ・なおの漫画。野口英世と二宮尊徳と雪舟の伝記を足して三で割ったような話。
よいどれ座談会
芦田豊雄、石黒昇、板野一郎、ゆうきまさみ、植田益朗、大徳哲雄、それに近永健一以下のライブのアニメーターなどが出席。
『芦田豊雄イラストレーションズ』(「OUT」'85年8月号増刊), みのり書房, 1985, 1200円。(絶版)
Vd: 1998.10.2
『銀河漂流バイファム ぼくたち13人(はあと)』感想
「バイファム」を「同時代」の作品として扱った本としては、おそらくこれが最後に出たものだろう。「(はあと)」は実際にはハートマーク。
ACT.1 ぼくたち13人の思い出ノート
13人のそれぞれについて他の誰かが語るというかたち。ロディをバーツが、バーツをロディが、スコットをシャロンが、ジミーをケンツが、マルロとルチーナをボギーが、クレアをルチーナが、フレッドとペンチをボギーが、マキをボギーが、カチュアをロディが振り返って話している。ケンツはシャロンとお互いに。何故かバーツは3p.ももらっている。その一方でジミーは1p.だし、二人で組のフレッドとペンチなども2p.だ。おまけにボギーのコメントとは…。しかしケンツとシャロンにはなんと6p.も割かれている。これは「少女鉄仮面銀河救世主伝説バイファム仮面」などというのをやっているから。いかにも当時の世相(?)を反映している。
ACT.2 イラスト・ギャラリー
芦田豊雄、桜井美知代、富永真理の3人が描いている。とくに桜井美知代は前に絶賛したとおりである(1998.7.18)。独特のみずみずしさ(=芦田豊雄にないもの;彼の絵はカラッとしているという意味)のあるタッチだ。マキの絵が多い。バーツも。この人が一番点数が多くかつ力が入っている。
ACT.3 MY ROUND VERNIAN
ここが一番手抜き。申し訳程度に載せたとしか思えない。「バイファム」でのロボットの地位の低さを象徴しているかのよう。というかこの本のタイトルからしてそうだ。
インターミッション めぐまれぬキャラに愛の手を!!
ケイトとミューラァ。…他はどうした? 別に出さなくてもいいけどね。
シド・ミューラァ物語 怒濤の男 BYみんだ☆なお
パロディ漫画。4色カラー。
ケンツ大好き 文/野沢雅子 絵/芦田豊雄
野沢雅子がケンツへの思い入れを綴る。3p.
Spaceルチーナにおまかせ!! 作・星山博之 絵・小林智子
マルロとルチーナを17歳にして、スペース・オペラを舞台に、アメリカTV「白バイ野郎ジョン&パンチ」の明るいムードで大活躍させたら (p.106)
というお話。悪役はシャロン(ボス)、バーツ、ロディ、スコット。ビバヒル・シティの市長クレークの夫人ケイトが誘拐されて……
挿し絵の小林智子はどこかで見たことのある絵柄だと思ったら「バイファム音楽集」のリーフレットのイラストを描いている人だった。彼女の画風では非常に幼い感じのする13人だ(なにも悪いと言っているのではない)。
ACT.4 第46話「いつまでも13人」Film Story
地の文が多いからストーリー解説に近い。また「カチュアがいない」から始まるかなり割り切った構成だ。スコットのモノローグで終わる。……ロディとフレッドの「また会えるよね」というセリフは使われる頻度が低いように思う。
シャロンBridal 作/かがみ聖
漫画。ある日ジェイナスでルチーナがレースのカーテンを見つけて、そこから当然のようにウェディング・ドレスに話が移っていく。読んでて恥ずかしい。でも好きだったりする。
この人の後書きではOVA第4巻が「はっきり言って不満」なデキだとされている。当時もやはりそういう評価にとどめる人はいたということだ。彼女は「次に期待」するそうだが、その「13」についてはどう考えているのだろう。
池田憲章編『ぼくたち13人(はあと) 銀河漂流バイファム』アニメージュ文庫, 徳間書店, 1986, 420円。(絶版)
Vd: 1998.8.26
『バイファム・グラフィティ』感想
「サマータイム・スキャンダル」
「ジェイナス学園中等部」を舞台にしたオリジナル・ストーリーだ。脚本は星山博之。ケイトが生物教師、クレークが体育を教えている。年長組に加えて、カチュア、シャロン、ケンツ、ジミーまで登場する。学校の名前も、先生も生徒もカタカナなのに、明らかに日本の中学校にしかみえないのが笑える。というのは制服があるからだ。男子は学ラン、女子はブレザー。でも何故かバーツは私服だったりする。どうせならNHK教育あたりでやっている海外ドラマみたいなののほうが、「バイファム」には違和感がないと思う。当然日本語吹き替えでは、「バイファム」オリジナル・キャストを揃えて……って何を言っているんだ。
狙っているとしか思えないのが挿し絵だ。ケイトの水着、マキの下着(ちょっとだけど)、クレア、マキ、カチュアのレオタードだ。レオタードは本文では「黒のレオタード」と書いてあるが、色からして「キャッツ・アイ」ね(本当に泥棒する話)。と、青、オレンジ、赤でよかったんだっけ? まあ、泪みたいな大人の香りは期待してはいけない。どう見ても全員愛だ。別に狙っていない普通のイラストもあります。それに、いかんせん描いているのが芦田豊雄なので、あくまで健康的です。
MEMORIES OF CHARACTERS
13人と、ケイト、ミューラァ、その他脇役地球人、ククト人の解説、名場面などを綴ったものだ。13人のキャラ設定をそっくり写している。全文は初めて知ったので、後ろに転載しておく。
イラストは「エイリアン」、「ピーターパン」など、映画やお話をモチーフにしたものだ。ライブの人のはかなり手抜き。山内則康、近永健一、松下浩美、富永真理(「真里」と誤植されている)が手がけている。サンライズ(だったと思う)の平岡正幸のは独特の雰囲気が漂っていて僕は好きだ。
この項は、誤植や明らかな誤りが多い。「レーガン」が「スペース・バッド」となっているのが一番の謎。ラレドがクレドになっているし。本編中のセリフもちゃんと調べていないようで、「ノーミソクルクル」が「クルクルパー」になっていたりする。「ここ、寒いのね。そっちに入っていい?」のところで、「で……でも……PTAが……」になっているのはわざとなんだろうか? これだけだと、そのように見える。しかし、「あいつ、まだ尻が青かったんだ」(「青いでやんの」だったはず)に「しっぽのほうが面白かったのに……」となっているのを考え合わせると、どうも単なる間違いのようにも思えるが……?
原画BESTセレクション
なんと、原画を載せている。10p.ちょっとなので13人とケイトにちょびっとづつしか割り当てられていないとはいえ、やたらにマニア好きのする構成だ。原画と修正と両方掲載するあたりも然り。ところで「修正」ってどうやってやるんでしょう?
有名なカチュアのシャワーシーンが修正前はとても見られたものではないので、気になる。原画への解説も「このようなアオリの場合は、身長差に気を配らなくてはいけない」とか、かなりマニアックである。
『BEST HIT SERIES ROUND VERNIAN VIFAM GRAFFITI』秋田書店, 昭和60年, 850円。(絶版)
Vd: 1998.8.2
『バイファム原画集』感想
カラーイラスト
神志那弘志:バーツとカチュアという取り合わせは意外。
只野和子:ケンツのあやつり人形を持っているのはシャロンなの??
わたなべひろし(1枚目):いつもながら彼らしい絵本のような絵。ただ、スコットの身長が高すぎる。7頭身くらいある……
宮嶋堅:何故「ウルトラマン」!?ロディとマキが科特隊なのはまだ分かる。
近永健一:同じく。でもどうしてスコットがジャミラで、ペンチがウルトラマンなの?
松下浩美:何で「シャイダー」(?)。しかもジミーだし。アニー(?)がルチーナなら、マルロでしょ。
原画
西島克彦はかなり特徴的ですぐ分かる。目、鼻、口に彼独特の線が表れているので。山内則康も場合によって、鼻と口の間隔で分かる。わたなべひろしも顔の輪郭や目で区別がつく。後は……これだけのサンプルでは難しい。こんなことやり始めるのはかなり危ないが。
「女学生日記」
なんというか、「お下劣」な漫画だ。どっかで見たような絵柄なんだけれど……「バイファム」の学園ものパロディて多いね。やり易いからか。強引に、男の子たちも女学生にしたのが笑える。
この本の由来
ライブの人間の名前しか出てこないし、掲載原画もライブ担当の分だけ(のはず)だから、スタジオライブ絡みの本だと分かる。小林早苗やわたなべひろしのイラストの日付からするとこの本は1984年11月頃かそれ以降に出たようだ。芦田豊雄の「今、『バイファム』のムック本があちこちからでる為」云々から見てもそんなところだろう。それくらいしか推察できない。多分帯に発行元と発行年が書いてあったんだと思う。
『銀河漂流バイファム 原画集』, , , 1200円。(絶版)
Vd: 1998.7.26
『銀河漂流バイファム大図鑑』感想
現時点ではもっとも新しい「バイファム」本。
アンケートハガキ:
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5.この本のどこが気にいって買いましたか?一つに○を付けて下さい。
...(6)富野監督原作の作品が好きだから
なめている(実際には丸つき数字)。
巻頭のカラーページも変。ジェイナス出航のシーンに、ルザルガ、ドギルムがいる。これはまだしも、タウト星の場面でデュラッヘがいる。それに分かりづらいが、ククト星のデュラッヘとの戦闘でガッシュが一緒に描かれている。
中のデータも「ドギルム」が何ヶ所か「ドルギム」になっている。1998.6.19の「BEATマガジン」もまちがっていたのはそのせいか? ケルビン・クレークもやめてくれ。あれ? クレークとケイトは地質学者だっけ?
カチュア:「引っ込み思案で」
クレア:「頭が良くしっかりしている」
フレッド:「ペンチに対して思いを寄せているが、なかなか直接告げることができない」
どれもちょっと違うような…
ククトニアンに対して「テラニアン」という呼称がなされているのは、「ククト」が彼らの言葉で「地球」を意味するということなのか。でも"tera"ではなく"terra"だ。
ククトニアンとテラニアンの関係の解説は何かしっくりこない。結局「宇宙流浪民族」と地球人、とククトニアンはたまたま体の構造が似ていることになる。それなら、そんな連中をわざわざ存在させる意味がない。地球人とククトニアンが偶然似た生物だった、でことたりるのではないだろうか? とはいえ、この設定は放映時からある(少なくとも「パーフェクト・メモリー」に記されている)ものなので、こういうのが当時のはやりだったのかもしれない。なんとなく「マクロス」の影響を感じるなあ。あっちは説得力があったのだが。
編集の伸童舎はメディアワークスの「データ・コレクション」シリーズも手がけている。どうりで文体が似ていると思ったら…いつもながらあまりうまくない文章だ(ひとのことは言えないが)。それに「パーフェクト・メモリー」をパクッてませんか?
シャロンの説明:
「パーフェクト・メモリー」:
好奇心が強く、なんにでも首をつっこむ。やや協調性に欠けるが、オープンな性格のため、なぜかまわりとの衝突は少ない。
頭で考えるよりは、思いつきで行動を起こしてしまう方で、次第にケンツに対してほのかな(?)恋心を抱く。手先が器用で高ゲタや、移動トイレなどは簡単に組み立ててしまった。
「大図鑑」:
好奇心が強く、なんにでも首をつっこむ。考えるより、思いつきで行動する。やや協調性に欠けるが、オープンな性格のため、なぜかまわりとの衝突は少ない。手先が器用でいろいろな機器を簡単に組み立ててしまった。
ここだけではないのは言うまでもない。それとも両方とも何か別の同じ資料をひいているのかなあ? …と思ったら「パーフェクト・メモリー」も伸童舎が編集しているっ!
そういうことだったの。だったら上で「どれもちょっと違うような…」と書いたところは、下手に変えない方がよかったんでない? 「地質学者」は「パーフェクト・メモリー」でもそうなっているけど、ケイトは確かにそうみたい。でもクレークは「宇宙考古学者」が正しいはず。どっちにしろ「次元空間における量子力学」などという論文は書きそうにないが。
地球側はククトも探査していたが、異星人の痕跡が多いために開発は後回しにされたってのは、うーん、一面ではリアリティがあるが、何となく変。それにジワイメルウ基地はクレアド星ではなくベルウィック星だろ。何故かベルウィック星の解説でもジワイメルウが登場するし。
ようするに、「パーフェクト・メモリー」を持っている人はこの「大図鑑」を手に入れる必要はないということだ。……それは僕のことじゃないか。逆は然らず。
『ENTERTAINMENT BIBLE.21 サンライズロボットコレクション.6 銀河漂流バイファム大図鑑』バンダイ, 1990, 780円。(絶版)
Vd: 1998.2.25
「バイファム」絵本
表紙:バイファム、クレア、ロディ(前半のデザイン)、バーツ
p.1:
ロディと フレッドの きょうだいは
ちきゅうの かいたくせい、
クレアドせいから ひなんしました。
あるひ とつぜん
いせいじんが せめてきて、
せんそうに なったからです。
ふたりは うまれてはじめて
メカ・ロボットどうしの
たたかいを みました。
「にいさん、あれが ちきゅうぐんの
バイファム?」
「ちがう、あれは ネオファムだ」
p.2: "NEVER GIVE UP"の歌詞
p.4:
いせいじんの メカが
つぎつぎと あらわれて
ちきゅうぐんは くせんです。
ロディたちの のっている
ジェイナスごうから
パペット・ファイターが しゅつげき。
おうえんに かけつけます。
そのあいだに ジェイナスごうは
もうひとつの かいたくせい、
ベルウィックに
ひなんしました。
p.5:
「バイファムだ!」
りょうしんと はぐれた
ロディたちは
だれも いない
ベルウィックせいで
バイファムを みました。
p.6:
やがて ロディたちと
おなじように おやと
はぐれた こどもたちが
つぎつぎと あつまって
きました。
ぜんぶで 十三にんです。
p.7:
おとなは だれも いません。
ロディたちは いざという
ときに そなえて、メカにのる
れんしゅうを はじめました。
ロディは バイファムで
バーツは ちじょうがたで
れんしゅうです。
「へたくそね」
「おまえが よけいなこと
するからだ」
けんかしているのは
マルロと ルチーナです。
p.10:
そんな あるひ
ロディたちのいる きちに
いせいじんが せめてきました。
「ぼくに まかせてくれ!」
ロディが バイファムにのって
しゅつげきです。
p.12:
あいては 二きです。
でも、ロディは ゆうかんに
てきのメカ、ジャーゴに
たたかいを いどみます。
「こどもだと おもって
ばかに するなよ!」
p.14:
さすがに、ちきゅうぐんが ほこる
さいきょうメカ、バイファムです。
「とどめだ!」
バイファムの しゅほうが、
ジャーゴを つらぬきます。
p.15: クレジット:
構成=星山博之
作画=小林(現、近永?)早苗
(スタジオライブ)
p.16:
でも、てきは また
いつ あらわれるか
わかりません。
みんなは ちからを あわせて
いくことを ちかいあいました。
「きっと あえるよ。
そのうち パパや ママに」
「よし、そのひまで
がんばるぞ」
スコットの ことばに
みんなが ちからづよく
うなずきました。
裏表紙: バイファムと13人
『朝日ソノラマ EM-338 銀河漂流バイファム』朝日ソノラマ, , 380円。(絶版)