タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第257話「今期の連ドラは久々にTBS>フジ」


ここしばらくTBSのドラマが不調で
フジに圧倒的な差をつけられていたけど、
今期は「新しい風」「ホームドラマ!」
「オレンジデイズ」とみんないい。

フジは油断したなあ。
メイン人物のキャラ設定も似てしまったし。

まあ、そうは言っても初回視聴率が20%を超えたのは
フジの「愛し君へ」だけなんだけどね。




『ワンダフルライフ』  第2話

演出:河野圭太
脚本:福田靖

早くもボロが出てしまったか、長谷川京子。
前半の反町隆史もなあ…。
ストーリーがありふれていたこともあって、
今回はさすがにキツかった。

ただ終盤、桐島(反町隆史)が
ライン・サンドバーグの話をするシーンは良かった。

たぶんこのドラマは、
毎回、最後はそれなりに締めてくれると思う。
問題は前半のストーリー展開と笑いの取り方だろう。
とりあえず脚本はもう少し練って欲しい。

あ、そういえば、桐島がジャガーズのメンバーに
“お前らのチーム名はなんだ?”と聞いた時、
川口翔平が“チアーズ!”って言ったら
どうしようかと思っちゃったよ。
…言って欲しかったけど(笑)

             採点  5.5(10点満点平均6)




『アットホーム・ダッド』  第2話 主夫は一日にして成らず

演出:塚本連平
脚本:尾崎将也

理恵(安藤咲良)が
“パパがひとりで全部作ったんだもん”
と言ったシーンはちょっと泣けた。

前半に和之(阿部寛)がひとりがバタバタする展開も、
さすが阿部寛、きちんとコメディーになっていた。

「光とともに…」とダブルブッキングの篠原涼子は
さすがに出番が少なくなったけど、
自然なキャラ作りで最後を締めていたし。

でも、やっぱり岩崎(川島なお美)絡みのパーツはツライ。
主婦同士が集まるシーンはあってもいいけど、
あのテイストはないよな。

まあ、しょうがないか。
最初からそういう作りなんだし。

             採点  6.0(10点満点平均6)




『光とともに… 〜自閉症児を抱えて〜』  第2話

演出:佐藤東弥
脚本:水橋文美江

入学式後の教室のシーンとか、
教員免許を持つ川見(市川実日子)の反応とか、
描き方としてはちょっとな…。

でも、井川遥は意外と頑張っていた。
今回くらいやってくれれば大丈夫か。

いずれにしても
小林聡美と篠原涼子のシーンは際立って質が高い。
それだけでもこの作品を見る価値はあると思う。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『電池が切れるまで』  第一話

チーフプロデュース:五十嵐文郎
プロデュース:川島保男、中込拓也
       椿宜和、藤本一彦(角川映画)
演出:藤田明二(共同テレビ)
脚本:江頭美智留
原作:『電池が切れるまで』すずらんの会編
   『「電池が切れるまで」の仲間たち』宮本雅史
音楽プロデュース:葉加瀬太郎
主題歌:「ひまわり」星村麻衣
オープニングテーマ:「君の分まで」平川地一丁目
制作:テレビ朝日、角川映画
出演:財前直見、陣内孝則、野際陽子、原沙知絵、要潤、吉岡美穂、デビット伊東、
   河合美智子、黒川智花、成美璃子、美山加恋、谷本一、近江谷太朗、
   糟谷健二、篠田拓馬、柳楽優弥、横山亜里紗、斎藤千晃、松本梨菜、他

内容はもちろん感動的なんだけど、
脚本も演出も音楽の入れ方も今イチだった。
間宮(要潤)のキャラも工夫がないし。

原作に頼らず、
ドラマとしてのクオリティーをもう少し上げて欲しい。

関係ないけど、結花を演じていた子、
「川、いつか海へ」なんかの時は塚本璃子だったけど
このドラマでは成美璃子になっていた。
研音に移籍して改名したらしい。

研音かあ。
…この世渡り上手!(笑)

             採点  6.0(10点満点平均6)




『新しい風』  第1話

チーフプロデュース:貴島誠一郎
プロデュース:刀根鉄太
演出:三城真一
脚本:浅野有生子
主題歌:「金木犀」笹川美和
イメージソング:ミッシェル・ポルナレフ
制作:TBS、ドリマックステレビジョン
出演:ともさかりえ、吉田栄作、植木等、橋爪功、野際陽子、寺田農、段田安則、
   伊藤蘭、市毛良枝、森迫永依、山下真司、新山千春、小田茜、高杉瑞穂、
   高知東生、筒井康隆、小野寺昭、石井美奈子、西田健、他

これは面白い。丁寧に作ってある。
キャスティングも「ホームドラマ!」並みにベストで、
とくに吉田栄作のキャラ作りはすごく自然で良かった。

娘役に森迫永依を起用できたのも大きい。
昂(吉田栄作)と真子(ともさかりえ)が仲良くしている様子を
横で見ている演技は最高だった。

継母に馴染めない子供のリアクションは
ヘタなスタッフが作るともっと大袈裟に撮ることが多いけど、
このあたりはスタッフのセンスの良さも感じた。

家族は社会の最小単位。
そこに新しい風=真子が入る、という部分で
作品のテーマとリンクさせているのかもしれない。
いずれにしても新見家のパーツも丁寧に作ってあることは確かなので
全体のクオリティーは今後も高く維持できるような気がする。

で、本筋の昂が政治家になるという部分。
ここも大物代議士の中澤(植木等)、
中澤の第一秘書・黒川(寺田農)あたりがどっしりしていて
見ていて迫力があった。

エンターテイメント性も十分に確保してあるので
今後も非常に期待できそうだ。

             採点  7.5(10点満点平均6)




『新しい風』  第2話

演出:三城真一
脚本:後藤法子

丁寧。本当に丁寧。
林原(段田安則)の振る舞いも
普通なら下世話に描いてしまうところを、
きちんと昂(吉田栄作)などにセリフでカバーさせて
説得力を持たせていた。
これなら中澤夫人(野際陽子)の扱いもそんなに心配ないだろう。

萌(森迫永依)が破いた絵本を昂が見つけたシーンも良かった。
ひとことで言ってしまえば余計なことをしない。
大袈裟なことをしない。
それがこのドラマは一貫して出来ている。

真子(ともさかりえ)と萌がハイタッチをした後も
そんなにすぐには仲良くならないところも良かったな。
一緒にお絵描きしていても
まだ萌がどう接していいか分からない雰囲気がよく出ていた。
脚本だけでなく、演出も丁寧だ。

そしてついに昂が中澤(植木等)の申し出を受け入れて
選挙に出ることを決意。
この昂の心理はもう少し詳しく描写して欲しかったけど、
次回以降、延岡(橋爪功)などとの会話の中で
フォローしていくのかもしれない。

今期のラインナップの中では地味な作品かもしれないけど、
見て損はしない作品だと思う。

             採点  7.5(10点満点平均6)




『離婚弁護士』  第二話

演出:光野道夫
脚本:林宏司
脚本協力:西口典子

まだ多少前半はカメラの切り替えが早くて見にくかったけど、
脚本が林宏司に代わって格段に良くなった。

天海祐希のコメディーセンスも発揮されて
各ポイントで笑いも取れていた。

イラストの使い方も良かったし、
最終的に結婚するという結末ではなかったところも良かった。
個人的には奈緒(中越典子)が最後に
礼儀正しく頭を下げるシーンとか好きだったな。
なぜか昔からああいうシーンに弱いんだよ。

これくらいのクオリティーを維持してくれるなら
多少は映像で遊びすぎても我慢しよう。

ただ、ベンチャーズとノラ・ジョーンズとhitomiって
どう考えてもバラバラのような気がするんだけど、
どうなんだろう…。

             採点  7.0(10点満点平均6)





<ドラマ別レビュー:2004年4月〜6月編>
 
愛し君へ             フジ系・21時       
ワンダフルライフ         フジ系・21時  
 
アットホーム・ダッド       フジ系・22時         
光とともに…           日テレ系・22時       
電池が切れるまで         テレ朝系・21時
 
新しい風             TBS系・22時       
 
離婚弁護士            フジ系・22時         
ホームドラマ!          TBS系・22時  
 霊感バスガイド事件簿       テレ朝系・23時15分     
仔犬のワルツ           日テレ系・21時        
オレンジデイズ          TBS系・21時







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