タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第258話「7月からの火曜9時は“ウォーターボーイズ2”」


7〜9月期のフジ系火曜9時枠が
「ウォーターボーイズ2」に決まった。

続編ではなく別の高校が舞台。
主演は市原隼人で、ヒロインは石原さとみ。

前作もヒロインはNHKの朝ドラからの流れで宮地真緒だったけど、
今回もそれを踏襲する形になった。
でも石原さとみの方がこのヒロインには向いてそうだな。

もともと映画がヒットした後のドラマ化だったので
企画としてはしつこい感じだけど、
石原さとみに期待してみるか。




『ホームドラマ!』  第2話

演出:酒井聖博
脚本:岡田惠和

翔子(井上真央)の家の近くで起きた
地震が心配で電話をかけたり、
仁美(酒井若菜)がどんなに世間から非難されようと
自分だけは守ろうとしたり、
将吾(堂本剛)の行動を通じて
家族とは?というテーマが徐々に描かれ始めた。

翔子への電話で
“ホラ、でっかい光太、分かる? チョコバーの…”
と将吾に言わせたりする部分も含め
脚本はかなり繊細に書かれていると思う。

いくら慰霊祭に同行した遺族同士でも
普通、すぐには名前と顔が一致しないもんな。

仁美は被害者でありながら加害者でもある、
という設定だけど、
事故で死んだツアーコンダクター(岡田浩暉)は
まゆみ(紺野まひる)の恋人、もしくは婚約者のようなので、
彼女もまた加害者でありながら被害者ということになる。
まゆみが本格的に参加してくるとさらに深みが出そうだ。

メインの出演者は9人だけ。
でも、秋庭(ユースケ)はバスに同乗していない遺族だし、
翔子にはPTSDの症状が出ているし、
キャラ設定をうまく振り分けていると思う。

今回、仁美が将吾の家へ来るのは
少し早いような感じはした。
ただ、みんなで一緒に住むことが結論ではなく、
家族とは何かを描く話なので、
引っ張り過ぎよりは良かったかもしれない。

いずれにしても今後のエピソードに期待しよう。

             採点  7.5(10点満点平均6)




『霊感バスガイド事件簿』  第二話 心中無縁仏

演出:中島悟
脚本:大石哲也

霊が憑依している時の声を
どうしてゴチャマゼにしてしまったんだろう。
せっかく山田麻衣子をゲストに迎えたんだから
山田麻衣子の声のままでもよかったのに。

霊が抜け出すシーンもあったわけだし、
大事なところでは
河相我聞が演じながら声を出せばよかったんだから。

ワイヤーアクションもダサダサだったけど、
あそこだって諒(河相我聞)が姿を現して
ヤクザを脅かした方が自然だった。

とはいうものの、
ドラマとしてのバランスは悪くなかった。
心中したカップルの気持ちもきちんと描けていたし…。
これはこれでいいと思う。

最後、ワンシーンだけでいいから
ルリ子(山田麻衣子)のフォローもあった方がより良かったかな。

             採点  5.5(10点満点平均6)




『仔犬のワルツ』  第2話

演出:長沼誠
脚本:吉野万理子

次男は殺された、というのは嘘かもしれない。
でも、舞子(三浦理恵子)の行動にはまだ裏がありそうなので
ストーリー的には面白くなった。

たまたま葉音(安倍なつみ)とともに
相続争いに参加することになった芯也(西島秀俊)の真意も
まだどこにあるか分からない。

そしてラストで殺された調律師(奥村公延)。
彼は誰と裏工作をしていたのか。
一次試験、相続争い、と言っていたので、
まだ兄弟全員が怪しいままだ。

…ということで、
エンターテイメントとしては十分面白いんじゃないだろうか。
野島伸司的ロジックも脚本によく反映されているし。

まあ、ワルツだけ見てても癒されるしね、このドラマは(笑)

             採点  6.0(10点満点平均6)




『オレンジデイズ』  第3話

演出:土井裕泰
脚本:北川悦吏子

櫂(妻夫木聡)と真帆(小西真奈美)が
やがて別れるのは明らかなので、
真帆の同級生・佐野(柏原崇)が早くも登場。

もちろん、真帆と佐野があっさりつき合うようになる、
なんてことはないと思うけど、
こういう人物を出しておけば
真帆が可哀想、という印象は薄められる。

ストーリーは本当にびっくりするくらい意外性がないな。
でもそれだけに北川悦吏子の基礎テクニックは認めざるを得ない。

妻夫木聡の自然な演技も当然、貢献度は高いんだけど、
内容よりもツボを押さえた作り方のほうに感心させられる、
ある意味、サンプル的な作品だ。

最終回近くになって沙絵(柴咲コウ)が、
神様のメッセージはあったわ、
私をあなたに会わせるためよ、とか言いそうでコワイ(笑)

             採点  7.0(10点満点平均6)





<ドラマ別レビュー:2004年4月〜6月編>
 
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