タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第259話「“ディビジョン1”第2シリーズは若槻千夏」


この4月から復活したフジの深夜ドラマ「ディビジョン1」、
第2シリーズは若槻千夏がドラマ初出演することになった。

月曜日に最終回を迎える「勝負下着」は、
プロデューサー、演出家、脚本家、カメラマンが
すべて女性で固められている作品。

とくに新しさは感じないし、
個人的には“おいなりさん”で引いてしまったけど、
それなりの可能性は見せてくれている。

次は塚本高史らも出演する青春ドラマになる模様。
どんなスタッフがどんな新鮮味を出してくれるのか、
期待してみよう。

…ところで月曜日と言えば、
先週「愛し君へ」のビデオ撮りを失敗。
久々に落ち込んだ、、、_| ̄|○




『ワンダフルライフ』  第3話

演出:植田泰史
脚本:福田靖

これまたありふれたストーリー。
要(高橋賢人)の父親(飯田基祐)の描き方も
これでもかってくらい予定調和だった。

ただ、最初から奇抜なことをやろうとしてるわけじゃないので
これはこれでいいと思う。
ドラマを見慣れている人にとっては分かり切った内容でも
新たにドラマを見始める世代もいるわけだし。

弁護士資格を失った妻坂(八嶋智人)と
司法試験の勉強をしているみずき(長谷川京子)の関係は
もっとうまく使えそうな気がしたけど、
次回、さっそくストーリーに盛り込んできそう。

このあたりを突破口に
多少は新鮮味を出して欲しい。

             採点  6.0(10点満点平均6)




『アットホーム・ダッド』  第3話 主夫の心 妻知らず

演出:二宮浩行
脚本:旺季志ずか

こういう作りのドラマって
冒頭は毎回リセットされて同じことの繰り返し、
というパターンが多いんだよなあ。

今回のラストはかなりお互いの気持ちが分かった作りだったので、
次回の出だしはうまく繋げて欲しい。

それにしても宮迫博之と中島知子の役をなぜ関西弁にしなかったんだろう。
関西出身の設定でも差し支えなかったと思うけど…。
この2人の会話がもっと転がれば面白さは倍増するのにな。

あと、内容と関係ないけど、
理絵を演じている安藤咲良の目元が
小さい頃のルーガちゃん(小出由華)に似てる!
…と、まわりの誰に言っても同意を得られないのが悲しい。

             採点  6.0(10点満点平均6)




『光とともに… 〜自閉症児を抱えて〜』  第3話

演出:佐久間紀佳
脚本:水橋文美江

まだ良いシーンと悪いシーンに差がある感じ。
誤解や偏見があることを伝えることに意味はあると思うけど、
もう少し描き方を工夫して欲しい。

そういう不満点は多々あるものの、
最後まで見るとやはり印象は悪くない。
今回はとくに幸子(篠原涼子)も参加した授業で
里緒(小林聡美)が“これからは先生にすぐ言って”と
萌(大城紀代)に言った時、
幸子が“光に呼びかけて”と訂正したシーンが良かった。

雅人(山口達也)が協力的になってきたこと、
貴子(高橋惠子)が自閉症を理解しようとし始めたことで、
ドラマを見る上でのストレスは軽減されてきた。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『電池が切れるまで』  第二話

演出:藤田明二
脚本:江頭美智留

「命」を書いた結花(成美璃子)の死を描いた回で
内容的にはさすがに泣けた。

結花の心臓が停止したシーンで
末永(陣内孝則)にまだ諦めないで、と言うさとり(財前直見)と
もう楽にしてあげて、と言う両親の対比は、
自分の親も結花と同じ小児ガンで最初の子を亡くしているので
見ていてつらかった。

ドラマ的には次回から美山加恋が登場するようなので
むしろここからが勝負だろう。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『新しい風』  第3話

演出:松田礼人
脚本:田中江里夏、後藤法子

かなりセリフを省略しているので
不親切と感じる部分もあった。

ただ、昂(吉田栄作)が何をしたいのかについて、
演説で原稿を読まずに自分の言葉で話した流れは良かった。
(↑描き方としては珍しくないけど)
既成政治側の林原(段田安則)のセリフにも説得力はあったし。

昂の思いや考え方については
今後も様々なシーンに分けて描いていきそう。

それ自体がこの作品の伝えたいことでもあるので
方法としては悪くないと思うけど、
昂がなぜ安定した仕事を捨て、家族と過ごす時間を削ってまでも
政治家になることを決意したのか、という部分は、
早めにもう少し分かりやすく説明した方がいいと思う。

あと、内容的には、
綾(小田茜)が雪乃(伊藤蘭)の本当の娘ではなく、
中澤(植木等)の隠し子だったことが
今後の前振りのような形で明かされた。

ドラマとして面白くなる要素は
まだ十分に内包していると思う。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『離婚弁護士』  第三話

演出:田島大輔
脚本:林宏司

今回は冒頭にベンチャーズが流れなかった。
この方がいいよ、やっぱり。
で、内容的には人身保護請求の案件で
貴子(天海祐希)が子どもの代理人になるというもの。

父親(吹越満)の代理人は柳田(佐々木蔵之介)が務めたため
彼にもスポットが当たったし、
貴子が翔太(岡田慶太)の気持ちを
コミカルなシーンも取り入れながら汲み取っていったので、
依頼人の利益だけを考える、という弁護士の姿勢も描けた。

揺れる画面は相変わらず気になるけど、
ストーリーの組立としては十分に面白かったと思う。

まだ目立った活躍はないものの
ミムラも自然な演技で悪くない。
今後、井上(津川雅彦)、大介(玉山鉄二)らと共に
スポットが当たる回があれば、
間宮法律事務所としてのチームプレーも期待できそうだ。

こうなると映像で遊ぶプランさえなければ…、
という気がして余計に残念だな。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『ホームドラマ!』  第3話

演出:平野俊一
脚本:岡田惠和

秋庭(ユースケ)の会社に対する怒り、
“なんで家族がいる時に休みくれなくて、
 今、休めなんだよ!”は、
さすがに訴えるものがあった。

ただ、秋庭に関するパーツはそれ以外とくに新しい軸もなく、
かなりあっさりとした印象。
秋庭はすぐに一緒に暮らすわけではなさそうなので、
もう少し外から遺族同士が一緒に暮らす意味を突いて欲しい気がする。

そしてラスト、バスに同乗していたツアコン(岡田浩暉)は
まゆみ(紺野まひる)の夫だったことが語られた。
婚約者や恋人ではなく夫だとすると
まゆみの加害者意識はさらに強くなるはず。

今まで一番まゆみにつらく当たってきた秋庭を絡めつつ、
ここはしっかりと心に受けたの傷を描写して欲しい。

それはそうと、
このドラマも固定カメラを使わないシーンが多くて
画面の揺れが気になるな。

事故前後の臨場感を出すシーンでは効果的だったけど、
家の中まで多用されるとかなり見にくい。
全体の作りは丁寧だと思うので、
そのあたりは改善して欲しい。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『霊感バスガイド事件簿』  第三話 神隠し三人娘

演出:麻生学
脚本:大石哲也

オスカー絡みで上戸彩がゲスト出演。
(ちなみにラッキィ池田もオスカー)
でも、無くしても話は成り立つ役だったな。
少女たちとの接点は
野辺(小木茂光)がいれば十分だったわけだし。

心霊研究所の笹田(マギー)と
宮下(嘉門洋子)の使い方も中途半端だし、
今さら“メイビー”“マストビー”をパロるのも寒いしで
穴はかなり多い作品だけど、
それなりにバランスは取れていると思う。

今回はちょっと“感じちゃった”がしつこかったかな。

             採点  5.5(10点満点平均6)





<ドラマ別レビュー:2004年4月〜6月編>
 
愛し君へ             フジ系・21時       
ワンダフルライフ         フジ系・21時  
 
アットホーム・ダッド       フジ系・22時         
光とともに…           日テレ系・22時       
電池が切れるまで         テレ朝系・21時
 
新しい風             TBS系・22時       
 
離婚弁護士            フジ系・22時         
ホームドラマ!          TBS系・22時  
 霊感バスガイド事件簿       テレ朝系・23時15分     
仔犬のワルツ           日テレ系・21時        
オレンジデイズ          TBS系・21時







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