タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第261話「“天花”再び失速」


開始当初は、いったいどうなることか、
と思ったNHKの朝ドラ「天花」。

仙台編の最後、
天花(藤澤恵麻)と信一郎(財津一郎)の絡みが多かった時は
多少持ち直した雰囲気はあった。
でも、東京編になって
先週はまた失速した感じだったな。

ヒロイン・藤澤恵麻の演技力を言い出したらキリがないけど、
それなりの魅力は見出せてきた。
むしろキツイのは相手役・竜之介(平山広行)のキャラだろう。
大丈夫なのかな、このままで…。

片平なぎさと石野真子はいいアジ出してるんだよな。
財津一郎と中村梅之助もいいし。

まあ、もう少し様子を見てみるか、
古くさいナレーションも我慢して。




『電池が切れるまで』  第三話

演出:唐木希浩(5年D組)
脚本:遠藤彩見

美山加恋はとりあえず登場しただけ。
今回は黒川智花がメインだった。

長期入院している子どもの心理、
院内学級の意味、
院内学級に対する考え方の違いなど、
相変わらず見どころは多い。

でも、ドラマとしてすごくクオリティーが高いかというと、
そうでもないんだよな、やっぱり。
スタッフにはもう少し頑張って欲しい。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『新しい風』  第4話

演出:竹村謙太郎
脚本:成瀬活雄

うーん、抜群に面白かった1・2話に比べると
明らかに失速している感じ。

もちろん、演説会での小田島(小野寺昭)の反応や、
真子(ともさかりえ)がきちんと絵本を描き上げる展開など、
下世話なエピソードは持ち込まず
テーマに沿った作り方をしている部分は好感が持てる。

ただ、テンポが遅いというか、
内容をもっと詰めてもいいというか…。

あと、昂(吉田栄作)に対して感情移入できる要素もね。
これは真子側から見る上でも大事なことだと思うのでしっかり描いて欲しい。

すでに4人の脚本家が書いているけど、
そのへんも影響してるのかな。
もう一度最初の頃の密度を取り戻してもらいたい。

             採点  6.0(10点満点平均6)




『離婚弁護士』  第四話

演出:田島大輔
脚本:林宏司

若さ、未熟さを切り口に、
大介(玉山鉄二)にスポットが当たった回。

話そのものは悪くなかったけど、
雅人(斉藤祥太)と夏樹(邑野未亜)の関係、
夏樹と亜希子(キムラ緑子)の関係、
亜希子と大介の関係、
大介と間宮(天海祐希)や事務所の人間との関係など、
描かなければならないパーツが多くて
全体的にやや浅くなってしまったのが惜しかった。
間宮の出番も少なすぎたし。

ただ、ラストで亜希子自身も
もともと家柄に合わないタイプだったことが明かされたシーンは
それなりにストーリーを締める効果は出ていた。

天海祐希は今回もコメディエンヌの才能を発揮。
そこにミムラもうまく絡んでいた。
ミムラにスポットが当たる回も早く見たいな。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『ホームドラマ!』  第4話

演出:酒井聖博
脚本:岡田惠和

今回は秋庭(ユースケ)とまゆみ(紺野まひる)が
ふたり一緒に将吾(堂本剛)の家へ来るまで。
ここまでが第一部、といった感じだろうか。

宏樹(泉澤祐希)の授業参観の問題、
光太(西洋亮)のイジメ問題は次回以降に持ち越しで、
これらは仁美(酒井若菜)の妊娠問題と
並行して描いていくのだと思う。

ちょっと心配なのは翔子(井上真央)の精神的な問題。
まさかこれで終わりじゃないよな。
作品全体は家族がテーマでも
さすがにこの問題はバス事故に直結しているので
もう少し時間をかけて描いて欲しい。

ドラマの出だしにインパクトがあっただけに、
あまり小さなエピソードの積み重ねに成りすぎると
尻すぼみのような印象になってしまう。
大きな問題に関しては
それなりに時間もかけて描いてもらいたい。

今回、印象的だったのは
テレビで他の事故のニュースが流れ、
その中で将吾たちが遭遇した事故についても語られるシーン。

マスコミとしてはオーソドックスな報道方法だけど、
事故の関係者はその度に思い出さなくてはいけない。
ここは事故シーンに時間をかけただけに説得力があった。

ユースケが加わった疑似家族。
新たな雰囲気をどう描くのか、
とりあえず次回はそこに注目だ。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『霊感バスガイド事件簿』  第四話 未練橋のたもとで

演出:位部将人
脚本:小川智子

モチーフは悪くないのに仕上げが雑すぎた。
丁寧に作ればもっと面白くなったのに…。

脚本の小川智子は「スカイハイ2」でも何本か書いてたけど、
いつもこんな感じだなあ。

次回のゲストは、
インリン・オブ・ジョイトイ、吉野きみ佳、
大鶴義丹、ダンディ坂野…。
豪華なのか豪華じゃないのかよく分からない(>_<)

             採点  5.5(10点満点平均6)




『仔犬のワルツ』  第4話

演出:吉野洋
脚本:吉野万理子

今回は今イチだった。
本来は山場となるノッティー(市原隼人)の独白が
あまり盛り上がらなかったからかも。

市原隼人の声ってハマった時は魅力的だけど、
ハマらないと聞きづらいよな。

でも杉浦幸は良かった。
やっぱりこの手のドラマには異常にハマる人だ。

今回、改めて気になったのは安倍なつみの手。
ドラえもんの手みたいだった。
で、ピアノを弾いている手のアップになると細くなる。
なんとかならんか。

フミヨ(菅井きん)の殺害現場を
華子(小柳ルミ子)が目撃しているので、
次回以降、何か新しい動きがあるかもしれない。
ていうか、華子もいつか殺されそうだな。

             採点  5.5(10点満点平均6)




『オレンジデイズ』  第5話

演出:今井夏木
脚本:北川悦吏子

櫂(妻夫木聡)が泣いている所へ
沙絵(柴咲コウ)が来るシーンなんか、
やっぱりうまいよな、北川悦吏子は。
もちろん、手話(字幕)ナシだったら
かなり寒いセリフの応酬ではあるんだけど。

キャンプを“いかにも青春みたいなやつ”と沙絵に言わせたり、
啓太(瑛太)に“いい人で終わっちゃう”と自分を分析させたり、
確信犯的に王道を突き進んでいることを
エクスキューズした描き方は悪くなかった。
こういう客観性はさすがに今の時代、入れた方がいい。

ストーリー的には沙絵のセリフの中にあった
“私、恋はしないしね、もう”が次のフラグか。
もう、ってことは前があったわけだし。

そうなったらやっぱり王道だなあ。

             採点  7.0(10点満点平均6)





<ドラマ別レビュー:2004年4月〜6月編>
 
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