タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第264話「“南くんの恋人”が深田恭子でリメイク」


7月からのテレ朝系木曜9時枠が
内田春菊原作の「南くんの恋人」に決まった。

94年に「月曜ドラマ・イン」、
通称、月8でドラマ化された時のキャストは
高橋由美子と武田真治。
それが今回は深田恭子と二宮和也になる。

前作は岡田惠和の脚本が抜群にうまくて、
ここからテレ朝のコミック原作シリーズが始まったという
記念碑的な作品になった。
果たして今回はどういう仕上がりになるのか?

それにしても21歳の深田恭子、
身長16センチになっても重そうだなあ。




『ワンダフルライフ』  第6話

演出:河野圭太
脚本:福田靖

ジャガーズと桐島(反町隆史)の過去を絡めて
うまくまとめた回だった。
これくらい野球シーンも加わると
作品としての色も出る。

試合後に桐島、みずき(長谷川京子)、
翔(川口翔平)の3人の後ろ姿を見つめる
咲子(木村多江)の表情も悪くなかった。

それだけに反町隆史と長谷川京子には
もっとうまくやれよ、と言いたい感じだけど…。

まあ、それは今さら言いっこなし、ってことで。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『アットホーム・ダッド』  第6話 苦しいときの主夫頼み

演出:塚本連平
脚本:尾崎将也

相変わらず細かい部分は粗いけど内容は悪くなかった。
劇中劇の中で登場人物の心理を言わせるというのは定番中の定番。
でもそこに冴子(滝沢沙織)と健児(永井大)の関係も
バランス良く挿入できたことで変化は出た。

亮太(吉川史樹)の頑張りを描く部分で
もう片方のガラスの靴を突然出すという展開は
さすがに強引すぎたと思うけど。

ラストの“続編を期待させるだろ?”というセリフは面白かった。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『光とともに… 〜自閉症児を抱えて〜』  第6話

演出:佐久間紀佳
脚本:水橋文美江

光(佐藤隆成)がいなくなるエピソードに
様々な要素を絡めてあって、
今回が今までで一番見ごたえがあった。

自閉症を理解していない人の描写は毎回出ていたけど、
今回、自閉症は知っていても
自分が知っている症状が
自閉症のすべてだと思っている人を出したのは良かった。

過去にも自閉症を扱ったドラマが放送されるたびに
その家族からウチの子はあんな行動をしないと
クレームが出たりしていた。
つまり、関係者でさえそのすべてをなかなか把握できないくらい
様々な症例があるのが自閉症。
それをこのエピソードの中でうまく取り入れていた。

でも一番泣けたのはやっぱり光が帰ってくるシーンだろう。
抱きしめたくても抱きしめられない、
その幸子(篠原涼子)のつらさが、
横を素通りしてしまう光とそれを見送る幸子の表情に出ていた。

親が離婚している同級生の環境とリンクさせたことは
またクレームが出るかもしれないけど、
むしろまわりの子供たちに差別的な意識を植え付けないという意味で
良いアプローチだったと思う。

             採点  8.0(10点満点平均6)




『電池が切れるまで』  第五話

演出:藤田明二
脚本:江頭美智留

ああいう考えの校長もいるだろうけど、
もう少し描き方を工夫して欲しかった。

扱っている内容は良くても
ドラマとしての質が今ひとつ上がらない
典型的なシーンかもしれない。

子供に対して一生懸命になりすぎてしまう教師と、
冷静に、大局的に考えようとする
医師の対比を描きたいのは分かるけど…。

病気の子供が車の中にいるのに
川の向こうからサッカーボールを蹴るというのも、
登場人物の感情だけを優先した冷静さを欠く描写だった。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『新しい風』  第6話

演出:松田礼人
脚本:成瀬活雄、後藤法子

真子(ともさかりえ)が逮捕されたエピソードを
あまり引っ張らずに描いたのは良かった。

車椅子の少女のエピソードも
ヘタをすれば下世話になるところだけど、
その直後の昂(吉田栄作)と林原(段田安則)の会話で
うまくテーマに絡めたと思う。

綾(小田茜)と中澤(植木等)のパーツも
ある種の政治の裏側で面白いかも。

多少は持ち直してきた感じか。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『離婚弁護士』  第六話

演出:松山博昭
脚本:武田樹里

女性同士の友情を切り口に
ミムラにスポットが当たった回。
今までで一番シンプルな、
悪く言えばヒネリのない内容だった。

前半に“書き残していたレシピ”というフレーズもあったので、
死因贈与契約の証拠を探す場面は
もう少しドラマチックにすると思ったんだけど…。

たぶん、法律監修的に中途半端なものでは
OKが出なかったんだろうと思う。
ドラマとしてはあそこで盛り上がれば
だいぶ印象も違ったんだけどな。

香織(ミムラ)のキャラクターも
それほど深くは描かれなかった。
とくに金銭感覚に鋭く、
公認会計士を目指しているという背景はまったく。

まあ、柳田(佐々木蔵之介)や大介(玉山鉄二)の回も
同じような感じだったけどね。

やっぱりこのあたりは
田渕久美子が初回で降りてしまったらしいことが影響してるのかな。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『ホームドラマ!』  第6話

演出:酒井聖博
脚本:岡田惠和

光太(西洋亮)のイジメ問題に、
事故被害者たちが一緒に暮らすことに対する
まわりの好奇な目という要素を絡めたのは良かった。

イジメの解決方法自体は答えがないと言ってもいいので、
ラストがああいう形になってしまったのは
ある意味、仕方がないと思う。

ただ、せっかく別の価値観を持って育った人たちが
一緒に暮らしているのだから、
意見として様々なアイディアを出してもよかったのでは、
という気はした。

印象的だったのは、
光太の誕生日会の準備をしている時に
映子(いしだあゆみ)が泣いたシーン。

事故で死んだ息子たちに
誕生日会をしてあげたかったというエピソードは
1・2話できちんと描いていたので、
泣き出した途端にその気持ちは伝わった。

光太自身もサプライズだったパーティーに
もしみんなから嫌われてしまったら
自分はどこへ行けばいいんだろうという不安を抱いたけど、
こうした事故の影を反映させたエピソードの作り方は丁寧で良かった。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『霊感バスガイド事件簿』  第六話 呪われた花嫁

演出:田村直己
脚本:大石哲也

梨花がハマリ役だった。
幽霊姿も、最後にやさしく妹(上原さくら)に話しかける姿も
見事にハマっていた。

“ドロボウ猫!”とか言われるシーンは
ちょっとシュールだったけどな(笑)

今回はホラー的な部分、サスペンス的な部分、
そしてコミカルな部分までバランスが良くて、
非常に見やすかった。

この調子で続けて欲しい。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『仔犬のワルツ』  第6話

演出:大谷太郎
脚本:吉野万理子

拉致被害者家族帰国に関する報道特別番組のため
1時間25分遅れでスタート。
さすがに見逃した人、ビデオ録画を失敗した人は
多かったんじゃないだろうか?

ということで、公式HPでは省略されている
あらすじ(ストーリー)をフォローしつつ。

まず、華子(小柳ルミ子)が学長(竜雷太)に
舞子(三浦理恵子)を殺人現場で目撃したと報告。
舞子と器一(風間トオル)の関係を指摘し、
器一を相続争いに勝たせるために殺人を犯したとも告げた。

しかし、学長は器一からすでに舞子と再婚したいという報告は受けていて、
器一の名前が出たことにはさほど驚かない。
華子に口外しないよう小切手を渡し、
とりあえず舞子をクビにする。

一方、舞子は健二の元恋人ということだったが、
もともとは舞子が健二のファンで、
2人は長年文通していたとのこと。
しかし、器一と唱吾(塚地武雅)との会話で
その文通の相手は器一だったことが明かされる。

殺人犯の疑いがかけられた舞子は
健二殺害の証拠を探すためにバイク工場へ。
事故の数日前、その工場に健二のバイクが持ち込まれていたため、
バイクに細工がされていたのでは、と思ったからだ。

そこで発見したのは芯也(西島秀俊)の履歴書。
芯也が水無月家に養子に入る前、ここで働いていた証拠だ。
しかし、舞子はその履歴書の文字に見覚えがあった!

…まあ要するに、その履歴書は偽造で
器一が作成したのでは? ってことですな。

ピアノバトルには、
唐突に千世(赤座美代子)の妹・由貴(黒田福美)が
覆面をした娘を連れて参加。

金を手に入れる術を得た華子は
知樹(忍成修吾)を勝たせることに興味を無くし、
ここで知樹は脱落することになる。

由貴の娘がどういうポジションで参加してきたのか、
これは今後に持ち越しだ。

華子が殺人現場で舞子を見た、と言っても
実は長い髪の人物を見たというだけで、
真相は分からないまま。
健二の部屋にあるマネキンのカツラをかぶっていただけ、
というのが真実のようだ。

そして、ラストシーン、
舞子が健二の部屋で何者かに襲われ、死体で発見される。
部屋にいたのはワルツ。

ワルツが犯人だったのか!!
…なわけないって。

とにかく、意外にも舞子が先に殺されてしまった。
今のところ怪しいのは器一と芯也だけど、
実際はどうなのか?

今回は内容を詰め込みすぎた感じもあって、
サスペンス部分とピアノバトルが
うまくリンクしていなかった。

言ってみれば、
後半に向けて相続争いに関わるメンバーを
改めて明確にしたという回か。

いずれにしても健二に関する謎が解ける深まる以上、
相続争いにも、葉音(安倍なつみ)の将来にも、
終着点は見えてこない。

…みたいな楽しみ方で今後も見ていこうと思う。

             採点  6.0(10点満点平均6)




『オレンジデイズ』  第7話

演出:生野慈朗
脚本:北川悦吏子

ここまで柿崎(永井大)を
櫂(妻夫木聡)と沙絵(柴咲コウ)の踏み台として描くと
かえって気持ちいいよな。

そういう意味では永井大くらいが
丁度いいキャスティングだったかも。
とてもバイオリンの名手だったとは思えなかったけど…。

まあ、本人も放送が終わったら
速攻でそよ子(山田優)と
モナコグランプリのレポートしてたしね(笑)

それはいいとして、
「愛していると言ってくれ」の頃には無かった
携帯メールでの北川節が今回の見どころか。

バッテリーが切れた展開はさすがにやれやれだったけど
ラストはそれなりにカタルシスがあった。

個人的に好きだったのは
沙絵が初めて柿崎とデートへ行く前のシーン。
沙絵が櫂に靴を投げたりしたところね。
ああいうトーンのシーンが一番うまいと思う、北川悦吏子は。

今回でとりあえず2人の気持ちが確かめ合えたので、
次回はラストへ向けてもう一度2人の関係を沈めるという感じかな。

それにしても、
あゆみ(上野樹里)はパッタリ出て来ないな。
翔平(成宮寛貴)、茜(白石美帆)、そよ子のパーツに
絡めてくるはずだけど、
さすがに放ったらかし過ぎないか?

メインの櫂と沙絵のパーツが良くても、
他があまりにも雑だと全体的な印象は悪くなるので
サブストーリーもしっかり描いて欲しい。

             採点  7.0(10点満点平均6)





<ドラマ別レビュー:2004年4月〜6月編>
 
愛し君へ             フジ系・21時       
ワンダフルライフ         フジ系・21時  
 
アットホーム・ダッド       フジ系・22時         
光とともに…           日テレ系・22時       
電池が切れるまで         テレ朝系・21時
 
新しい風             TBS系・22時       
 
離婚弁護士            フジ系・22時         
ホームドラマ!          TBS系・22時  
 霊感バスガイド事件簿       テレ朝系・23時15分     
仔犬のワルツ           日テレ系・21時        
オレンジデイズ          TBS系・21時

ドリーム 〜90日で1億円〜 





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