タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
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第265話「今度の土9は松浦亜弥で柔道のスポ根もの」
7月からの日テレ系土曜9時枠は
あやや主演の「愛情一本!」に決まった。柔道に挑戦する女子高生(松浦亜弥)と
柔道家の父親(中村雅俊)との対立を
ユーモラスに描くスポ根もの。
他に、山口智充、戸田恵子などが出演する。7月クールの連ドラは途中からアテネ五輪が始まるので
視聴率的な苦戦は必死。
だったらいっそのこと五輪種目の柔道ネタを
あやや主演でやろうという作戦だ。シリアスな作品では過去にもそつない演技を見せていたあやや。
軽い土9枠でどんな演技を見せるのか、注目だ。
『愛し君へ』 第6話 君の街演出:林徹
脚本:坂元裕二八千草薫の出番が増えると
格段に深みが増した。四季(菅野美穂)と並んで寝ながら
庭に植えた花の名前を思い出すシーンは最高だったし、
利也(岡田義徳)のお墓に
バスケットボールの結果を報告するシーンも良かった。良枝(八千草薫)を相手に四季が
本当は俊介(藤木直人)に会いに来ただけかもしれない、
と告げたシーンも、
八千草薫がいたからこそ落ち着いた良いシーンになったと思う。ただ、また舞台は東京に戻ってしまいそう。
この雰囲気を八千草薫抜きでも続けられるかどうかがカギか。採点 7.0(10点満点平均6)
『ワンダフルライフ』 第7話演出:植田泰史
脚本:福田靖桐島(反町隆史)が成長して、
村井(村田雄浩)のような人こそスーパースターだ、
と龍二(村田将平)に言えた流れは良かった。ただ、そこを描くための組み立て方がこれじゃダメだろう。
龍二のキャラ設定も唐突すぎるし、
テレビ番組の使い方はムチャクチャだし…。まあ、最初の3分で今回はダメだと思ったけどね。
各回の前半の描き方は依然として不安定なままだ。採点 5.5(10点満点平均6)
『アットホーム・ダッド』 第7話 出る主夫は打たれる演出:三宅喜重
脚本:尾崎将也どちらが家事をしても
お父さんとお母さんの仲が良ければ嬉しい、
という子供の視点を入れたのは良かった。ただ、今回の話そのものに関しては
連ドラの作り方としてどうかと思う。
和之(阿部寛)が迷いながら主夫の仕事をするのはいいけど、
もう少し感情の時系列を気にして作ってもらわないと…。視聴率は取れてる作品だけど、
こういうところはずっと雑だ。採点 6.0(10点満点平均6)
『光とともに… 〜自閉症児を抱えて〜』 第7話演出:佐藤東弥
脚本:水橋文美江せっかく理解し始めてくれたまわりとの関係を保つために
頑張り過ぎてしまう幸子(篠原涼子)の心情が良く描かれていた。
そしてそれをサポートする雅人(山口達也)や
里緒(小林聡美)たちの気配りも。でも今回の見どころはやっぱり薫(鈴木杏樹)だろう。
光通信を読んで思わず涙を流したシーンは、
一般の視聴者サイドから見れば
今までで一番感情移入できたかもしれない。
だからこそ序盤の薫をもっと丁寧に描いて欲しかった気もするけど…。自閉症に対する誤解や偏見を分かりやすく描写する部分が減って
ドラマ的な質は上がってきた。採点 7.5(10点満点平均6)
『電池が切れるまで』 第六話演出:藤田明二
脚本:遠藤彩見このドラマの子役が豪華なことは周知の事実だけど、
なんと大地役の柳楽優弥がカンヌ映画祭で男優賞を受賞。
作品としては切れかかった電池に
掟破りの充電をするようなニュースとなった。しかし、ドラマを見慣れている者からすると
このニュースは長谷川がメジャーリーグで
通用したような驚きはあったな。長谷川が活躍できるなら
国内にはまだまだ世界で通用する人材がいるぞ、みたいな。今回もそんな豊富な人材の中から永井杏、斉藤千晃にスポットが当たった。
斉藤千晃は「まんてん」で満天の子供時代を演じた子ね。ストーリーは良かった。
今までとは違い、
元気になって退院していく子供達の不安を
院内学級のもうひとつの意味を示しながら描いた。そういう意味ではさとり(財前直見)とも
末永(陣内孝則)とも考え方の違う
相馬(大杉漣)のキャラは効果があった。ただ、やっぱりいつものように仕上がりの雑さは感じたな。
今回はとくに脚本をもっと練っても良かったと思うけど。あと、子役が頑張ってるんだから
吉岡美穂ももう少し頑張れ、とだけ言っておきたい。採点 6.5(10点満点平均6)
『新しい風』 第7話演出:竹村謙太郎
脚本:後藤法子前回の終わりで思わせぶりだった
代議士の妻の涙という下世話なエピソードは
やっぱり引っ張らずに終了。
そして昂(吉田栄作)が選挙に負ける展開となった。これはなかなか見ごたえのあるストーリー。
代議士を目指す者とそれを支える者の違いも垣間見られて
また新たな見どころも生まれそうだ。真子(ともさかりえ)の取材ビデオも
ヘンなお涙頂戴のアイテムとして使わず、
昂の新たな決意を確認させるものとして使ったのが良かった。このドラマ、中だるみはあったけど、
まだ最後まで目が離せないかもしれない。採点 7.0(10点満点平均6)
『離婚弁護士』 第七話演出:田島大輔
脚本:林宏司吉田日出子と藤村俊二という豪華なゲスト。
内容的にも今までで一番バランスが取れていて良かった。前回は最後にアクセントがつけられなかったけど、
今回は織江(吉田日出子)も実は病気だった展開を入れられたことで
ドラマティックな構成になった。序盤から間宮(天海祐希)のお見合い写真エピソードを
笑いを取りながら入れていたことで、
主人公である間宮の結婚観という視点も含ませることができたし。ドラマとしてのストーリー、
内縁関係についての法的な情報、
間宮、事務所のメンバー、そしてゲスト、
それぞれのキャラの使い方、
すべてにおいてバランスが良かった。採点 7.5(10点満点平均6)
<ドラマ別レビュー:2004年4月〜6月編>
月■愛し君へ フジ系・21時
火■ワンダフルライフ フジ系・21時
■アットホーム・ダッド フジ系・22時
水■光とともに… 日テレ系・22時
木■電池が切れるまで テレ朝系・21時
■新しい風 TBS系・22時
■離婚弁護士 フジ系・22時
金■ホームドラマ! TBS系・22時
■霊感バスガイド事件簿 テレ朝系・23時15分
土■仔犬のワルツ 日テレ系・21時
日■オレンジデイズ TBS系・21時
他■ドリーム 〜90日で1億円〜
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