タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第269話「天海祐希が主役で連投」


フジ系「離婚弁護士」で主役を演じている天海祐希が
来期は日テレ系「ラストプレゼント〜娘と生きる最後の夏〜」で
主役を演じることになった。

余命3ヶ月のバツイチ1級建築士が、
かつて捨てた娘に会いに行く…、という話。

最近は多すぎるくらいのこのテーマを、
天海祐希がどう演じるか。
「離婚弁護士」との比較もしながら見てみたい。

ちなみに娘役は
この前の「光とともに…」で光のモノマネをした福田麻由子。




『ワンダフルライフ』  第9話

演出:河野圭太
脚本:福田靖

主人公2人にコメディーセンスがないこともあって
前半はまた見るに耐えない作りだった。
ただ、後半うまく野球と絡めて持ち直した感じ。

桐島(反町隆史)が子供たちと一緒に勉強をするところ、
そして自分の口で翔(川口翔平)に
小学生時代の体験を話したシーンは良かった。

公立の学校ならともかく、
学習塾のあり方としては
香山(森口瑤子)の言っていることの方が正しいと思うけど、
ドラマとして桶川(堀内健)の行動にはカタルシスがあったし。

まあ要するに、
いつものように前半はダメだけど後半で締めた、
という作りですな。

             採点  6.0(10点満点平均6)




『アットホーム・ダッド』  第9話 金の切れ間が主夫の切れ目

演出:塚本連平
脚本:尾崎将也、旺季志ずか

コテコテなのにちょっと泣いちまった。
和之(阿部寛)が手作りパーティーの準備をしているところを
理恵(安藤咲良)と一緒に見ていたはずなのに、
亮太(吉川史樹)だけは分かってないところが
また可愛かったな。

プライドがジャマして
和之が美紀(篠原涼子)からお金を受け取れない、
という部分だけでなくて、
感謝して受け取ったお金を
無駄遣いしない方向まで描いたのが
ドラマの一話としては良かった。

ブレーカーが落ちるシーンも
繰り返し使ったことできちんと笑いにつながっていた。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『光とともに… 〜自閉症児を抱えて〜』  第9話

演出:佐藤東弥
脚本:水橋文美江

里緒(小林聡美)があさがお教室を去っていく理由、
それを幸子(篠原涼子)が受け入れるエピソードを、
最終回ではなく、この段階で描いたことでより深く伝わった。

前回の終わりで振っていた
同級生が光(佐藤隆成)のマネをしてしまうエピソードを加えたことも
連ドラの一話としては効果的。

しかも、桜(武田真治)が
モノマネをする真由子(福田麻由子)に語りかけるシーンは
静かで、心がこもっていて、秀逸だった。

こういう脚本を書かせると水橋文美江は抜群にうまい。

             採点  8.0(10点満点平均6)




『電池が切れるまで』  第八話

演出:常廣丈太(テレビ朝日)
脚本:江頭美智留

龍輔(佐野観世)と母親(高橋由美子)のエピソードに関して言えば
院内学級が舞台である必要性はあまりなかった。

ひとつの母子の話としては悪くなかったし、
龍輔が母親と別れたあと、
何も言わず父親(水口てつ)に抱きついて泣いたシーンは
かなり良い演出ではあったけど…。

ラストへ向けて必要な前振りがいくつかあったとはいえ、
もう少し龍輔が病気で苦しんでいることも絡めて欲しかった。

             採点  6.0(10点満点平均6)




『離婚弁護士』  第八話

演出:松山博昭
脚本:林宏司

センスの良いセリフが多かったなあ。
間宮(天海祐希)と留美(南果歩)が
裁判所を出るところから
留美と誠(池田成志)の寿司屋のシーンまではとくに良かった。

あと、警察署で遺体確認をする時の
天海祐希の芝居が細かくて良かった。

全体的にも込み入った依頼の割には
静かに淡々と描いたところがすごく効果的だったし。

一郎〜七子(全部、ト字たかお)のインチキ兄弟は
コテコテだけど良いアクセントになっていたと思う。
最後にもうワンカットだけ何か入れた方がよかったかな。

旦那が失踪して落ち込んでいるのに
女性がひとりで寿司屋に入るかなあ、とか、
9年前から携帯電話の番号が変わってないんだ、とか、
段ボールの外に日付が書いてあるなら
あんなに段ボールをひっくり返さなくていいんじゃないか、とか、
細かいツッコミ所はあった。

でもトータルでは今回もバランスが取れていて
非常に見ごたえがある回だった。

ちなみにスポット参戦の子役は小池梨緒。
東俳か?

             採点  7.5(10点満点平均6)




『新しい風』  第9話

演出:松田礼人
脚本:後藤法子

進民党は26区から候補者を出さなかった。
まあ、従来の政治セオリーに乗っ取れば
ある意味、当然の作戦か。

ということで選挙戦には時間を割かずに描けたわけだけど、
もう少し当落の差や大衆党の様子を
描いてもよかったんじゃないかな。
あと、真子(ともさかりえ)の絵本の出来も。
いくら2度目の選挙戦と言ってもあっさりし過ぎていた。

ただ最後、黒川(寺田農)に
“国民に嘘をついても組織に戻りたくなる。
 政治とはそういうもの”
とハッキリ言わせたのはインパクトがあった。

あと2話。
無所属の立場で政治を変える、
あるいはそのための具体的な方法まで描ければ、
それはそれで面白いかもしれない。

今回の昂(吉田栄作)と昂の父親のエピソードは、
昂が政治家を目指すことにした動機の一部でもあるので
入れる意味は大きかったと思う。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『ホームドラマ!』  第9話

演出:酒井聖博
脚本:岡田惠和

将吾(堂本剛)たちが事故で失った命の再生を
仁美(酒井若菜)の子供に求めてしまうという
事故に関連したエピソードと、
家族の絆、新しい家族の誕生を
自然な流れで描いていた。

そこに血のつながった家族ではないからこそ生まれる
翔子(井上真央)の微妙な感情を絡めたことで
ストーリーに起伏も生まれたと思う。

翔子がやむを得ず連れてきた友達の彼氏が加藤成亮(NewS)で、
“ジャニーズ系だし”
と堂本剛の前で言わせたのはシュールだったな。

前回で描いていた問題を
時間を経過させることでとりあえず終了させていたけど、
家族を描くというテーマに沿ったことなので
このやり方はアリだったと思う。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『霊感バスガイド事件簿』  第九話 1/24秒の悪魔

演出:麻生学
脚本:小川智子

恨んでいると思っていたら
守ろうとしている幽霊だった、
というのは第六話と同じ。

最終的に充代(佐藤藍子)を絞め殺そうとしたのは
ストーカーっぽいマスター(五代高之)だったことと、
8ミリフィルムの殺人シーンが念写ではなく
充代の母に起きた事件だったというあたりがわずかなヒネリか。

でもまあ、まとまりはあった方かも。
脚本も今回はそんなに悪くなかった。

菊川怜はとにかく色気がないけど、
このキャラはかなり自分のものにしてきたと思う。

             採点  6.0(10点満点平均6)





<ドラマ別レビュー:2004年4月〜6月編>
 
愛し君へ             フジ系・21時       
ワンダフルライフ         フジ系・21時  
 
アットホーム・ダッド       フジ系・22時         
光とともに…           日テレ系・22時       
電池が切れるまで         テレ朝系・21時
 
新しい風             TBS系・22時       
 
離婚弁護士            フジ系・22時         
ホームドラマ!          TBS系・22時  
 霊感バスガイド事件簿       テレ朝系・23時15分     
仔犬のワルツ           日テレ系・21時        
オレンジデイズ          TBS系・21時

ドリーム 〜90日で1億円〜 





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