タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第270話「“アットホーム・ダッド”視聴率、19%超」


「アットホーム・ダッド」の視聴率が
第10話で19%を超えた(関東)。
1話だけの視聴率では
「愛し君へ」の初回に続く2番目に高い数字。

やっぱり見やすいんだろうな。
ホントはもっとうまく作れたと思うけど…。

トータルで「オレンジデイズ」を超えるかどうか、
それはそれで興味深い。



『仔犬のワルツ』  第9話

演出:長沼誠
脚本:吉野万理子

予想がことごとくハズレ!
でもいい。
いいと思えるものがこのドラマにはあるから。

まずピアノバトルで落ちたのは聖香(松下奈緒)だった。
最後の器一(風間トオル)の行動には前振りがあったので納得。
でも死んじまったか。
聖香が可哀想。

次に幸子は知樹(忍成修吾)だった!
…これはちょっとな。

6話では一緒に試験を受けていたので
その後に入れ替わったということなんだろうけど、
隠れて胸パットを入れてる知樹を想像すると引くよ。

今後は知樹をどう使うつもりなんだろう。
ここはちょっと読めないな。
まあ、読んでもどうせまた外れるからいいんだけど。

そんなことより最大の焦点は
律子(杉浦幸)が葉音(安倍なつみ)の母親!?
という問題だ。

16歳で実の兄である健二の子・葉音を産んだのか。
でもこれは最後に覆されるだろう。
本当にそうだったらそれこそ見てる方はドン引きだし。

ヒロインである葉音が何だかの形で最後は救われる、
そこだけは守らないとな。

もう何でもアリ状態になってきたけど、
気にしない、気にしない。
ていうか、気にしてると大事なメッセージを聞き逃すぞ。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『オレンジデイズ』  第10話

演出:今井夏木
脚本:北川悦吏子

「愛していると言ってくれ」と同じようなラストになりそう。
あの時は晃次(豊川悦司)に比べて
紘子(常盤貴子)があまりにも子供だったので
時間を経過させた意味はあったんだけど…。

沙絵(柴咲コウ)がドイツへ行くことに決めた理由は納得できた。
真帆(小西真奈美)の再登場も
櫂(妻夫木聡)と真帆の関係だけを見れば
意味はあったと思う。

でも全体的なストーリーとしては
作為的になりすぎた感もあるな。

櫂と沙絵が別れ話をするシーンは良かった。
“そんな泣けること言うのは反則だよ”
というセリフさえなければ…。

あれで一気に冷めた。
たぶん北川悦吏子自身が
もうこの世界に浸ってるんだろうな。
登場人物の言葉というより、
横にいる北川悦吏子の言葉のようだった。
まあ、今に始まったことじゃないけど。

主演が妻夫木聡と柴咲コウで本当に良かった。
2人に助けられている部分は相当にあると思う。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『愛し君へ』  第9話 母へ

演出:林徹
脚本:坂元裕二

諒子(黒谷友香)の再登場も
こういうポジションならOKか。

ただ、もう少しやわらかく描いてもよかったと思う。
病院で四季(菅野美穂)と話す時の腕組みはちょっとな。
せっかく4話で諒子のキャラを丁寧に描いたんだから、
諒子なりの気持ちを前面に出して
俊介(藤木直人)との復縁を望んだ方がよかった。

諒子の再登場で変化した俊介と四季の関係にしても、
お互いに子供を愛する
鉄雄(泉谷しげる)と良枝(八千草薫)の心理にしても、
両方の考え方が分かる描き方ができたのは
今回、最もポイントが高かった点。

四季が俊介を想う気持ちを、
降谷(時任三郎)が病院の子供たちに接する時の
四季の気持ちを例に出して
鉄雄に説明したシーンもなにげに良かった。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『ワンダフルライフ』  第10話

演出:北川学
脚本:福田靖

みずき(長谷川京子)の恋心と
桐島(反町隆史)の今後を絡めた内容。

全体的なまとまりは悪くなかったけど、
ドラマの設定から言っても内容に意外性はなく、
ジャガーズの出番がほとんどなかったので
作品の特性も出なかった。

野球の専門的なアドバイスなどは
どんな役者が演じても格好悪いものなので、
このへんは大目に見てあげたい。

でもそれ以外は…。
とくに長谷川京子は頑張り所だったんだけどな。

ラスト2回、
ジャガーズをしっかり絡めてまとめて欲しい。

             採点  5.5(10点満点平均6)




『アットホーム・ダッド』  第10話 主夫に暇なし

演出:三宅喜重
脚本:尾崎将也

主人公が成長して元の職場から声がかかるという
ストーリー展開としては「ワンダフルライフ」と同じ。
ただ、こちらの方が子供をうまく絡めていたので内容に深みが出た。

しかも、理絵(安藤咲良)が忘れ物を届けようとするシーンで
和之(阿部寛)にも美紀(篠原涼子)にも
余計なセリフを言わせなかったところが良かった。

あそこでヘンに感動させようと畳み込んだりせず、
和之と美紀の眼差しだけで表現したのは正解だった。

個人的には理絵がひとりで出ていくところを見ていたにもかかわらず、
ついていくわけでもなく、
ただ黙って見ていた亮太(吉川史樹)がツボ。

ダメダメだけどお前が愛おしい。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『光とともに… 〜自閉症児を抱えて〜』  第10話

演出:佐久間紀佳
脚本:水橋文美江

前回の“光より1日でも長く生きたい”という
幸子(篠原涼子)の言葉を受けて、
里緒(小林聡美)が言った、
手を貸すのは母親でなくてもいい、
いろんな人の手を借りればいい、
そういう未来が待っていればいい、
というセリフが良かった。

光(斉藤隆成)が川見(市川実日子)と一緒に
初めて買い物に出るこのシーンは良かったな。

NHKの「抱きしめたい」は、
このどうしようもない現実を
姉の決意を通して描いていたわけだけど、
今回の里緒のセリフも川見を絡ませることで
単なる理想論という印象を和らげていた。

檜治(大倉孝二)に関しては、
やはりサブキャラクターなので
どうしても唐突な感じが出てしまうのが残念だった。

             採点  7.5(10点満点平均6)





<ドラマ別レビュー:2004年4月〜6月編>
 
愛し君へ             フジ系・21時       
ワンダフルライフ         フジ系・21時  
 
アットホーム・ダッド       フジ系・22時         
光とともに…           日テレ系・22時       
電池が切れるまで         テレ朝系・21時
 
新しい風             TBS系・22時       
 
離婚弁護士            フジ系・22時         
ホームドラマ!          TBS系・22時  
 霊感バスガイド事件簿       テレ朝系・23時15分     
仔犬のワルツ           日テレ系・21時        
オレンジデイズ          TBS系・21時

ドリーム 〜90日で1億円〜 





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