No.313 黒斑山と篭ノ登山 平成25年(2013年)10月11日〜12日 |
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第2日(篭ノ登山登山)=高峰温泉〜水ノ塔山2202m〜東篭ノ登山2227m〜西篭ノ登山2212m〜東篭ノ登山〜兎平(池ノ平駐車場)〜高峰温泉(入浴)-《JR高速バス》-新宿 【歩行時間: 第1日=4時間 第2日=4時間30分】 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページ(高峰温泉)へ 山の仲間たち(山歩会)と、高峰温泉に1泊して浅間連峰の一角(浅間山の西側・上信国境)をまったりと歩いてきました。お天気とメンバーに恵まれて、とても楽しい2日間でした。 第1日目(10月11日)は、車坂峠(高峰高原)から表コースを辿って黒斑山(くろふやま・2404m)へ、午前9時半頃から歩き始めました。ガスっていて、一時はどうなることやらと危惧しましたが、嬉しいことに間もなくカラッと晴れて、トーミの頭や黒斑山の山頂からは大展望を楽しむことができました。 浅間山の初冠雪は例年10月下旬頃とのことで、積雪の縦縞が美しい、例の独特な景観を見ることができなかったのが、まぁ覚悟の上とはいえ、ちょっと残念でした。 復路は中コース(林間コースです)を下り、高峰温泉に着いたのは午後3時頃でした。 第2日目(10月12日)は、7時半からの宿の朝食後、ゆっくりと支度して、まず水ノ塔山(みずのとやま・2202m)に登ります。この日もすっきりとした秋晴れで、八ヶ岳連峰や富士山など、よく見えていました。水ノ塔山のこじんまりとした山頂部には、灌木化したクロベ(ネズコ)が目立ち、アカミノイヌツゲが赤い実をつけていました。 水ノ塔山から吊尾根状の七千尺コースを辿って、東篭ノ登山(ひがしかごのとやま・2227m)へ向かいます。赤ゾレと呼ばれる古い火口壁の尾根道で、変化もあり展望もありで、楽しく歩けます。 一等三角点のある東篭ノ登山から西篭ノ登山2212mを往復して、池ノ平駐車場がある兎平に下山したのは午後2時頃でした。ここから湯ノ丸高峰林道を辿って高峰温泉までは小1時間ほどの歩程です。 高峰温泉で、16時17分発の新宿行きのJR高速バスの待ち時間を利用して、再び湯に浸かります。私は前夜3回と今朝1回入浴していますので、2日間合計で5回入浴したことになります。甘露甘露、命と心の洗濯ができました。 今回の山行、カラマツの黄葉にはちと早めでしたが、ナナカマドやドウダンツツジが紅葉の見ごろを迎え、ダケカンバもほどよく色づいていました。そして、クロマメノキ(アサマブドウ=浅間ベリー)とシラタマノキがちょうど食べごろで、どこで休憩しても、辺りには必ずそれらがたくさん実っています。つまり、おやつや食後のデザートには事欠きません。少しですが、ガンコウランの黒い実も甘酸っぱく実っていました。それらの実は、本来は当地の小鳥などの野生動物たちのものです。私たちは、でも、食べてしまいました。…小鳥さんたち、ごめんなさい。 両日ともコースタイムは4時間強程度で、私たち中高年が余裕をもって楽しめるには、ちょうどいいボリュームだと思いました。 * 今回の(自然観察の)メインテーマは、この地に自生しているカラマツの、その陽樹(先駆種)としての生き様についてでした。火山の噴火や台風などの強風や山崩れや山火事などの“森林の撹乱”で、ポッカリと開いた明るい空間(ギャップ)を渡り歩く、カラマツの強さや脆さについて、じっくりと勉強しました。森林の撹乱は、種の多様性を維持するために大きな貢献をしているのです。 長野県や山梨県などの本州中部の、本来は亜高山帯から高山帯に分布するカラマツですが、実際は、そのほとんどが植林です。温暖化により成長不良になったり、対陰性の強いシラビソやコメツガなどの極相種に駆逐されて、天然のカラマツは瀕死の状況なのです。だから“自生しているカラマツ”というのは案外と珍しいのです。 その貴重なカラマツの自然林を観察して、みなさんそれなりに感動されたようです。森林インストラクターの私としては、冥利に尽きるひとときでした。 佐知子の歌日記より 歓声に応えるごとく浅間山 少しずつ出す細い噴煙 風強くからまつの葉の舞いにけり リュックの中に黄葉を見る 浅間ベリーつまみながらの山ガール 霧のち晴れのなごやか登山 *** 浅間山周辺の山々について、他の山行記録も参照してみてください *** 小浅間山(R2年10月) 烏帽子岳と湯ノ丸山(H19年10月) 水ノ塔山から籠ノ登山(H6年10月) 黒斑山(H10年10月) 前掛山(H19年10月) 浅間隠山(H6年8月) 鼻曲山(H6年8月) 高峰温泉については黒斑山の項を参照してみてください。
黒斑山の山頂から浅間山を望む 左から鋸岳、仙人岳、浅間山、剣ヶ峰 このページのトップへ↑ ホームへ |