タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“ＴＶドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのＴＶドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
ＴＶドラマを見続けていくでしょう」（田中）
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第254話「４〜６月期のラインナップ」
優れたテレビドラマの脚本家を表彰する向田邦子賞。
先日、2003年度に放送された作品を対象とする
第22回向田邦子賞が発表された。
ノミネートされたのは、
「マンハッタンラブストーリー（宮藤官九郎）」
「すいか（木皿泉）」
「僕と彼女と彼女の生きる道（橋部敦子）」
「さとうきび畑の唄（遊川和彦）」の４作品。
そして受賞したのは「すいか」の木皿泉だった。
正しい。この受賞は正しい。
さて、2004年度最初のクールとなる４〜６月期。
「すいか」に負けない作品は生まれるのか。
…ちょっとムリそうかな(^_^;)
『ホームドラマ！』 4/16〜
ＴＢＳ系 金曜10時 期待度 ★★★★☆
ツアーバスの事故で愛する者を亡くした人たちが
同じ一軒家に住み大家族を作っていく。
タイトル通り家族の意味を問うヒューマンドラマ。
堂本剛とユースケ・サンタマリアの共演で、
コミカルな部分も入れていく模様。
堂本剛は恋愛モノではない時の方がいいし、
脚本も岡田惠和なので期待できそうだ。
「てるてる家族」の春子・紺野まひると
夏子のモデルとなったいしだあゆみも共演する。
『オレンジデイズ』 4/11〜
ＴＢＳ系 日曜９時 期待度 ★★★★☆
就職活動中の大学生と、
かつてはバイオリニストとしての将来を嘱望され
今は聴覚を失った女子学生のラブストーリー。
脚本は北川悦吏子。
個人的に北川悦吏子が書くセリフには
ここ数年、寒気が止まらないけど、
「愛していると言ってくれ」から９年、
携帯メールがある時代に手話を恋愛物語でどう使うのか、
非常に興味がある。
美しい顔、美しい指で
下品な手話を平然と使う女子大生に（←この設定がすでに寒いんだが）
柴咲コウ。
年上の彼女（小西真奈美）がいるものの、
柴咲と出会うことで毎日に変化が訪れる大学生に
妻夫木聡。
今期のビッグタイトルであることは間違いないので
素直な気持ちで見てみよう。
『愛し君へ』 4/19〜
フジ系 月曜９時 期待度 ★★★★☆
映画化されて大ヒットした
さだまさし原作の「解夏」をドラマ化。
企画は映画と同時進行していたようで、
映画がヒットしたからドラマも、
というスタンスではなさそう。
原作や映画と違い、
視力を失ってしまう恋人を支える女性側の視点で描く。
映画では石田ゆり子が演じていたその女性役は菅野美穂。
研修医ということで医学知識があるという設定に変わっている。
ベーチェット病で視力を失う男性には大沢たかおではなく藤木直人。
こちらもカメラマン役ということで、
より視力を失うことが深刻な問題として影響する設定に変わる。
個人的に映画は不満点が多々あったので
このドラマ化に期待したい。
『光とともに… 〜自閉症児を抱えて〜』 4/14〜
日テレ系 水曜10時 期待度 ★★★★☆
同名の大ヒットコミックをドラマ化。
自閉症児を抱えながら
周囲の人々の力を借りて力強く生きていく
若き母親の姿を描く。
母親役に篠原涼子。
彼女を支える教師役に小林聡美。
難しい自閉症児の役を担当するのは
「砂の器」で和賀の少年時代を演じた斎藤隆成。
まだまだ誤解の多い自閉症を
家族を軸に正しく扱ったドラマとしては
ＮＨＫの「抱きしめたい」が記憶に新しいけど、
それに勝るとも劣らない作品になる予感はある。
脚本は「太陽は沈まない」「ビギナー」の水橋文美江。
メイン演出は「すいか」の佐藤東弥。
『電池が切れるまで』 4/22〜
テレ朝系 木曜９時 期待度 ★★★☆☆
ベストセラーとなった
長野県立こども病院・院内学級で学ぶ子供たちの詩画集と
そのドキュメンタリーが原作。
田中康夫知事に交渉し、
原作の舞台となった病院でもロケをしているという。
院内学級へ赴任してきた国語教師・財前直見と
彼女と対立する医師・陣内孝則を中心に、
命の大切さを描く。
テレ朝は普通のドラマを作るとダメだけど、
極端なコミックドラマか
実話ベースの感動モノを作ると精度が高い。
なのでこれも外さないと思う。
「こころ」の倖、黒川智花も
院内学校の生徒役で出演する。
『離婚弁護士』 4/15〜
フジ系 木曜10時 期待度 ★★★☆☆
大手事務所から独立した女性弁護士が
壁にぶち当たりながらも成長していく物語。
主演は天海祐希。
「ビギナー」で司法修習を終えたのに
残念ながら事務所の受付役となったミムラ、
他にも玉山鉄二、佐々木蔵之介、津川雅彦などが出る。
番宣ＣＭではノラ・ジョーンズが流れているけど、
あれは挿入歌で主題歌はhitomi。
あのＣＭの雰囲気ならいいのにな。
まあ、天海祐希の弁護士役は似合いそうなので見る価値アリか。
『新しい風』 4/15〜
ＴＢＳ系 木曜10時 期待度 ★★★☆☆
新聞記者の夫が突然、政治家を目指すことになり、
普通の主婦が代議士の妻となる話。
報道では伝えられない政治の裏側を描く。
主演はともさかりえ、吉田栄作。
先妻との間に生まれた娘役で
「あした天気になあれ。」の実々、
森迫永依も出る。
今、政治の話はうまく作ればかなり面白くなるはず。
植木等、橋爪功、野際陽子、伊藤蘭、
段田安則、新山千春、小田茜など、
脇もかなり豪華なので期待できるかも。
『アットホーム・ダッド』 4/13〜
フジ系 火曜10時 期待度 ★★☆☆☆
阿部寛と宮迫博之が共演する
専業主夫をテーマにしたホームドラマ。
阿部寛の妻役が
「光とともに…」とダブルブッキングの篠原涼子。
宮迫博之の妻役がオセロの中島知子。
主要キャストはすごく興味深いんだけどスタッフが心配。
ＭＭＪの制作だし。
役者でうまく笑いを取ってくれれば
今期の大穴になる可能性もアリか。
『仔犬のワルツ』 4/17〜
日テレ系 土曜９時 期待度 ★☆☆☆☆
モー娘。を卒業した安倍なつみが連ドラ初主演。
盲目の天才ピアニスト役で、
相続争いに巻き込まれていく。
視力を失うカメラマンやら
聴力を失ったバイオリニストやら
今期も同じ系統の作品が並んだけど、
こちらは陰湿なイジメ、兄弟の相続争いなどを絡めて
不幸をエンターテイメントしていく感じ。
一応、愛と感動のドラマ、
ということになってるけど…。
土曜９時枠だしね。
あの杉浦幸や
ドランクドラゴンの塚地も出るので
別の楽しみは持てそう。
『ワンダフルライフ』 4/13〜
フジ系 火曜９時 期待度 ★☆☆☆☆
性格は最悪のプロ野球スター選手が球団をクビになり
借金返済のためやむなく少年野球チームの監督に。
どん底に落ちたスーパースターの再生と
弱小少年野球チームの成長をコミカルに描く。
主演は反町隆史、相手役は長谷川京子。
設定も危険だがこのコンビも危険だ。
反町はコミカルな演技がキツイし、
長谷川京子は…。
どうなることやら。
『霊感バスガイド事件簿』 4/16〜
テレ朝系 金曜11時15分 期待度 ★☆☆☆☆
赤川次郎の「怪異名所巡り 神隠し三人娘」を原作にした
一話完結のホラーミステリー。
霊感のあるバスガイド役に菊川玲。
彼女が心霊バスツアーのガイドに任命され、
怪奇現象の裏に隠された事件を解決していく。
深夜ドラマの企画としては悪くない。
でもさすがにＢ級の匂いは消せない。
菊川玲もどんどん安くなっていくけど大丈夫か？
＜ドラマ別レビュー：2004年4月〜6月編＞
月■愛し君へ フジ系・21時
火■ワンダフルライフ フジ系・21時
■アットホーム・ダッド フジ系・22時
水■光とともに… 日テレ系・22時
木■電池が切れるまで テレ朝系・21時
■新しい風 TBS系・22時
■離婚弁護士 フジ系・22時
金■ホームドラマ！ TBS系・22時
■霊感バスガイド事件簿 テレ朝系・23時15分
土■仔犬のワルツ 日テレ系・21時
日■オレンジデイズ TBS系・21時
他■
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