No.323 尾瀬沼と大江湿原 平成26年(2014年)8月8日〜9日 |
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第1日=新宿駅新南口(代々木駅東口)7:20発-《関越交通・高速バス「尾瀬号」》-11:30大清水12:30〜一ノ瀬休憩所〜三平峠〜15:40長蔵小屋 第2日=長蔵小屋7:15〜(尾瀬沼畔散策)〜大江湿原〜沼山峠〜10:10沼山峠休憩所10:40発-《バス40分》-11:20桧枝岐(温泉入浴+観光)14:50発-《バス75分》-16:05会津高原尾瀬口駅16:23発…浅草19:15着 |
第1日目(8/8・曇りのち雨): 大清水から尾瀬沼へ 関越交通の高速乗合バス「尾瀬号」は、定時の11時30分に大清水の休憩所前に着いた。ここは標高約1180mで、尾瀬の表玄関のひとつだが、天気予報が良くないせいか、今日は閑散としている。登山口のある一ノ瀬休憩所までは距離にして約3km・歩行時間にして1時間弱のだらだら上りだが、(試験的に)低公害タクシーが走っていた。ベンチでお弁当を食べているときに他の登山者から相乗りを勧められたが、私たちはもちろん(まだ元気なので)歩くことにする。少しでも儲けたい、と思う地元の気持ちは充分に理解するけれど、どうしてこんな山奥にまで文明の利器(タクシー)を利用しなければいけないのか、ちょっと疑問かも…。 |
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三平峠でウン回目の中休止 |
@ 一ノ瀬休憩所で一休みしてから登山道へ入り、ミズナラ、ブナ、ヤマハンノキ、ヤハズハンノキ、サワグルミ、トチノキ、ナナカマド、カエデ類、…などの樹林帯を登る。高度が上がってくるとコメツガ、シラビソ、オオシラビソ、ネズコ、トウヒ、ダケカンバなどの亜高山型の樹種も増えてくる。林床はクマイザサ(葉の裏に毛有り)とネマガリダケ(毛無し)だ。そのネマガリダケ(チシマザサ)が徐々に優勢になる。なんだかとてもいい感じだ。足元にはキツリフネやソバナが咲いている。 三平峠1762mで休憩していたら、やっぱり雨が降り出した。 |
三平下から尾瀬沼畔を歩く |
A 三平峠からゆるやかに下り切った処が三平下で、ここから長蔵小屋までは尾瀬沼東岸沿いの木道を東へ約20分ほど進む。尾瀬沼はなんとか見えているけれど、燧ヶ岳の雄姿はモヤの中だ。辺りの湿原にはモミジカラマツ、マルバダケブキ、コバギボウシ、コオニユリ、キンコウカなどが今を盛りに咲いている。…やがて本降りになってきた。 長蔵小屋での夕食後は、近くの尾瀬沼ビジターセンターでスライドショーを楽しんだりして、尾瀬の自然などについて少し勉強する。 長蔵小屋のHP 尾瀬沼ビジターセンターのHP |
第2日目(8/9・高曇り): 尾瀬沼畔を散策して沼山峠へ |
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尾瀬沼と燧ヶ岳 |
B 薄っすらと朝焼けで、どうやら雨は降っていない。長蔵小屋の裏手にある尾瀬沼畔から燧ヶ岳を眺めたりして、清々しい山の朝をたっぷりと楽しむ。小屋で栽培しているのだろうか、裏庭のヤナギランが見ごろを迎えていた。 6時からの朝食後、ゆっくりと準備して歩き始める。小屋の受付係の話だと、台風11号は北へ逸れて、本日は“曇り”の天気予報とのこと。随分と迷ったが、午後からは雷の心配もあったりで、燧ヶ岳登山は次回のお楽しみ、ということにした。山は逃げない! 歳は逃げるけれど…。 |
沼畔の森(コメツガの巨木) |
C 尾瀬沼の東岸を時計と反対回りで歩く。大江湿原から沼山峠へ至る道を右に確認して、燧ヶ岳登山の長英新道も(ちょっと恨めしい気持ちで)右に分け、小広い浅湖(あざみ)湿原を通過する。コオニユリ、オゼミズギク、オタカラコウ、サワギキョウ、タムラソウ…など、湿原の花たちをたっぷりと観賞する。浅湖湿原を通過すると暫く樹林の中を歩くが、コメツガの巨樹が特に印象的だった。 小川を渡るときにはイワナが群れて泳いでいるのを発見! 誰かが餌付けをしてしまったものか、私たちが小さな橋の上で立ち止まっていると、近寄ってきて口をパクパクさせていた。 |
大江湿原の木道を進む |
D 尾瀬ヶ原も近い沼尻の少し手前で踵を返す。沼山峠のバスの時間に間に合うためにも、余裕をもった“時間管理”が必要なのだ。 縦長の大江湿原は思っていたよりもずっと広い高層湿原で、名物のワタスゲやニッコウキスゲはその旬を過ぎていたけれど、オタカラコウ、イワショウブ、ミヤマワレモコウ、ミヤマシシウド、そしてここでもコオニユリやコバギボウシやサワギキョウなどがきれいに咲いていた。 尾瀬沼周辺の花・写真集 |
沼山峠の展望台にて |
E 樹林帯を登っていくと少し開けたところへ出るが、ここが沼山峠の展望台だ。見晴しは左の写真の通りで、尾瀬沼の上に荷鞍山2024mと皿伏山1917mがちらっと見える程度だ。皿伏山の右奥に位置する至仏山は、見えそうで見えない。 沼山峠のピーク(標高約1790m)はこの少し先にあるが、それを示す標識は無い。オオシラビソなどの林を(標高差にして約90m)木の階段で下ると、午前10時、沼山峠休憩所…つまり“尾瀬沼山峠のバス停”へ到着した。 今回のコースは旧・沼田街道の一部になっていて、かつては会津と上州とを結ぶ交易路として利用されていたという。 |
桧枝岐村の六地蔵 |
F 帰路は、沼山峠から会津鉄道(野岩鉄道)の会津高原尾瀬口駅までのバスを桧枝岐村で途中下車した。 なつかしの桧枝岐で、まず「駒の湯」で山の汗を流してから、六地蔵や桧枝岐歌舞伎の舞台などを見学したり「裁ちそば」を賞味したり…、まったりと過ごした。甘露甘露だ。 桧枝岐村のHP * 久しぶりの“遥かな尾瀬”は、やっぱり何時来てもそれなりにいい処だなぁ、と思った。そんないい方(それなりに〜)は、超人気の尾瀬に対して失礼なことなのかもしれないけれど…。 |
棘のないタムラソウ:浅湖湿原にて |
コオニユリ:大江湿原にて |