タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第245話「金10は剛とユースケの“ホームドラマ!”」

4月からのTBS金曜10時枠は
堂本剛とユースケ・サンタマリアが共演する
「ホームドラマ!」が放送される。

海外の観光バス事故で生き残った8人が
家族のように一軒家で暮らすという設定で、
剛はその血のつながらない家族の次男を演じる。

脚本は岡田惠和。
堂本剛は恋愛ドラマじゃない方が
いい味を出しそうな気がするので、
ちょっと期待してみたい。



『彼女が死んじゃった。』  第7話

演出:猪股隆一
脚本:一色伸幸

携帯巡りで出会う人々が語る各エピソード自体は
ひとつの断片に過ぎないんだけど、
そこから引き起こされる、ハジメ(長瀬智也)、
玲子(深田恭子)、良夫(香川照之)の心の動きは
非常に繊細に描かれてきた。

だからこそ最後に登場した
ゆかり(木村佳乃)のホロコムには
インパクトがあった。

“この私は永遠です”
その言葉を3人がそれぞれの想いで聞いたと思う。
これまでの描き方はここに説得力を持たせるものだった。

ラスト2話。
どんな締め方をするんだろうか?

             採点  7.5(10点満点平均6)



『砂の器』  第7話

演出:福澤克雄
脚本:龍居由佳里

結局、最大の焦点だった和賀(中居正広)の宿命は
オリジナルにする感じ。
父親の名前を聞いただけで
刑事の今西(渡辺謙)が理解したということは、
父親が犯罪者で、和賀は犯罪者の息子なのかな。

うーん、だったら「砂の器」は原案にして
別のタイトルでやるべきだったような気がする。
まあ、営業的には「砂の器」を前面に出した方が注目を浴びるので
当然の戦略とも言えるわけだけど…。

証拠となるジャケットを持ったあさみ(松雪泰子)が
今西たちに事件当夜のアリバイを聞かれて、
和賀の家に泊まったと答えたシーンは、
それなりに緊迫感があって良かった。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『プライド』  period 8

演出:澤田鎌作
脚本:野島伸司

“プライドを捨てられるのもプライド”は
そのまま「彼女が死んじゃった。」でも使っていたので、
大事なセリフでかぶってしまった格好。

いずれにしても、亜樹(竹内結子)との関係を
“過ちは無かった。真実で結ばれた”と
夏川(谷原章介)に告げたハル(木村拓哉)と、
“つまらない女と嫌われる前でよかった”と言う亜樹が
今後、どうなるのか。

次回、なぜ亜紀が夏川を2年間も待っていたのか、
待たなければいけなかったのが語られる、と思う。

大和(坂口憲二)と百合(中越典子)の関係、
そこに絡む山本(山下徹大)の存在は問題ないけど、
兵頭(佐藤浩市)の言う“氷の女神”を
このストーリーにどうムリなく組み込んでいくのか。
そこに注目したい。

             採点  6.0(10点満点平均6)



『乱歩R』  第8話「化人幻戯」

監督:五木田亮一
脚本:横田理恵、長川千佳子

1時間だとストーリーをなぞるだけで
人物描写に深み出ない。
なこと今さら言ってもしょうがないけど。

ていうか、
本上まなみって葉月里緒奈にちょっと似てない?
ツルっとしてるところが。
…似てないか。

ラスト2回は「怪人二十面相」。
前後編でやるらしいので最後に期待しよう。

             採点  5.5(10点満点平均6)



『ファイアーボーイズ・め組の大吾』  9

演出:成田岳
脚本:吉田智子

ポンプ隊の最年長、植木(モロ師岡)が
フラッシュオーバーに巻き込まれて死ぬという展開に。
消防官の仕事の厳しさを伝える意味では
必要なエピソードだった。

で、その描き方は
良くも悪くもこのドラマらしかった。

あとでいくらでも感動的なシーンは作れるんだから
あの事故のシーンは情よりも緊迫感に重点を置いた
描き方をした方がいいのにな。

ここは泣くシーンですよ、
という場面が延々と続いたのは残念だった。

まあ、こういう作り方が
「ファイアー・ボーイズ」なんだけどね。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『僕と彼女と彼女の生きる道』  第9話

演出:三宅喜重
脚本:橋部敦子

やり直したいと言う徹朗(草なぎ剛)の言葉を
可奈子(りょう)は受け入れず、
2人の関係は家裁の調停から審判という
「クレイマー・クレイマー」状態へ。

その中で今回は主に
徹朗の迷い、不安、イラつきが描かれた。

前回もそうだったけど、
変わったはずの徹朗の不完全さが
所々で描かれている部分がいい。

今回で言えば、
レストランで同僚に陰口を言われるシーンや
ドラッグストアでクリームを買うシーンなどで、
徹朗のプライドを捨てる難しさが出ていた。
これは今期の連ドラの統一テーマか?(笑)

注目だった義朗(大杉漣)の心境にも変化が。
ただ、ここはもう少し丁寧に描いた方がよかったような気がする。
少なくとも今回の中で義朗自身に
“知らなかったよ、徹朗があんな顔して笑うなんて。
 あれが父親の顔というものなのか”
というセリフは言わせなくてもよかったんじゃないかな。

可奈子が母(長山藍子)と暮らすことになって
可奈子と母の生き方も対比ができるようになった展開は
良かったと思うけど。

ラスト2回、
親子の絆、夫婦の絆を描いている作品だけに、
ストーリー的にはゆら(小雪)をどう使うかに
興味が絞られてきた。

             採点  7.5(10点満点平均6)






<ドラマ別レビュー:2004年1月〜3月編>
 
プライド             フジ系・21時   
 乱歩R              日テレ系・22時     
ファイアーボーイズ・め組の大吾  フジ系・21時  
 
僕と彼女と彼女の生きる道     フジ系・22時         
それは、突然、嵐のように…    TBS系・22時       
サラリーマン金太郎4       TBS系・21時 
 
エースをねらえ!         テレ朝系・21時
 
ドールハウス〜特命女性捜査班〜  TBS系・22時       
 
白い巨塔             フジ系・22時         
奥さまは魔女           TBS系・22時  
 スカイハイ2           テレ朝系・23時15分     
彼女が死んじゃった。       日テレ系・21時        
砂の器              TBS系・21時

ちょっと待って、神様/3時のおやつ/
  STAR’S ECHO 〜あなたに逢いたくて〜/
  それからの日々/





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