タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
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第249話「中澤裕子が昼ドラの主演に」
4月からのTBS系昼ドラ「ほーむめーかー」に
中澤裕子が主演する。一児の母が“宇宙一の専業主婦”を目指すというドタバタコメディーで、
中澤裕子が連続ドラマの主演を張るのは初めて。中澤裕子はコメディーができるようになれば
活躍の場も広がるんだけどな。
ここが正念場か。
『プライド』 period 10
演出:澤田鎌作
脚本:野島伸司亜樹(竹内結子)との結婚を条件に
夏川(谷原章介)が告訴を取り下げるという
おそろしくありふれた展開に。まあ、ここはホッケーに対する想いと亜樹への気持ちを
ハル(木村拓哉)がどう消化していくかという問題があるので
最終回まで様子を見てみるか。それより今回、
亜樹が夏川に突き飛ばされたことに関して
“違う一面を見た”とか言ってたぞ。
なんだよ。DV系の男じゃなかったのかよ。
ホントにガッカリな展開だな。百合(中越典子)の心境の変化も
山本(山下徹大)の感情の処理の仕方も
みんなあっさりとした描き方のまま。
どうしたんだろう、野島伸司は。物語の終盤、やっと野島伸司らしく盛り上がりそうだったのに
結局、大したことないまま終わりそうな予感。
ま、とりあえずどんな最終回にするのか興味はあるけどね。採点 5.0(10点満点平均6)
『乱歩R』 第10話「怪人二十面相 後編」
監督:五木田亮一
脚本:長川千佳子、丸山智子なるほど。
二十面相というのは心の闇のことだったのね。
まあ、もし実体としての二十面相だったら
二十面相の息子とか孫じゃないと辻褄が合わないし、
だいたい殺人を犯している時点で二十面相じゃないしね。このラスト2話で描きたかったことは分かった。
でも、こんな仕上がりでいいのか?結局、人物の描き方は
最初から最後までお粗末だったような気がする。誰がどんな事件を起こそうが
誰がどんな解決の仕方をしようが、
そこに関わる人物を丁寧に描いていないと
安っぽく見えるだけなんだよな。企画は面白かっただけに、
クオリティーが低かったのは残念だった。採点 5.0(10点満点平均6)
脚本 ★★☆☆☆
演出 ★★★☆☆
配役 ★★★☆☆
主題歌 ★★★★☆
音楽 ★★★☆☆
新鮮さ ★★☆☆☆
話題性 ★★☆☆☆平均採点 5.65(10点満点平均6)
『ファイアーボーイズ・め組の大吾』 最終回
演出:武田英樹
脚本:吉田智子最後の敬礼、とくに女性2人は、
肘が伸びていてなかなかキマっていた。この締め方はまあいいとして、
前半の構成はどうなんだろう。
CMの入れ方も含めてかなり雑だったと思うけど…。このドラマは全体的に分かりやすさを重視していたので、
安っぽい展開や寒いセリフも多々あった。
それでも火事現場の迫力あるシーンや
4話、8話など、訴えかけるエピソードもあって、
それなりの水準には達していたと思う。ただ、「ウォーターボーイズ」と同じく、
もっとうまく作れたはずなのに、
という気がしてならない。
結局は脚本なんだよな、この手の問題点は。もしレスキュー編を本当にやるなら
もう少し細かい点も丁寧に作って欲しい。採点 7.0(10点満点平均6)
脚本 ★★★☆☆
演出 ★★★☆☆
配役 ★★★★☆
主題歌 ★★★★★
音楽 ★★★☆☆
新鮮さ ★★☆☆☆
話題性 ★★☆☆☆平均採点 6.68(10点満点平均6)
『僕と彼女と彼女の生きる道』 第11話
演出:三宅喜重
脚本:橋部敦子父親(大杉漣)と母親(長山藍子)の描き方が
今回も丁寧で良かった。
やっとネクタイを外せた父親。
象徴的なシーンだった。そして3人で遊園地へ行きたいという凛(美山加恋)の提案を
徹朗(草なぎ剛)が可奈子(りょう)に電話で伝えた時、
また3人で暮らすことを期待するという可奈子の言葉に
凛はもう3人で暮らせないことは分かってる、と答える徹朗。遊園地では無邪気に遊んでいた凛が、
家に帰ってきた後に
“もう絶対、3人一緒って言わないから”
と言ったのがツボだった。
徹朗じゃなくても抱きしめたくなるって。審判の結果はやはり母親である可奈子側に親権が。
ラストは徹朗と凛の
静かな、深い悲しみに満ちた別れとなった。草なぎ剛の演技も立派だったけど、
美山加恋も大女優だな。ところで、可奈子が7年間に渡って綴っていた凛の成長日記の存在や、
徹朗がゆら(小雪)との会話の中で
可奈子と暮らしていた時期を改めて振り返ったりすることで、
可奈子がどういう気持ちで7年間を過ごし、
どういう気持ちで家を出ていったのかは描かれた。でも、これではまだ可奈子について半分しか語られてないだろう。
なぜ凛を置いていったのかをもう少し詳しく描かないと。最終回はぜひここを描くことで
結末に説得力を与えて欲しい。そして母親の決断に、まだ
“いいよ、それでも。それが私に対する罰ならば”
としか応えられない可奈子の心も救って欲しい。採点 8.0(10点満点平均6)
『それは、突然、嵐のように…』 最終回
演出:佐々木章光
脚本:金子ありさこずえ(江角マキコ)と拓馬(山下智久)の関係は
とりあえずそれなりに描けていたと思う。
でもそれに付随するものは、
結局、ハチャメチャのままだった。当初の企画で進めることができずに、
急遽オリジナルのストーリーにした混乱は想像できる。
でも、もう少し何とかして欲しかったな。“一歩一歩ステップを踏めばやがてそれがダンスになる”なら、
いろいろな人に囲まれてすでに自分のダンスを踊っていたのは
むしろこずえだったんじゃないかな。だったらこずえの方をダンスの先生にして、
一直線に向かってくる拓馬に対して心を動かされながらも
最後にダンスをモチーフに一緒に踊れないことを告げた方が
きれいに収まったような気もするけど…。まあ、どうでもいいか。
キャストは豪華だっただけに
もったいない作品だった。採点 4.5(10点満点平均6)
脚本 ★★☆☆☆
演出 ★★★☆☆
配役 ★★★☆☆
主題歌 ★★★★☆
音楽 ★★★☆☆
新鮮さ ★☆☆☆☆
話題性 ★☆☆☆☆平均採点 5.25(10点満点平均6)
『恋する京都』 全5回
制作統括:小見山佳典
演出:笠浦友愛、谷口卓敬
作:伴一彦
音楽:岩代太郎
主題歌:「恋する京都」神野美伽
制作:NHK大阪
出演:鶴田真由、村上淳、山本陽子、犬塚弘、村崎真彩、永澤俊矢、
雛形あきこ、豊原功補、鈴木紗理奈、村田充、淡島千景、
愛華みれ、松尾れい子、大杉漣、他鶴田真由の京都弁はどうなんだろう、
という気持ちはずっと抜けなかったけど、
想像していたよりずっと良かった。伴一彦の脚本に岩代太郎の音楽だもんな。
京都の風景と相まって雰囲気は上品だった。その上品な雰囲気のアクセントになったのは、
もちろん晶を演じた村崎真彩。
可愛かった、ていうか、
最高の“じゃりン子チエ”キャラだった。最近、目を惹く役者はみんな子役だなあ。
感性の問題なのか?彼女がジュリエットを演じた
京都弁版のロミオとジュリエット。
これは最高だった。おー、ロミオさん、ロミオさん、
なんでロミオさんやの? アンタは…。
アンタのお父ちゃんはお父ちゃんやない言うて。
アンタの屋号を捨てて欲しいのどす。
それともそれがイヤやったら
せてもウチを好きやて言うて欲しいのどす。ウチの敵と言うても、それはアンタの名前だけどす。
モンタギューの名前を捨ててもアンタはアンタ。
名前を捨てたところでアンタが素敵な人やいうことは
ちっとも変わらしません。
ロミオさん、その名前を捨てとくれやす。
そのかわりこの私を受け取ってくれやす。これはなんやろ。
杯が、愛する人の手の中に…。
毒なんや。
ひどいやないの、みんな飲んでしもうて。
ウチに一滴も残してくれへん。
そや、まだ唇に毒が残ってるかもしれへん。
それで死ねたらあの世で結ばれるんや。(-。-)チュ
アンタの唇まだ温かいやん。
採点 7.0(10点満点平均6)
脚本 ★★★★☆
演出 ★★★★☆
配役 ★★★★☆
主題歌 ★★★☆☆
音楽 ★★★★★
新鮮さ ★★★☆☆
話題性 ★★☆☆☆
<ドラマ別レビュー:2004年1月〜3月編>
月■プライド フジ系・21時
■乱歩R 日テレ系・22時
火■ファイアーボーイズ・め組の大吾 フジ系・21時
■僕と彼女と彼女の生きる道 フジ系・22時
水■それは、突然、嵐のように… TBS系・22時
木■サラリーマン金太郎4 TBS系・21時
■エースをねらえ! テレ朝系・21時
■ドールハウス〜特命女性捜査班〜 TBS系・22時
■白い巨塔 フジ系・22時
金■奥さまは魔女 TBS系・22時
■スカイハイ2 テレ朝系・23時15分
土■彼女が死んじゃった。 日テレ系・21時
日■砂の器 TBS系・21時
他■ちょっと待って、神様/3時のおやつ/
STAR’S ECHO 〜あなたに逢いたくて〜/
それからの日々/恋する京都
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