No.346 奈良倉山から鶴寝山・巨樹の森
平成28年4月29日 晴れ

「奈良倉山から鶴寝山」の略図
マメザクラが咲いていました
奈良倉山の山頂

奈良倉山の山頂部から富士山を望む
富士山を望む: 撮影はT君

豆桜:別名フジザクラ
マメザクラ

山稜のカラマツ林
芽生えのカラマツ林

アカゲラのドラミングがずっと聞こえていました
鶴寝山の山頂

撮影:鶴寝山〜山沢入りのヌタ
巨樹が目立ってきた!


新緑と巨樹見物と温泉入浴で極楽じゃ〜
T君とのタンデム登山では何時もだいたいこんな風なのだ…

JR中央本線上野原駅-《バス65分》-鶴峠〜奈良倉山1349m〜松姫峠1250m〜鶴寝山1368m〜山沢入りのヌタ〜巨樹の森〜小菅の湯-《バス50分》-JR青梅線奥多摩駅 【歩行時間: 4時間30分】
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページ


  大菩薩連嶺というか奥多摩というか、あるいは思い切って中央沿線の山々というべきか、微妙な位置にあるのが今回の奈良倉山から鶴寝山(つるねやま)にかけての山域だ。 私にとって魅力的なのは、その下山路に「巨樹の森」があることと下山地に「小菅の湯」が待っている、ということだ。 …ハックルベリーフレンドのT君を誘ったら二つ返事でOK!とのこと。 ときあたかも新緑真っ盛りの、GWの初日だった。

  JR中央本線の上野原駅前から臨時便のバスに乗り込んだのは8時15分頃。 流石にGWだ。 臨時や増発のバスがこんなに次々と発車するのを知らなかった。 幸先よいスタートにT君も私も思わずニンマリ。
  新緑に映えるヤマフジの薄紫色やヤマブキの黄色が印象的な、山深い県道18号線を満員のバスは快調に走る。 途中の権現山坪山の登山口(初戸や御岳神社など)で降車した乗客はわずかで、ほとんどが終点の鶴峠で下車した。 軽くストレッチしてから歩き始めたのは9時半頃だった。
  登山口に咲く、植えたと思われる数株のトウゴクミツバツツジ(雄しべが10本)の紅紫色の花に見送られ、ジグザグと急坂を登る。 スギ・ヒノキ・カラマツの人工林にミズナラ、カエデ類(イタヤカエデ、イロハモミジ、カジカエデ、ハウチワカエデ、チドリノキなど)、シデ類(アカシデ、イヌシデ)、クリ、ハリギリなどの天然林が交ざる、よくある(心休まる)林相だ。 草本のケマン類やスミレ類はその花期の終盤を迎えているようで、数も種類もやや少なめだ。 葉が展開して間もないヤブレガサ(キク科の多年草)の群生が何ヶ所かにあって、「これって山菜として食用になるんだよ」と教えたら、T君はけっこう反応していた。
  一体何人のハイカーに追い越されるのか、試しに数えながら登ってみた。 中腹辺りでの32人(約10組)までは覚えているけれど、そのあとはバカバカしくなって数えていない。 T君とのタンデム登山では何時もだいたいこんな風なのだ。 でもゆっくりだから息が切れないので、心にも余裕が生まれて、メモをとったり樹木などをじっくりと観察できるのがなによりだ。 開けた処から振り返ると(東面に)立派な山容の三頭山がすぐ近くに聳えている。
  途中で2回ほど小休止して、二等三角点のある奈良倉山の山頂1349mに着いたのは11時10分だった。 少し進むと南西方向が開けていて、左手に杓子山と右手に三ツ峠山を従えた富士山を展望できる。 その更に右手前には、滝子山から黒岳と続く大菩薩連嶺南部(小金沢連嶺)の主稜が連なっていて、これも近い。 案外と静かな山頂部だったのは、私たちを追い越していったハイカーたちがもう既に先へ進んでいたからだ。 辺りにはマメザクラが数株あって、俯いて可憐に咲くその小花を、チョコレートを齧りながら覗き込んだりして暫く過ごした。
  奈良倉山の山頂を辞して、ゆるやかな山稜を北西へ進むとブナが目立ってくる。 その芽生えたばかりの柔らかい新葉の1枚を失敬して食べてみる。 微かに苦くて青臭い、初夏の香りが口中に広がった。
  トイレのある松姫峠へ出る。 武田信玄の娘である松姫に由来する地名であるらしい。 閑散とした広場(駐車場)からは飛龍山〜雲取山〜石尾根と続く北面の山稜がよく見えている。 (H26年11月の松姫トンネル開通により廃道化している)国道139号線の峠道を横切り、再び登山道へ入る。
  二輪草コース(巻道)を右に分けて登り返すと鶴寝山の山頂1368mで、ここで昼食にする。 例によってT君はギタギタのトンカツ弁当で、私はメロンパンとサーモスの熱いコーヒーだ。 ここも南西側が開けているので富士山がよく見える。 周囲は明るくて感じのよいブナ・ミズナラ林で、キツツキ(アカゲラかな?)のドラミングが近くから聞こえてくる。 足元には小さなスミレ類やミツバツチグリが群生して咲いている。 ここも至極居心地のよい山頂だ。
  鶴寝山の山頂からなだらかに下り始めるとブナやミズナラの姿が大きくなってきて、いかにも自然林っぽくなってくる。 森の脇役はカエデ類、シデ類、リョウブ、イヌブナなどで、所々にミツバツツジ(雄しべが5本)が咲いている。 鶴寝山からのこの尾根道は、大菩薩連嶺の石丸峠から東にのびる牛ノ寝通りの末端でもあるらしい。
  大マテイ山1409mへの稜線(牛ノ寝通り)を正面に見送って、「山沢入りのヌタ」と呼ばれる鞍部から右(北)へ下る。 と、いよいよ本格的な「巨樹の森」の自然林で、これが(ゆっくり歩いて)約20分間続く。 樹種的にはブナが多いけれど、特に大きくて感動したのはトチノキの巨木で、下欄の写真で見ての通り、なかなか立派なものだった。
  やがて山沢川(小菅川に合流して奥多摩湖に注ぐ)に沿った谷筋を歩き始めると、トチノキ、カツラ、チドリノキ、ヤナギ類など、矢張り沢には沢の木々が茂っている。 木橋を渡り返したり、山葵田を通り過ぎたり、清々しい“沢下り”を楽しんでから、ヤマブキの咲く里道を抜けて「小菅の湯」に下山したのは16時頃だった。 17時45分発の奥多摩駅行きの最終バスまで、この温泉入浴施設でまったりと時を過ごしたのは云うまでもない。
  山稜のパステルカラーの芽吹きと、山腹から山里にかけての燃えるような新緑をたっぷりと満喫した、私好みの(そしてT君も賛同してくれた)素晴らしい今回の山行だった。 …それに巨樹見物と温泉入浴が“おまけ”でついているなんて、もう極楽、極楽じゃ〜。

温泉マーク 「小菅の湯」については大菩薩嶺の項を参照してください。
 外部サイトへリンク 多摩源流温泉「小菅の湯」のホームページ

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今回はいつものデジカメを家に忘れてしまい、携帯電話(ガラ携です)で撮りました。(^_^;)
芽吹きの新緑も目に優しい
ミツバツツジの咲く山稜
「巨樹のもり」の下部に位置します
トチノキの巨木
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