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No.363 能岳〜八重山〜根本山
平成30年4月28日(土) 快晴

能岳〜八重山の略図
登山口(新井)近くから虎丸山方面を望む
新井から虎丸山を望む

今がちょうど見ごろ!
ガクウツギ

虎丸山山頂の虎丸神社
虎丸神社

三角点のある能岳山頂
能岳の山頂

東屋の建つ八重山の山頂
八重山の山頂

火伏せの神(秋葉大権現)が祀られている
秋葉山山頂の木祠

根本山(左)・金毘羅大権現(右)
根本山山頂部の石碑


上野原市には眺望に優れた低山が多いのだ!
ある日思いついてぶらっと歩くのにもいいかも…

JR中央本線上野原駅-《富士急山梨バス15分》-新井〜登山口〜虎丸山468m〜能岳543m〜八重山531m〜506m峰(展望台)〜上野原中学校前〜秋葉山391m〜根本山322m〜新町〜上野原駅 【歩行時間: 3時間30分】
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 新宿駅から京王線に乗って、緑の低山群が目立ち始めると間もなく高尾駅で、ここでJR中央本線に乗り換える。新宿から高尾までの運賃は(IC優先で)JRだと550円、京王線だと360円(土休日回数券だと257円)で、京王線を利用したほうがずっと(190円ほど)トクなのだ。…と、これは都民の常識だ。そして奇妙なのは、例えば新宿〜上野原の運賃を調べてみると、JRのみの利用だと972円で、京王線併用(高尾駅で乗り換え)だと684円で、なんと片道で288円もトクになるのだ。往復するとその差は2倍になり…、土休日回数券を利用すると差は更に広がり…、と、のっけからのセコい話はこれくらいにしておこう。
 高尾駅からJR中央本線の下り普通列車が動き出して間もなく、小仏トンネルを通過するけれど、この間に地籍は東京都から神奈川県に移り変わっている。そして相模湖駅と藤野駅を通り過ぎると山梨県に入り、間もなく上野原駅に到着する。…つまり、上野原駅は山梨県内の鉄道駅としては最東端に位置している。

 その上野原駅の南口(*)から8:14発の鶴峠行き富士急山梨バス…GW初日のこととて登山姿の乗客で満員の路線バス…に乗って約15分、新井バス停で降車したのは私ともう一人の(歳も身なりも同じような)二人だけだった。殆どの乗客はこの先の権現山坪山奈良倉山三頭山などの方面へ行くようだ。 * 上野原駅からの路線バスは今までは狭い北口から発着していましたが、今月から(2018年4月2日から)南口に変わりました。
 道標に従って光電製作所前を右折して、畑と墓地の脇を通って山道へ入る。振り返るとそれらの墓地や畑や上野原市郊外の閑静な建物群の奥の…道志と御坂の山々の上空の…倉岳山だろうか、の左奥に…未だ雪を被った富士山が神々しく聳えている。もっと左側には丹沢山塊がずらっと並び、右手には扇山権現山などの中央沿線の山々が近い。それらの素晴らしい景色を(これから先も)随所で見ることになるのだけれど、まったくこの上野原には眺望に優れた低山が多いなぁ、と改めて感心する。
 まずスギ・ヒノキの植林地帯を登るが、間もなくコナラ、クヌギ、クリ、イヌシデ、ケヤキ、エノキ、エンコウカエデ、ヤマザクラ、ノイバラ、アラカシ、シラカシ、モミ、アカマツ…などの天然林(雑木林)の中を歩くようになり、気分は上々だ。林床はアズマネザサやアオキなどで、あちこちでヤマツツジが満開に咲いている。数は少ないけれどガクウツギの花も見ごろだ。草本ではササバギンラン、タツナミソウ(の仲間?)、チゴユリなどもきれいに咲いている。この山域に数多く咲くというシュンランやカタクリの花期が終わっているのがちょっと残念かも。
 登山口から30分ほども登ると指導標のある分岐があって、ここを右折して虎丸山を往復(歩程:20分強)する。木々に囲まれた静かで小さな山頂には虎丸神社の割と立派な社が建っていて、ここで丁寧にお参りした。山梨県神社庁のサイトによると、五穀をつかさどる神・養蚕の守護神として保食神(うけもちのかみ)を祀ってあるらしい。近くのアラカシの新葉が艶やかな赤紫色を帯びていて、黄緑色の雄花序といっしょに風に吹かれて、微かに揺れている。
 分岐に戻って能岳(のうだけ)を目指す。路傍の馬頭観音石像を見物したり、「夫婦岩」と書かれた立札が無ければ見過ごしてしまいそうな小さな二つの岩の脇を通ったりして楽しく登っていたら、案外あっけなく(虎丸分岐から約20分で)能岳のこじんまりとした山頂に着いてしまった。ここには三等三角点(点名:能竹山・542.72m)の標石と木製のテーブルとベンチがあって、南西側が開けているので富士山がよく見えている。
 能岳からは南へ向かって、萌える新緑とヤマツツジの赤花の海を泳ぐようにして、ゆるやかな稜線をルンルンと歩く。左手(東側)の樹林の隙間からは生籐山陣馬山なども境川(相模川の支流)の流れる谷を挟んで近くに見えている。
 東屋の建つ八重山の山頂を通過して進むと「水越八重さんの心が息づく八重山」と題した立派な石碑があって、そこで暫し立ち止まる。その碑文によると、この八重山の由来は、昭和4年(1929年)に上野原の大地主(山林所有者)であった水越八重さんが地元に寄進したことによるらしい。更に少し進むといい音色がするという「五感の森の鐘」があって、その先が五角屋根の立派な展望台になっている。ここからの西面〜南面約270度の広角大パノラマ(下欄の写真)が素晴らしかった。
 たっぷりと時間をかけて、サーモスの熱いコーヒーを飲みながら山座同定を楽しんで、さてここで早目の昼食にしようかしらと思っていたら、若いアベックが展望台に上がってきて、備え付けのテーブルを利用してお弁当を広げだした。なので、私は遠慮して彼らに軽く会釈してその場を去り、少し下った道端に座り込んでコンビニおにぎりとアンパンを食した。この辺りは「八重山五感の森」とネーミングされている美しい森に囲まれていて、あちこちに立派な解説板も立っている。かなり植樹なども行っているようで、上野原市の力の入れようが推察できる。
 樹木観察などをしながらよく整備された山道を下り、駐車場とトイレの脇を抜けると上野原中学校前の広い車道に出る。そしてそのアスファルトを少し下って標識に従って左折して、これまた畑や墓地の中を通って再び山道へ入る。大きな東屋の脇にある小さな鳥居を潜って、階段状の小道をちょっと登ると秋葉山の山頂で、ここも静かでこじんまりとしている。樹木や送電鉄塔に囲まれているので展望は殆ど無いけれど、ここには四等三角点(点名も秋葉山・391.44m)の標石があって、小さな社が建っている。秋葉…というのだから、防火を願っての火伏せの神(秋葉大権現)が祀られているんだろうな、やっぱり。
 秋葉山からは軽自動車が通れるほどのなだらかな尾根道を進み、大きな給水タンクの脇を通り、日大名誠高校のグラウンドを右に見下ろして、平らな根本山の山頂部からも富士山方面の展望を楽しむ。それからだらだらと小道を下ると、あっという間に上野原市街・国道20号線(甲州街道)に突き当たり、今朝方バスで通った車道を上野原駅へ向かう。この地の名物「酒まんじゅう」でも買って食べてみようか、とも思ったけれど、帰路の立ち寄り湯での冷えたビールを思い浮かべて、今回は(酒まんじゅうを)買わないことにした。
 高低差のある階段を下って、ドスンと上野原駅の北口に着いたのは午後1時20分頃だった。思いのほかの速い展開で、何れにしても夕方までには東京の自宅に楽々と帰れそうだ。

 今回の山行について、山道で出会ったハイカーは数名程度で、ゴールデンウィーク中ということを鑑みても、近くの高尾山の喧騒がウソのような静かなトレイルだった。ある日思いついてぶらっと歩くのにもいい山域かもしれない。これからはきっと、この上野原駅北側の低山群には…要害山・コヤシロ山などのトレイルも含めて…もっとたくさんのハイカーが訪れるようになると予感した。そう…、「山高きが故に貴からず」を今回も実感したのだ。

* コースについて(補足): 帰宅後に分かったことですが、上野原駅前(バス停)で配布されている例の手製のコース地図(能岳八重山ハイキングマップ)によると、西側から能岳へ至る登山口は(今回のルートを含めて)少なくとも4〜5箇所はあるようです。新井バス停から少し戻った処に虎丸山へ直接登るルートもあったりと、この山域には枝道がたくさんあります。コースの多様性(選択肢が多いということ)は、これもまぁ里山の良さでもあるわけですが…。

上野原駅前からは秋山温泉行きの無料送迎バスが出ているのですが、この日は“ゴールデンウイーク中はバスの運行は中止…”とのことで、多分混んでいるであろうということも予想されたので、上野原駅13時32分発の上り電車に飛び乗ってしまいました。しかし矢張り下山後の温泉入浴が恋しくて、帰路には高尾山口駅の京王高尾山温泉「極楽湯」に立ち寄って、入浴後には冷えた生ビールをぐびぐびと飲んだのであります。…つまり、帰路はいつもの通勤コースでした。(^_^;)

仕切り線

八重山の山稜にて
ヤマツツジの咲き乱れる山道
手前は山風呂〜向風の集落
能岳の山頂から富士山を望む

蛭ヶ岳〜檜洞丸〜大室山〜道志山塊〜富士山〜三ツ峠の手前に虎丸山〜扇山〜権現山
八重山展望台から南西方向を望む

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